11 / 29
第一章・イースター(復活祭)
奇跡の代償
しおりを挟む
セレモニーホールの通路を歩く金髪の天使に鞄を抱えた悠太が駆け寄り、祭壇の裏で言われた『復活の試練』について質問した。
「これから二人に何が待ち受けているのですか?」
「一つだけ言える事は、男も命を懸ける必要がある」
天使の答えに悠太が驚愕の表情で「奇跡の代償は死?」と足を止めたが、めぐり逢った二人の時計の針は動き出し、背中に翼を付けた者に委ねられている。
「勘違いしてないか?運良く過去へ戻れたとしても、マリアの死の運命は変わらない。復活が成功しても、ルールを破ったら審判の判断で終了のホイッスルを鳴らすぜ」
「ゲームオーバー?」
「天使ってのは時を見守り、時空が歪んでないか人間を監査し、死の運命を早める事だってある」
悠太はフロアの隅で輝が携帯電話で賢士を呼び出し、その横で腕を組んで怒っている妙子を振り返り、早足で玄関口へ向かう天使を追いかけた。
「じゃー偵察してくるから、ここで待ってろ」
「僕は地上から行きます」
「たから、無理なんだって」
天使はドアをすり抜けて通りへ出ると、背中の翼を広げて夕暮れの空へ飛び上がり、悠太は歩道を走って追いかけたが、4、5m進んだだけで背中にゴム紐があるようにビューンっと引き戻され、玄関前を直角に曲がって逆走りし、セレモニーホールのフロアに後ろから倒れ込んだ。
その時、天使に渡された四角い革鞄の蓋が開いて、タブレット、ヘアワックス、歯ブラシ、筆記用具などが床にばら撒かれ、悠太はそれを拾い集めて、天使が自分には無理だと言い、マリアは『体から離れさせてやったぜ』と言った事を思い起こす。
『霊体は肉体とコードで繋がれ、切れたらこの世界から消えるのか?』と、四角い革鞄を前に置いて床に座り込む。
『まだ何かできる事がある筈だ。天使が時の審判ならば、ジーケンは神の手でゴールする力を持っている……』
悠太は金髪の天使の話を聞き、人間が刷り込まれている『天使』のイメージとは違い、運命を遵守する為なら死期を早めるダークな存在だと知り、二人の手助けになる具体的な方法を模索した。
「これから二人に何が待ち受けているのですか?」
「一つだけ言える事は、男も命を懸ける必要がある」
天使の答えに悠太が驚愕の表情で「奇跡の代償は死?」と足を止めたが、めぐり逢った二人の時計の針は動き出し、背中に翼を付けた者に委ねられている。
「勘違いしてないか?運良く過去へ戻れたとしても、マリアの死の運命は変わらない。復活が成功しても、ルールを破ったら審判の判断で終了のホイッスルを鳴らすぜ」
「ゲームオーバー?」
「天使ってのは時を見守り、時空が歪んでないか人間を監査し、死の運命を早める事だってある」
悠太はフロアの隅で輝が携帯電話で賢士を呼び出し、その横で腕を組んで怒っている妙子を振り返り、早足で玄関口へ向かう天使を追いかけた。
「じゃー偵察してくるから、ここで待ってろ」
「僕は地上から行きます」
「たから、無理なんだって」
天使はドアをすり抜けて通りへ出ると、背中の翼を広げて夕暮れの空へ飛び上がり、悠太は歩道を走って追いかけたが、4、5m進んだだけで背中にゴム紐があるようにビューンっと引き戻され、玄関前を直角に曲がって逆走りし、セレモニーホールのフロアに後ろから倒れ込んだ。
その時、天使に渡された四角い革鞄の蓋が開いて、タブレット、ヘアワックス、歯ブラシ、筆記用具などが床にばら撒かれ、悠太はそれを拾い集めて、天使が自分には無理だと言い、マリアは『体から離れさせてやったぜ』と言った事を思い起こす。
『霊体は肉体とコードで繋がれ、切れたらこの世界から消えるのか?』と、四角い革鞄を前に置いて床に座り込む。
『まだ何かできる事がある筈だ。天使が時の審判ならば、ジーケンは神の手でゴールする力を持っている……』
悠太は金髪の天使の話を聞き、人間が刷り込まれている『天使』のイメージとは違い、運命を遵守する為なら死期を早めるダークな存在だと知り、二人の手助けになる具体的な方法を模索した。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】20年後の真実
ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。
マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。
それから20年。
マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。
そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。
おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。
全4話書き上げ済み。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
公爵令嬢は結婚式当日に死んだ
白雲八鈴
恋愛
今日はとある公爵令嬢の結婚式だ。幸せいっぱいの公爵令嬢の前に婚約者のレイモンドが現れる。
「今日の結婚式は俺と番であるナタリーの結婚式に変更だ!そのドレスをナタリーに渡せ!」
突然のことに公爵令嬢は何を言われたのか理解できなかった。いや、したくなかった。
婚約者のレイモンドは番という運命に出逢ってしまったという。
そして、真っ白な花嫁衣装を脱がされ、そのドレスは番だという女性に着させられる。周りの者達はめでたいと大喜びだ。
その場所に居ることが出来ず公爵令嬢は外に飛び出し……
生まれ変わった令嬢は復讐を誓ったのだった。
婚約者とその番という女性に
『一発ぐらい思いっきり殴ってもいいですわね?』
そして、つがいという者に囚われた者の存在が現れる。
*タグ注意
*不快であれば閉じてください。
婚約破棄の代償
nanahi
恋愛
「あの子を放って置けないんだ。ごめん。婚約はなかったことにしてほしい」
ある日突然、侯爵令嬢エバンジェリンは婚約者アダムスに一方的に婚約破棄される。破局に追い込んだのは婚約者の幼馴染メアリという平民の儚げな娘だった。
エバンジェリンを差し置いてアダムスとメアリはひと時の幸せに酔うが、婚約破棄の代償は想像以上に大きかった。
十六歳の妹の誕生日、私はこの世を去る。
あいみ
恋愛
碌に手入れもされていない赤毛の伯爵令嬢、スカーレット。
宝石のように澄んだ青い髪をした伯爵令嬢、ルビア。
対極のような二人は姉妹。母親の違う。
お世辞にも美しいと言えない前妻の子供であるスカーレットは誰からも愛されない。
そばかすだらけで、笑顔が苦手な醜い姉。
天使のように愛らしく、誰からも好かれる可愛い妹。
生まれつき体の弱いルビアは長くは生きられないと宣告されていた。
両親の必死に看病や、“婚約者の献身的なサポート”のおかげで、日常生活が送れるようになるまで回復した。
だが……。運命とは残酷である。
ルビアの元に死神から知らせが届く。
十六歳の誕生日、ルビアの魂は天に還る、と。
美しい愛しているルビア。
失いたくない。殺されてなるものか。
それぞれのルビアを大切に思う想いが、一つの選択をさせた。
生まれてくる価値のなかった、醜いスカーレットを代わりに殺そう、と。
これは彼女が死ぬ前と死んだ後の、少しの物語。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる