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4章
変態の増殖疑惑と事件の発展
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「さて、今後の予定を組んでいきましょうか。」
優香が報告書と書かれた紙を机に広げていく。
きゅーっと真咲たちの方から音が鳴った。
「ん?携帯なっているぞ」
光が首を傾げる先できゅー、きゅーと連続して何か鳴いているような音が響いた。
音の方をみると、紫苑が恥ずかしそうにお腹を押さえている。
「ご飯にしようよぉ!」
真咲が今日一番にいい笑顔で笑っている。時間は正午を過ぎて13時半を差していた。
最初に優香たちがお弁当屋さんでお弁当屋を買っていたらしく、それぞれが好みのお弁当を開いた時た。
優香が出汁の香る幕の内弁当に舌鼓をうちながら、昇華にいくつかの最近の症状を聞いていた。
「最近、変だと思うことは?」
「そいつとあったこと」
昇華はロコモコ弁当をウキウキと広げながら光を指す。鮭といくらの親子丼弁当を開きかけていた光が何か言いかける。
「っていうのは半分冗談で、過去にあった妹関連の嫌な記憶がフラッシュバックする日が続いていたわ。顔が思い出せなくなるまでは、妹の笑顔がずーと不愉快に感じてた。なんか、感情が上手くコントロールできなくてここ数日、落ち着かなかったのよね」
あっさりと話題を戻して続ける昇華に、舌を出して短く「お前もかなり変わり者だ!」とブーイングを飛ばしてから光は焼き目のついた鮭に箸をつけた。
「妹さんとの記憶?双子の妹さんと色々な物を取り合って、中学までかなり喧嘩してたって話?」
優香が思い出すように宙をみる。優香と真咲には少し中学での出来事を話してあり、紫苑と光に伝えるべきか昇華が迷った時だった。
「ねぇねぇ、10日くらい前にしょーちゃんが揉めたっていう清原君の話を聞いても良いかなぁ?」
「清原?あぁ、清原 勇多(きよはら ゆうた)のこと?」
ピクッと光の箸が止まった。
一昨日のことではなく10日前のこと。昇華は最初なんのことかわからなかった。
(モウ大丈夫ダ、イイダロウ)
一瞬、脳内に低いベースがしゃべっているような声が響いて、急に嫌な記憶が心の裏側から溢れるように思い出した。
「…っ、そうだった…あの野郎…。」
ハンバーグを持ち上げていた箸を下ろして、昇華は口をきつく結んだ。
「しょーちゃんが嫌な体験をしたのは何となくわかっていたんだけど、ぼかしてて教えてくれなかったでしょう?時期も合わせると関係がある気がするんだぁ。ホントごめんなんだけど、教えてほしいな?」
ステーキ弁当を豪快に食べるのを止めて、うるうると昇華をみつめて真咲がねだるような声をだす。
(なんであんな大変だったことを、忘れてたんだろう…このメンバーになら話してもいいのかな…信じてくれるかな…)
溢れだした嫌な記憶を完全に受け止めて、昇華は勇多についての話を出すか悩んだ。
「何か関係ありそうなの?かなり気分が悪くなるかもしれない話よ…」
優香が昇華にお茶をつぎながら、更に先を促してくる。
「今更でしょ?このメンバーなら大体のどんな体験談も受け止められる。いい機会だし、関係なかった話だとしても解決できるかもよ?話してみてよ。あの時のあんたの様子は尋常じゃなかったもの。実はあたしも心配してたのよね。友人としても力になりたいから、聞きたいわ」
「うーん…」
昇華が顔をしかめて4人をみるも、全員箸を下ろして昇華の話を聞く姿勢に入っている。
「…わかった、ちょっと待ってね…」
一呼吸して、口を開いた。
優香が報告書と書かれた紙を机に広げていく。
きゅーっと真咲たちの方から音が鳴った。
「ん?携帯なっているぞ」
光が首を傾げる先できゅー、きゅーと連続して何か鳴いているような音が響いた。
音の方をみると、紫苑が恥ずかしそうにお腹を押さえている。
「ご飯にしようよぉ!」
真咲が今日一番にいい笑顔で笑っている。時間は正午を過ぎて13時半を差していた。
最初に優香たちがお弁当屋さんでお弁当屋を買っていたらしく、それぞれが好みのお弁当を開いた時た。
優香が出汁の香る幕の内弁当に舌鼓をうちながら、昇華にいくつかの最近の症状を聞いていた。
「最近、変だと思うことは?」
「そいつとあったこと」
昇華はロコモコ弁当をウキウキと広げながら光を指す。鮭といくらの親子丼弁当を開きかけていた光が何か言いかける。
「っていうのは半分冗談で、過去にあった妹関連の嫌な記憶がフラッシュバックする日が続いていたわ。顔が思い出せなくなるまでは、妹の笑顔がずーと不愉快に感じてた。なんか、感情が上手くコントロールできなくてここ数日、落ち着かなかったのよね」
あっさりと話題を戻して続ける昇華に、舌を出して短く「お前もかなり変わり者だ!」とブーイングを飛ばしてから光は焼き目のついた鮭に箸をつけた。
「妹さんとの記憶?双子の妹さんと色々な物を取り合って、中学までかなり喧嘩してたって話?」
優香が思い出すように宙をみる。優香と真咲には少し中学での出来事を話してあり、紫苑と光に伝えるべきか昇華が迷った時だった。
「ねぇねぇ、10日くらい前にしょーちゃんが揉めたっていう清原君の話を聞いても良いかなぁ?」
「清原?あぁ、清原 勇多(きよはら ゆうた)のこと?」
ピクッと光の箸が止まった。
一昨日のことではなく10日前のこと。昇華は最初なんのことかわからなかった。
(モウ大丈夫ダ、イイダロウ)
一瞬、脳内に低いベースがしゃべっているような声が響いて、急に嫌な記憶が心の裏側から溢れるように思い出した。
「…っ、そうだった…あの野郎…。」
ハンバーグを持ち上げていた箸を下ろして、昇華は口をきつく結んだ。
「しょーちゃんが嫌な体験をしたのは何となくわかっていたんだけど、ぼかしてて教えてくれなかったでしょう?時期も合わせると関係がある気がするんだぁ。ホントごめんなんだけど、教えてほしいな?」
ステーキ弁当を豪快に食べるのを止めて、うるうると昇華をみつめて真咲がねだるような声をだす。
(なんであんな大変だったことを、忘れてたんだろう…このメンバーになら話してもいいのかな…信じてくれるかな…)
溢れだした嫌な記憶を完全に受け止めて、昇華は勇多についての話を出すか悩んだ。
「何か関係ありそうなの?かなり気分が悪くなるかもしれない話よ…」
優香が昇華にお茶をつぎながら、更に先を促してくる。
「今更でしょ?このメンバーなら大体のどんな体験談も受け止められる。いい機会だし、関係なかった話だとしても解決できるかもよ?話してみてよ。あの時のあんたの様子は尋常じゃなかったもの。実はあたしも心配してたのよね。友人としても力になりたいから、聞きたいわ」
「うーん…」
昇華が顔をしかめて4人をみるも、全員箸を下ろして昇華の話を聞く姿勢に入っている。
「…わかった、ちょっと待ってね…」
一呼吸して、口を開いた。
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