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獣王国ベスティア
宴会の席
王宮の侍従によって各々ドレスコードをし、伝令役の獣人に連れられ入った部屋には大皿に乗せられた料理が並んでいた。
どれもが獣王国の郷土料理であり、グレイ達にとっては初めて見る料理の数々。
「美味そう!」
近くにあった皿を持って飛び出そうとするジークをレイラが静止する。
「まだ獣王様が来てないでしょうが!」
まるで飼い犬に待て、をする飼い主のような光景にグレイはくすくすと笑う。何度も見た日常の光景はそれだけでグレイ達の心に安心を齎してくれる。
そんな夫婦漫才を楽しんでいると部屋の扉が兵士によって開かれ、獣王が中へと入る。その後ろには数名、獣人が続く。
「うむ、侍従には褒美を取らせるか。馬子にも衣装とは良く言った話だが……良く似合っておるぞ」
獣王は依然威圧感を消してはいないが先ほどよりは雰囲気は柔らかくネロのドレス姿を見て笑いかける。
だが、そんな獣王にたいしてネロは素っ気ない態度で「あ、そう」と言い料理を取り始める。
それが契機となりジークも料理を取り始める。
◇◇◇
いつの間にか音楽隊が演奏をし、宴会場を盛り上げる。
だが、そこに不協和音がいくつか。
一つは脳筋達の合唱。
「ガハハハ!!いやぁ良い戦いだったぜジーク!!」
大笑いしながらジークの肩を叩く獣人にジークは似た物を感じて会話が弾む。あの時はどうだったとか、自分だったらこうしたとか。
ジーク本人はその話し相手が何者なのか分からずに話している。
そんなジークから少し離れた場所で不貞腐れながらも料理を食べるネロとグレイは話す。
「なんで脳筋馬鹿を連れてくるかな~」
『あの人は?』
「ジークと話してるのは兵士全般を任されてる軍団長。猪の獣人で突撃することしか頭にないからジークとは相性良さそうだけど」
更にネロはふいと視線をレイラ達の方に移すと二人の獣人と楽しそうに話していた。
特に興味深いのは合計四人いるはずなのに顔は二種類だけな事。
「あそこの二人は飛行部隊と兵站を統括する双子にゃ。多分、双子同士話易かったんにゃね。それに戦い方も似てるし」
ネロはそう言って双子の獣人を交互に見る。
レイラ達と話している獣人達はベースとなる魔獣が異なっている。それは双子であってもあり得るのかとグレイは興味深そうにネロの話を聞く。
「宴は楽しんでいるか?」
「料理は美味しい。雰囲気は最悪」
「ふむ、ならば我と二人きりで食事の方が良かったか?」
ヴリトラを側に侍らせ獣王はネロに話す為に近くに寄ってきた。手には何も持っておらずネロと話すための口実としてこの宴を催したのでは?とグレイが思うほどには獣王は一直線でやって来た。
「私と二人きり?今までそんな事なかったのに?寝言も寝ていったほうがいいにゃ。また毒でも盛られないように」
獣王とは目を合わせないネロは毒を吐いて獣王から離れていった。
(なんだか悲しそう……?)
一瞬、獣王の顔が悲しみを堪える表情をしたように見えたグレイだが、瞬きをした次の瞬間には威圧感たっぷりの表情に戻っていた。
「さて、話し相手に逃げられてしまった。其方は名を何という?」
『グレイ』
「グレイ、か。女にしては中々に珍しい名よな。謁見の時より気になっておったのだがもしや言葉を話せないのか?」
獣王の質問に首を縦に振る。
すると「そうか……」と少し考え再び話し始める。
「ジークとやらの動機はおそらくウリムの奴と同じで戦ってみたいとかであろう?しかし、他の者はあの脳筋とは毛色が違いそうだが其方はどうなのだ?」
ジークが俺たちと発言した事でグレイもまた戦うのだと思った獣王はその華奢すぎる身体で何故戦場に立つのか質問する。
(試されてる……?でも威圧感はそこまで感じない。それに聞いてみるなら今かな)
『私は聖獣の封印している結界に興味がある。私が使う"ルーン"と似たものが結界に書かれているとネロが言っていた。本当?」
少し矢継ぎ早に文字を書いてしまうグレイは敬語を忘れたり色々失敗したと思いながらも、小さな火を指の先に出して見せる。
それに獣王は眼を見開く。
「キサマッ獣王様が許したとはいえ宴の席でまさか攻撃するつもりではないだろうな!」
グレイが火を出したのを見たヴリトラが警戒心を露わにし、瞳孔が縦に裂ける。それに驚いてグレイはルーンを霧散させてしまう。
そこで獣王はヴリトラを制し、グレイに尋ねる。
「其方、エルフの縁者か?」
『何故、エルフの名が出て来るのですか?』
最近いい思い出のない種族の名が出た事によってグレイはその真意を確かめる為に更に会話をする。
「聖獣の封印は確かに歴代の獣王が行ってきたものだが築いたのは流れのエルフだったのだ。そのエルフは其方のような不思議な魔法を用いたと伝えられている。もしや、本のようなものも持っていないか?」
『コレのこと?』
グレイがルーンの書を呼び出すと更に獣王は興奮しながら話す。それは自分の知らない事を知った時のグレイのような無邪気さすら感じる。
ルーンの書を手に取った獣王は表紙や裏表紙をつぶさに確認し、グレイへと返す。
「確かに歴代の獣王に伝わるエルフが持っていた本に酷似している。何故人間の其方が持っているのかは謎だが良いものが見れた。では宴を楽しむといい」
獣王はグレイの元を離れジークやレイラ達の元にいる部下と会話をする。
獣王がいなくなったのを見計らってネロがグレイの元に戻って来た。手元には肉や骨などが乗った皿を持っている。
その一つをグレイに渡しながらネロは獣王を横目に話し始める。
「あそこまで興奮した獣王は初めて見たにゃ。いつもはもっと鉄仮面みたいな仏頂面だから」
『ネロは獣王様とかなり前から知り合いなの?』
「………まぁそうにゃ。と言ってもほぼ話すことなんかなかったけど。それで、獣王が来たせいで話が途中だったけどまだ聞きたいこととかあるかにゃ?」
『じゃあ反乱軍とか……?』
ヴリトラが口にした反乱という言葉。英雄譚などしか読めなかったグレイでも良く目にした言葉で、良く悪虐を極めた王に逆らう者達に使われる言葉。
だが、闘技場で見た限りそんな様子は見えなかった。
だからこそ、グレイはそこが気になった。
「そんな難しい話じゃない。前の聖獣との戦いで死んだ兵士の知り合いが逆恨みした連中の集まりにゃ。何故、我らの友柄は死んだのに獣王は死ななかったのかって」
グレイが気にすることじゃないにゃ、と話を変えて宴の食事の話題をするネロにさらに聞く空気になれず、だがそのネロの言葉が獣王との不和の原因なのではないかと心内で考えて離れなかった。
どれもが獣王国の郷土料理であり、グレイ達にとっては初めて見る料理の数々。
「美味そう!」
近くにあった皿を持って飛び出そうとするジークをレイラが静止する。
「まだ獣王様が来てないでしょうが!」
まるで飼い犬に待て、をする飼い主のような光景にグレイはくすくすと笑う。何度も見た日常の光景はそれだけでグレイ達の心に安心を齎してくれる。
そんな夫婦漫才を楽しんでいると部屋の扉が兵士によって開かれ、獣王が中へと入る。その後ろには数名、獣人が続く。
「うむ、侍従には褒美を取らせるか。馬子にも衣装とは良く言った話だが……良く似合っておるぞ」
獣王は依然威圧感を消してはいないが先ほどよりは雰囲気は柔らかくネロのドレス姿を見て笑いかける。
だが、そんな獣王にたいしてネロは素っ気ない態度で「あ、そう」と言い料理を取り始める。
それが契機となりジークも料理を取り始める。
◇◇◇
いつの間にか音楽隊が演奏をし、宴会場を盛り上げる。
だが、そこに不協和音がいくつか。
一つは脳筋達の合唱。
「ガハハハ!!いやぁ良い戦いだったぜジーク!!」
大笑いしながらジークの肩を叩く獣人にジークは似た物を感じて会話が弾む。あの時はどうだったとか、自分だったらこうしたとか。
ジーク本人はその話し相手が何者なのか分からずに話している。
そんなジークから少し離れた場所で不貞腐れながらも料理を食べるネロとグレイは話す。
「なんで脳筋馬鹿を連れてくるかな~」
『あの人は?』
「ジークと話してるのは兵士全般を任されてる軍団長。猪の獣人で突撃することしか頭にないからジークとは相性良さそうだけど」
更にネロはふいと視線をレイラ達の方に移すと二人の獣人と楽しそうに話していた。
特に興味深いのは合計四人いるはずなのに顔は二種類だけな事。
「あそこの二人は飛行部隊と兵站を統括する双子にゃ。多分、双子同士話易かったんにゃね。それに戦い方も似てるし」
ネロはそう言って双子の獣人を交互に見る。
レイラ達と話している獣人達はベースとなる魔獣が異なっている。それは双子であってもあり得るのかとグレイは興味深そうにネロの話を聞く。
「宴は楽しんでいるか?」
「料理は美味しい。雰囲気は最悪」
「ふむ、ならば我と二人きりで食事の方が良かったか?」
ヴリトラを側に侍らせ獣王はネロに話す為に近くに寄ってきた。手には何も持っておらずネロと話すための口実としてこの宴を催したのでは?とグレイが思うほどには獣王は一直線でやって来た。
「私と二人きり?今までそんな事なかったのに?寝言も寝ていったほうがいいにゃ。また毒でも盛られないように」
獣王とは目を合わせないネロは毒を吐いて獣王から離れていった。
(なんだか悲しそう……?)
一瞬、獣王の顔が悲しみを堪える表情をしたように見えたグレイだが、瞬きをした次の瞬間には威圧感たっぷりの表情に戻っていた。
「さて、話し相手に逃げられてしまった。其方は名を何という?」
『グレイ』
「グレイ、か。女にしては中々に珍しい名よな。謁見の時より気になっておったのだがもしや言葉を話せないのか?」
獣王の質問に首を縦に振る。
すると「そうか……」と少し考え再び話し始める。
「ジークとやらの動機はおそらくウリムの奴と同じで戦ってみたいとかであろう?しかし、他の者はあの脳筋とは毛色が違いそうだが其方はどうなのだ?」
ジークが俺たちと発言した事でグレイもまた戦うのだと思った獣王はその華奢すぎる身体で何故戦場に立つのか質問する。
(試されてる……?でも威圧感はそこまで感じない。それに聞いてみるなら今かな)
『私は聖獣の封印している結界に興味がある。私が使う"ルーン"と似たものが結界に書かれているとネロが言っていた。本当?」
少し矢継ぎ早に文字を書いてしまうグレイは敬語を忘れたり色々失敗したと思いながらも、小さな火を指の先に出して見せる。
それに獣王は眼を見開く。
「キサマッ獣王様が許したとはいえ宴の席でまさか攻撃するつもりではないだろうな!」
グレイが火を出したのを見たヴリトラが警戒心を露わにし、瞳孔が縦に裂ける。それに驚いてグレイはルーンを霧散させてしまう。
そこで獣王はヴリトラを制し、グレイに尋ねる。
「其方、エルフの縁者か?」
『何故、エルフの名が出て来るのですか?』
最近いい思い出のない種族の名が出た事によってグレイはその真意を確かめる為に更に会話をする。
「聖獣の封印は確かに歴代の獣王が行ってきたものだが築いたのは流れのエルフだったのだ。そのエルフは其方のような不思議な魔法を用いたと伝えられている。もしや、本のようなものも持っていないか?」
『コレのこと?』
グレイがルーンの書を呼び出すと更に獣王は興奮しながら話す。それは自分の知らない事を知った時のグレイのような無邪気さすら感じる。
ルーンの書を手に取った獣王は表紙や裏表紙をつぶさに確認し、グレイへと返す。
「確かに歴代の獣王に伝わるエルフが持っていた本に酷似している。何故人間の其方が持っているのかは謎だが良いものが見れた。では宴を楽しむといい」
獣王はグレイの元を離れジークやレイラ達の元にいる部下と会話をする。
獣王がいなくなったのを見計らってネロがグレイの元に戻って来た。手元には肉や骨などが乗った皿を持っている。
その一つをグレイに渡しながらネロは獣王を横目に話し始める。
「あそこまで興奮した獣王は初めて見たにゃ。いつもはもっと鉄仮面みたいな仏頂面だから」
『ネロは獣王様とかなり前から知り合いなの?』
「………まぁそうにゃ。と言ってもほぼ話すことなんかなかったけど。それで、獣王が来たせいで話が途中だったけどまだ聞きたいこととかあるかにゃ?」
『じゃあ反乱軍とか……?』
ヴリトラが口にした反乱という言葉。英雄譚などしか読めなかったグレイでも良く目にした言葉で、良く悪虐を極めた王に逆らう者達に使われる言葉。
だが、闘技場で見た限りそんな様子は見えなかった。
だからこそ、グレイはそこが気になった。
「そんな難しい話じゃない。前の聖獣との戦いで死んだ兵士の知り合いが逆恨みした連中の集まりにゃ。何故、我らの友柄は死んだのに獣王は死ななかったのかって」
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