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第二章・戦士チームの編成
鍵師トーマ
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真夜中の出来事である。黒いビロードのように揺れる湖面をアヒルの被り物をしたトーマが群れに紛れて泳ぎ、城壁はトカゲの被り物に取り替えてペタペタと登って行く。
(魔変の被り物により、足ヒレになり、粘着力のある爬虫類の指になる。)
狭間窓から忍び込んだトーマは見張りを避けてパラス(居館)へ入り、寝静まった城内の通路を歩いて行く。
黒服にショルダーバックとゴーグルをしたトーマは小柄で臆病な男であるが、盗みに関しては天才的で開けられない金庫は無いと自負している。
そして豪華な王室へ入ると、奥の壁に巨大な金庫を見つけて首に掛けていたヘッドホンを装着して聴診器を扉に当てる。
『頼むぜ……』
胸の十字架のペンダントを鍵穴に差し込むとイモムシのように鍵穴に合わせて変形し、音を聴きながら三個のダイヤルを回して数分で開錠した。
『よっしゃ~』と扉を開けたが、中には金貨が数枚と黒いケースしかなくがっかりする。
『まったく、王のくせにしけてやがる』
そう呟いて、黒いケースを開けると褐色の男性器があり、皮膚感も生々しく、しかもイボイボもあって呆気に取られた。
その時、背後から短剣が首に当てられた。
「すぐにケースに戻しなさい」
「わ、わかりました」
トーマが上品なケースに仕舞い、金庫に入れて扉をきっちり閉めて両手を上げて振り向くと、透け透けの寝巻きを着た王女エッダが短剣を構えて睨んでいた。
「王女さま……口が裂けても、欲求不満だなんて言いません。絶対に秘密にすっからお許しください」
そう言ってトーマは王女の前に跪き、許しを乞うが王女エッダは怒りながらも恥ずかしさで顔を赤らめていた。
数時間前、ヤズベルから購入した自慰道具を早速試し、あまりの凄さに怖くなり、王女の威厳を守るべく金庫に隠したのである。
アリダリとケインが王室の居間に駆け付け時には、王女エッダとトーマは密約を結び、トーマは命と引き換えに秘密を守り戦士チームで能力を生かすと誓った。
「王室の金庫を開けたのか?」
「ええ、まー、軽いもんです」
トーマは侍女四名に押さえ付けられて剣を向けられていたが、悪びれた様子もなく自慢している。
「コイツ、魔変の道具を持ってますよ」
ケインがショルダーバックを開けて、アヒルとトカゲの被り物を取り出してアルダリに見せた。
「イモムシの十字架といい、ドワーフの血を引いておるな?」
(ドワーフは高度な製造技術を持ち、鍛治の炎で道具に命を吹き込むと云われている。)
孤児として育ったトーマは苦笑いして答えなかったが、王女エッダがアルダリに冷徹な表情で指示した。
「アリダリ。このトーマという鍵師を戦士チームに加えなさい。役立たずであれば、殺しても構いません」
「なるほど、面白い。この男をチームに加えるとしましょうぞ」
アルダリがイモムシの十字架をトーマの首に戻してやり、侍女からも解放され、立ち上がって黒服の埃を払ってショルダーバックを開け、ケインに被り物を入れさせる。
「んじゃー、飯でも食わしてくれっか?腹減って死にそうだぜ」
(魔変の被り物により、足ヒレになり、粘着力のある爬虫類の指になる。)
狭間窓から忍び込んだトーマは見張りを避けてパラス(居館)へ入り、寝静まった城内の通路を歩いて行く。
黒服にショルダーバックとゴーグルをしたトーマは小柄で臆病な男であるが、盗みに関しては天才的で開けられない金庫は無いと自負している。
そして豪華な王室へ入ると、奥の壁に巨大な金庫を見つけて首に掛けていたヘッドホンを装着して聴診器を扉に当てる。
『頼むぜ……』
胸の十字架のペンダントを鍵穴に差し込むとイモムシのように鍵穴に合わせて変形し、音を聴きながら三個のダイヤルを回して数分で開錠した。
『よっしゃ~』と扉を開けたが、中には金貨が数枚と黒いケースしかなくがっかりする。
『まったく、王のくせにしけてやがる』
そう呟いて、黒いケースを開けると褐色の男性器があり、皮膚感も生々しく、しかもイボイボもあって呆気に取られた。
その時、背後から短剣が首に当てられた。
「すぐにケースに戻しなさい」
「わ、わかりました」
トーマが上品なケースに仕舞い、金庫に入れて扉をきっちり閉めて両手を上げて振り向くと、透け透けの寝巻きを着た王女エッダが短剣を構えて睨んでいた。
「王女さま……口が裂けても、欲求不満だなんて言いません。絶対に秘密にすっからお許しください」
そう言ってトーマは王女の前に跪き、許しを乞うが王女エッダは怒りながらも恥ずかしさで顔を赤らめていた。
数時間前、ヤズベルから購入した自慰道具を早速試し、あまりの凄さに怖くなり、王女の威厳を守るべく金庫に隠したのである。
アリダリとケインが王室の居間に駆け付け時には、王女エッダとトーマは密約を結び、トーマは命と引き換えに秘密を守り戦士チームで能力を生かすと誓った。
「王室の金庫を開けたのか?」
「ええ、まー、軽いもんです」
トーマは侍女四名に押さえ付けられて剣を向けられていたが、悪びれた様子もなく自慢している。
「コイツ、魔変の道具を持ってますよ」
ケインがショルダーバックを開けて、アヒルとトカゲの被り物を取り出してアルダリに見せた。
「イモムシの十字架といい、ドワーフの血を引いておるな?」
(ドワーフは高度な製造技術を持ち、鍛治の炎で道具に命を吹き込むと云われている。)
孤児として育ったトーマは苦笑いして答えなかったが、王女エッダがアルダリに冷徹な表情で指示した。
「アリダリ。このトーマという鍵師を戦士チームに加えなさい。役立たずであれば、殺しても構いません」
「なるほど、面白い。この男をチームに加えるとしましょうぞ」
アルダリがイモムシの十字架をトーマの首に戻してやり、侍女からも解放され、立ち上がって黒服の埃を払ってショルダーバックを開け、ケインに被り物を入れさせる。
「んじゃー、飯でも食わしてくれっか?腹減って死にそうだぜ」
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