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9.戻ってきた魔族達

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さてと、王自ら確認に来てやりましたよっと。

「こんな所でどうかしましたか?皆さん?」
「「「……」」」
帰ってきたのは3人…いや5人か。

「貴方は確か最初に出て行った…」
「ぐっ、確かにそうだが。お前こそ自分1人では何もできないことがわかっただろう!」
「一人で何もかもやろうとしてると考えたんですね。全然その気ないんで。皆さんが大人しく従うことはないからあーいう行動をとった。それだけです。戻ってこないのはやりたいことがあったからでしょうし、国の事で真剣なメンバーとそうじゃないメンバーを振り子に入れただけですよ~」
「つまり我々を試したと?」
「現に、主格メンバーのみ残っているでしょう?貴方方の中でも信頼している仲でしょう?」
「「「……」」」
全員が目を合わせて驚いた様に何も言わなくなった。

「それに人がいないなら呼べばいいんです。魔力は多いので召喚して呼んでる最中ですね…あ、この中に入るなら私に従うことが条件です。他に良い人材がいたら貴方方の紹介なら考えても良いです。入るか入らないかは今決めてください?」
「…私は貴女を恐怖で見ていた。だが、先代の時もそうかもしれないと考えさせられた。私を試したと言った貴女の言葉を聞いて、騙されたとも思った。そして、私は貴女に興味を持ちました。貴女のそばでそれを見届けさせていただきたい。」
ハイお世話係一名様~ルツ~

「強い人しか認めないなんて言ってる人がいるんで、認められる様に頑張ってくださいね~」
「望むところです。」

「……引き継ぎもせずに我々の仕事を受け継ぐことなど不可能でしょう?」
「それはどうだろう?腕利きの人材が集まっているから、国民たちに話を聞きながらなら可能だと思いますよ?」
「そんなの見栄でしかない。」
「その見栄を張らせようとしているのは貴方方でしょう?貴方方だって責められないわけじゃないはずだ。仕事と国を放棄した幹部たちと噂されるでしょうね?」
「……私は帰ってきた。」
「帰ってきたから入れろと?自分の意思で抜けたのでしょう?やりたい事があるやつは出て行けと言った。それに従ったのなら貴方はやりたい事が他にあったのだと思いましたが。違うのですか?」
「……違う。私が管理していたことを他人に乱されたくないのだ。」
「それは主人にもですか?」
「……」
「何か隠さなければならない事があったから帰ってきたそれを消したら消えてやるそうも取れますよ?」
「…~っ!違うと言っているだろ!私はこの国のために生きている!この国の民は魔王のために生きてきた!この国の民への挨拶の仕方も知らないだろうから指導をしてやろうと!!」
「指導してくれるために戻ってきたと」
「そうだと言って………っ!」
「ならどうぞっ。あ、別に嵌めたわけじゃないですからね?でも素直が一番ですよ?」
「~~っ!」

はい、サレイ追加~

「それで?おにーさんは?」
「……お前が強い魔王なのか知りたい。だから戻ってきた以上だ。」
「強い魔王だったら私につくんですか?」
「嗚呼」
「じゃあ、いつでも良いんでかかってきてください。」
「なんだと?」
「どうぞ?」
「……ふっ」

2人が下がった瞬間に素手を突き出すその人の手を片手で押さえ、そのまま投げとばした。

「……」
地面に叩きつけられた事が理解できず、しばらく動かなかった。
「あ、日常から狙ってくれても良いよ?まあその程度の反応だったらカイトの方がまだ強いから、もっと頑張って?」

「切り裂け闇の…」
起き上がったと思ったら詠唱魔法が飛んできたので今度は無詠唱で濃い闇の魔力を凝縮して作った槍で霧散させる。

「「「……」」」
「まだやる?」
「………………まいった」
その闇の槍を体の周囲を取り囲む様に作り出してみせる。まいったと手をあげるまで少し間があったがどうにか抜け出せないか考えを巡らせた結果諦めることにしたのだろう。

「まあ、すぐに諦めなかったから賢い判断をしたね。先代に仕えていたとは聞いていたけど、それを聞いて思うんだけど衰えてるんじゃないの?全盛期を知らないけどさ。…さて、私の強さはわかったと思いますが。どうするの?つく?それとも帰る?」
「帰るとこなんざねぇさ。あんたの側につく。」
「んじゃ、3人は決定だね。……今すぐに出てくればまだ間に合うけど。気配殺してる子供はどーするの?」
「「…!」」
「…」
天井に張り付いていた子供2人がバレていたことに警戒心を忍ばせたまま、じっとこちらを見ている。
「「……」」
「で?」
「……あんたを守るのはまだ認められない」
「……でも、国を守るために側にいたい」
「君らがしたいのは国を守ること。で良いかな?」
「「そう」」
「ならどーぞ?」
「「どういう意味?」」
「お好きにどうぞって意味。」
「「…?」」
「だーかーらー、その理由でいいよ!君らも私の仲間!」
「「はっきり言えば良いのに…」」
「サレイの真似したの」
「「嗚呼」」
「なんでそこ納得するんですか!」

「はいっもう、締め切りー!5人でおわりー!ほら中入って話し合い混ざって!」
さてと。

「“この城は我の城。許可無き者は立ち去れ。”」

「主人、遅いぞ。残りは幾つだ?」
「「「「「?!」」」」」
「デューク…残りの属性くらい自分のステータス見たらわかるでしょ。」
「む?そうだったな…えー…」
「あ、彼。カイトのサポート役兼鍛錬指導役になった先代魔王。で、今の名前はデュークね。デューク、私の世話係の予定の5名ご案内したから、鍛錬が必要ならつけてやって」
「あとは空間魔法だけだな…む?世話係を連れてきたの…か……」

デュークがやっと目の前の存在達に気づいた。
5対1で見つめ合いが始まったので放置して、カイト達に声をかける。
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