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出会い編

第4話 究極の2択に現れる3択目

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 階段を降りると、部屋にでる。
そこは、殆ど人が出入りしないのか、
部屋中ほこりが舞っていて、呼吸するにも一苦労である。

 「ゴホッ、なんだここは……廃虚か?」
 
 確かめるにも、こんなところの地下に灯りがあるわけもなく、真っ暗で周りの様子が把握できない。

 「いやぁ、こんな時に魔法が使えれば
 暗いところもへっちゃらなんだろうが
 なぁ、」

 少し、進んでみる。とりあえず戻れるようにと今のところまっすぐに進んでいる。最も、出入り口は来たところ一つのようで、なかなか空間も広そうだ。

 「にしても紙に教えられるがままに来   
  たけど、ここは少なくともではないなぁ。」

 ……もう少し早く気づくべきだったとは思った。

 と、不意に前に出していた手のひらに感触が伝わる。硬く、ひんやりしていて
それが鉄の扉であることは僕でもすぐ気づくことができた。

 「これは、押すタイプか? 引くタイ
      プか?」

 こういう場面で扉を見つけると、ついつい気取った思考になってしまう。
………両方とも試せばいいのだが、やはりこういう無駄足をするのも、冒険のいいところであろう。

 「これは………扉にとってがない。故
 に、おそらく押すタイプだろう。
 しかし、
 あえて僕は『ひく』にかけようじゃあ
 ないか!」

 ………自分でもやかましいとは思っている。

 僕は力一杯扉を……しかし、結果は変化なししっぱいである。僕は一度溜息をついたのち、扉を押す。


 が、これも変化なししっぱい
 もしかして……と思い、一度しゃがみ、扉を上に持ち上げる。

…………ゴゴゴ…という音を立てて扉が上がる。なるほど、これはシャッターか。

 俺はシャッターをあけ、奥の部屋へと向かう、 

 部屋に入ると、僕の耳にが暴れているような金属音が響き渡る。流石に思わず耳を抑える。

 そこには何がいるのだろうか。今、僕の中には、好奇心と恐怖心とがお互いを主張している。俺が脳なら間違えなくこのまま宿へ帰らせるだろう。

 しかし、僕の脳はもう冒険者である。先へ進むことを優先したのだ。これがこの後の運命を大きく左右させるとは梅雨知らず………
 

 
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