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2 放課後は独り占め
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お風呂の中で何度もシミュレーションして、景気付けのガリガリアイスを食べて、部屋に戻った。
LINEを送る。すぐに電話がかかってきた。
「もしも」
『高野くんっ、あの、帰ってきてからツイッター開いた?』
聞いたこともないような慌てた声。
「え、あ、はい。普通に見てましたけど」
『じゃあ、アカリスさんの会話……見ちゃった?』
「…………はい」
気っまず!
何? 春馬さん、俺への隠れたメッセージとかじゃなくて、普通に俺が見てるって忘れて書いてたの?
俺の事前シミュレーションは、一瞬で無駄に終わったらしい。
春馬さんは、とんでもなく恥ずかしそうな声で言った。
『すごいごめん』
「俺、デートみたいなはしゃぎ方はしてました?」
笑って尋ねると、春馬さんは小さくうめいたあと、小さく「うん」と言った。
『可愛くて。でも、全然そんなんじゃないってもちろん分かってるし、比喩的な意味だからね』
「いや? 俺、デートみたいな気分でしたよ? 一緒にいて楽しい人と行きたいところに行けたら、気分よくなるに決まってるじゃないですか」
深い意味なんて何もない、というような感じを出したつもり。
でも春馬さんは、しばらく黙ったあと、声のトーンを下げて言った。
『なんかこれ、言っても言わせてもダメな話な気がする』
「何がですか?」
『ううん、気のせいならいいんだけど。いや、僕の思い上がりすぎか。ごめん、忘れて?』
「いや、」
思わず、否定の言葉を出してしまった。
そして、出てしまったものを戻すことはできない。
少し迷ったあと、小声でぼそぼそっと言った。
「たぶんそれ、思い上がりじゃないと思います。でも、お互い言っちゃダメな話っていうのも分かるんで」
『そっか』
それっきり、沈黙。
数秒経ってから、春馬さんが静かに尋ねてきた。
『……高野くん、あしたはバイト、何時に終わるの?』
「16:30に終わります」
『そのあと、少し会えないかな』
「はい。どこで待ち合わせますか?」
『新宿で。食事しながらちょっと話そう』
待ち合わせをして、電話を切る。
そして、布団をすっぽりかぶった。
やばい、完全に好きバレした。
そして春馬さんも、なんだかまんざらでもなさそう。
でも、もし仮に本当に好き同士だったとしても、春馬さんは『じゃあ付き合いましょう』とは言わない気がする。
好き同士だとはっきりしたら、『じゃあ会うのはやめよう』と言うんじゃないだろうか。
電話で済ます話じゃないから、直接、みたいな。
……と考えるとあしたの用件はほぼ確定したようなもので、ただただ気が重い。
寝ても寝なくてもあしたは来るけど、『寝不足で酷い顔は見せたくないな』という女子みたいな理由で、無理やり寝た。
LINEを送る。すぐに電話がかかってきた。
「もしも」
『高野くんっ、あの、帰ってきてからツイッター開いた?』
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「え、あ、はい。普通に見てましたけど」
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春馬さんは、とんでもなく恥ずかしそうな声で言った。
『すごいごめん』
「俺、デートみたいなはしゃぎ方はしてました?」
笑って尋ねると、春馬さんは小さくうめいたあと、小さく「うん」と言った。
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「いや? 俺、デートみたいな気分でしたよ? 一緒にいて楽しい人と行きたいところに行けたら、気分よくなるに決まってるじゃないですか」
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でも春馬さんは、しばらく黙ったあと、声のトーンを下げて言った。
『なんかこれ、言っても言わせてもダメな話な気がする』
「何がですか?」
『ううん、気のせいならいいんだけど。いや、僕の思い上がりすぎか。ごめん、忘れて?』
「いや、」
思わず、否定の言葉を出してしまった。
そして、出てしまったものを戻すことはできない。
少し迷ったあと、小声でぼそぼそっと言った。
「たぶんそれ、思い上がりじゃないと思います。でも、お互い言っちゃダメな話っていうのも分かるんで」
『そっか』
それっきり、沈黙。
数秒経ってから、春馬さんが静かに尋ねてきた。
『……高野くん、あしたはバイト、何時に終わるの?』
「16:30に終わります」
『そのあと、少し会えないかな』
「はい。どこで待ち合わせますか?」
『新宿で。食事しながらちょっと話そう』
待ち合わせをして、電話を切る。
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やばい、完全に好きバレした。
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でも、もし仮に本当に好き同士だったとしても、春馬さんは『じゃあ付き合いましょう』とは言わない気がする。
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電話で済ます話じゃないから、直接、みたいな。
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