百色学園高等部

shine

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ランキングイベント

追いかけ回される毎日

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俺は走ってた。息を切らせながら。



「ユイリーン様少し待ってください~」

「お話だけでも~」

「ちょっ………ギブギブ…………」


ゼイゼイいいながら、逃げ惑う俺。
疲れたから、近くの空き教室の掃除用具の中に入って隠れる。


せまっ。

顔に箒があたらないように気をつけながら、片足にバケツ突っ込んむという……変な体せいを維持し続けるのが辛い。







抱きたい抱かれたいランキング参加者発表をされてからというもの、生活が少し変わってしまった。



少しじゃないか。結構変わったわ!!






あのね、


学内記事に参加者についての話を書きたいっていう新聞部の人達がいるわけよ。

なかなか馴染みのない学内新聞だが、この時期は仕事だーってせいをだしてるらしい。

そんなのいらん。

このランキングは一ヶ月後におこなわれる。それまでに、候補者のコメントや普段の生活や部活とか、
色々、いろいろ、イロイロ、
調べて回ってご丁寧に写真付きで掲示板に貼っていたりするらしい。


優良候補の写真付き新聞は何人も貰って行く人がいるから余分に刷ったりするらしいけど、人気がありすぎて配るぶんがなくなると掲示板の新聞を剥がしてまで持っていこうとする人もいるんだって。


大変だー。
(イケメンの写真を欲しいという気持ちもわからないでもないが………。)



そんなかんじで、この、優秀な公のストーカーができる。

新聞部という存在。


俺にとっては少し恐怖になりつつある。


何てったってまで調べようとするからだ。



趣味は何で、いつどこによくいるのか、
昼食のメニューは何が好きで何を食べるか、
休み時間や放課後はなにしてるか
トイレはどこを使うのか。とかまで。


そんでもってスケジュールを作って記事にする。


え、俺、自分でもこんな癖あったの知らなかったよ?ってくらい分析されるの…………


俺にプライベートはないのか……


そりゃね、

有名な人の行動パターンを真似したい、会いたいから待ち伏せしたいという人がいるのはわかる。


だが、


俺はネタ枠だーーー涙
 (ホントに違う)











っと、いつもの貧血……


踏ん張ろうと、足に力を入れて。



ガタッ



ガラガラ…………



どてん。

スッ転ぶ俺。



やっちゃった。そうだ、片足バケツに突っ込んでたわ。



転んで膝が痛い…………後で保健室で湿布貰おう。隠れるのにもちょうどいいかもだし!!



なんてのんきに考えるのもここまで。

ドアが開いて、目の前に新聞部らしき人物



「「あ」」





「いたぞぉ~」



「人違いですぅぅ~」

後ろに向かって叫んで必死に逃げる俺。




「あでっ」





前をよくみないで走ったせいで頭ぶつけちゃって転ぶ。けど、すぐに起き上がって逃げる。




(今度は反対側の足ぶつけた~!!!!)
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