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機械仕掛けの男と過ごす熱帯夜
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ある熱帯夜に、私は水を求めて寝床から這い出た。
田園風景が広がるガラス窓の向こうは、蛍のような月明かりに照らされてぼんやりと輝いていた。裏庭から聞こえるせせらぎの音と、鈴虫の声。普段と変わらぬ夜景の一部が窓枠の向こうに広がっていた。
しかし階下へ降りてみれば、異変に気づく。見慣れぬものを視界に留めて目を眇め、私は注意深く陽炎のような黒い人影を見つめた。起き抜けに幽霊でも見てしまったかと思ったからだ。
それが生きた――しかも負傷した――男だとわかって思わず目を見開いた。
この時の男の顔は酷く青白かったが、浮世離れしたたたずまいだった。なんだか目の前の風景を眺めている旅行客のように、自分の悲惨さなど他人事みたいな顔でボーっとしていた。重症であるはずの男が魅せる表情に違和感を覚えるも、彼が血まみれの左腕を抱えるように右手で押さえ、立っているのもやっとといった様子だったことには変わりなかったので、私は障子窓を開けて外履きに足をつっかけながら声をかけていた。
「お前のその怪我、診てあげる」
今にも消えてしましそうだった影の気配がかすかに揺らいで、焦点のあっていなかった目が生気を宿した。
「おいで」
私の促す声に誘われるようにして、庭先の石畳を渡ってこちらにやって来る男の姿を確認すると、私は縁側の障子を開け放った。
今時、日本庭園まである日本家屋は国宝級に等しい。その物珍しさから、勝手に裏口を回ってきて見物していく人もいるぐらいだ。私自身もそういう人たちと立ち話をしてのんびりと交流するのも楽しくおもっていたのだが、夜半に人を招き入れたのはいささか不用心だったろうか。とはいえ過去にも、ここの静けさに引きつけられるようにして、我が家には傷を追った野良猫や野良犬が迷い込んでくることがよくあったし、今回もそんなようなものだろう。
私と男が居るのはこの家の深奥部。
ここにたどり着くまでにいくつかの和室を通り抜けてきた。
この部屋だけは他と違って特別仕様で、見かけは強固な四角い箱のようになっているシェルターだ。
壁や天井は打ちっぱなしのコンクリートで窓は無く、唯一部屋の中央に設えてあるステンレス製の台が人の目を引いた。
「じっとしていて」
中央の台の上に男を座らせて私は言った。
服をハサミで切り、傷口を診て思わず息を呑む。
男の死角となる肩甲骨に刻まれたシリアルナンバーと、破れた筋組織の下に覗いている鋼の部品を見て思い当たるものがあった。
第三次世界大戦終戦後に飛躍を遂げたIPS細胞実験が功を奏し、擬似人体の形成に成功した。終戦後の混乱の中で倫理観が乱れていた時勢を利用し、実験は重ねられていった事は知っていたが――その後、彼らはどうなったか。
(……人であって人でないモノ)
この男は怪我をして初めて知ってしまったのだろう。己が機械じかけのコイルや電磁波で動く身体であることを。
瞳を覗きこんでも、麻酔用電磁波で朦朧とする男の目はうつろで、何も映していないように見える。
私はゴム手袋をした手に縫合用の糸と針を持つと、作業に取り掛かった。
「う……ん?」
畳敷きの薄暗い部屋に男は横たわっていた。昨晩、意識が朦朧とする中、男にはどうにか頑張ってもらってすぐ隣の畳敷の部屋へ移動してもらったのだ。
総重量が何キロかなんて考えなくてもわかる重みが両肩にのしかかってきて苦しかったものである。
「おはよう」
目を覚ました男に私は澄ました顔で挨拶し、持っていた着物と兵児帯を差し出した。
「キミの洋服、ダメにしただろう? 着替えを見繕うために探したんだが、キミの身体に合いそうなものがこれしかなかった」
それは私の祖父が残していった藍染の絽の着物だった。
「いや、そうだった…一人では、まだ無理だったな」
私は縫合した後の左肩に視線を流して呟く。
立って、と男の無事な方の肩をせっつきながら促して、帯の端を畳に落とした。
私は白い長襦袢を広げて男が立ち上がるのを待つ。
男は下着姿になっていることに一瞬まごついたが、私を待たせていることに気づくとついに意を決した様子で左肩をかばいながら勢い良く立ち上がった。その勢いのまま――最初は不自由な左腕から順番に――シルクの袖に腕を通す。
すっぽりと白いシルクの生地に包まれた男は、幼子のように頼りない様子だった。シルク越しに触れあった肌の温度と弾力が私の指先から伝わってきた。
(やはり発熱しているな)
と冷静に状況を分析する私がいる一方で、男は居心地悪そうに身動ぎした。
「左腕は動かさないように」
そう注意してから、私は男の前に回って腰紐をやわらかく締めた。
紐を回す時に感じられたのは、男のバランスの取れたしなやかな体躯だった。隆起する腹部を胸の筋肉。彼の肉体のどこにも造り物めいたいかがわしさはなく、純粋に美しいとさえ思った。
(完璧だ…人工物なのに)
私が思わず男の身体に手を滑らせると、
「やめてください」
小声で抗議されて大人して手を引っ込める。今度は私のほうが居た堪れない気持ちになった。
私が女だと意識しているからか、それとも元々感じやすい体質なのか……男は白い肌をほんのりと赤らめていた。初心で静かな反応に私はいけない気持ちになってしまった。
少し考えて、不毛な思考に嫌気がさした。無言のまま藍染の絽の着物を広げ、長襦袢と同じように羽織らせる。
「キミ、名前は?」
着物の褄を合わせながら尋ねる。
「……申し遅れました、紫雨と申します」
「そうか、良い名前だ」
きゅっと紐を絞り、兵児帯を床から取り上げながら呟く。
紫雨が唇を噛み締めるのをなんとはなしに見て首を傾げた。
「どうした?」
「いえ……。あの、怪我を診てくださりありがとうございました。もしよろしければあなたの名前をうかがっても……?」
「腕を縫ってあげたことについては私の気まぐれだから恩義を感じる必要はない。名前も、今のところキミが知る必要はない」
きっぱり言い切ると、紫雨の眉がハの字に下がった。
「ま、腕の傷が癒えるまではここにいていいから」
私は紫雨から一歩うしろに離れながら言った。
「よし、なかなかうまくいった」
ニッと唇を釣り上げると、食い入るように見つめてくる男の視線が気になった。
「もっと笑顔になればいいのに」
もごもごと紫雨は口の中で言葉を転がしたが、
「え?」
あいにく彼の呟きは小声すぎて私の耳までは届かなかった。
あれから三日が過ぎようとしていた。
外はすでに日も暮れて薄暗く、時計の針は雨戸を閉める時刻をさしていた。
「名前を教えてくれませんか」
紫雨が明日の天気を口にするように軽い調子で聞いてくる。私は思わず微笑してしまった。
紫雨は猫みたいな男だ。
これは三日間共に過ごしてみてわかったことである。
たとえば、見慣れない物にはとことん興味を示すくせして、臆病だからなかなか手を出せないでいる様とか。優しくすると途端に目を輝かせる時とか。
彼のことを「かわいい」と思った瞬間、私の脳天を電流が直撃した経験はもう数えきれないほどである。体の内側を衝撃が走るたびに、私は口元を手で覆い、目を逸らした。
(よりによって大の男を『かわいい』などと思う日が来るとは……)
頭を振って思考を一度クリアにする。
私が本を読んでいる傍で、彼はもう一度耳元に囁く。
「名前を教えてください」
私は視線だけ彼に向けてからすこし体をずらして彼と向きあうように座った。そしてやや強い口調で告げた。
「どんなにねだっても教えないよ」
それは牽制だった。
私は灯りを点すために立ち上がった彼に目を向けることなく、本に視線を落とした。
長い沈黙が気まずくて、他の話題を探した。
「傷口はまだ痛む?」
こういうとき、気の利いた話題の一つでもあればいいのに、口下手な私自身が恨めしい。
「いえ、もうそれほどには」
紫雨が振り返りながら首を横に振った。
「その怪我――どこでつくったんだ? ずいぶん深い傷だった……」
「これは、落ちてきた鉄柱の下敷きになりかけた女の子を助けた時に怪我したんです。その後は痛みで朦朧としていてよく覚えていません。気づいたらこの庭に迷い込んでいました」
紫雨が感慨深げに視線を緑色の庭先に向けた。
「そうか」
やさしいんだな、お前は。
通りすがりの少女を助けるために自分が大怪我を負ってしまえるぐらい、正義感も強い。
「すごいな」
私はただそう言うしかできなかったけれど、紫雨は何故か嬉しそうに口元を綻ばせた。私はそんな紫雨の笑顔に見惚れてしまった。
紫雨と生活を共にするうちに、私の興味はだんだんと彼のことに染まっていった。
紫雨が何を好きで何を嫌いか、どんなことに関心があるかなど、知りたいことは山程あった。そのくせ、私は彼から距離を置きたがった。これ以上知って何になる……?と。紫雨は傷が治ればこの家を出て行ってしまうというのに……。
それは決して遠くない未来の話なのである。
私は身体が二つに引き裂かれそうなほど苦しみ、悩んだ末に下した決断は、決して褒められたものではなかった。
(禁忌だってことはわかってる……でも、もう後戻りはできない)
なぜなら紫雨の電脳に記録された記憶を覗いたのだ。
全面コンクリート固めの薄暗い部屋で、私は薬で眠らせた紫雨の横顔を見下ろし、触れるだけのキスをした。
「紫雨……ごめん」
コードを挿した身体はビクリともしない。
白い壁に向けて回る古い映写機の音が嫌に大きく聞こえた。
映写機は断片的な映像を映しだした。
鉄の格子、朝焼け、乱れた布団。そして入れ替わり立ち替わり現れる女、女、女。全て違う女か、同じ女なのかはわからなかった。怒りで頭が真っ白になっていた今の私には、女の顔を区別することができなかったのだ。
映像の中で紫雨は女達の手管に負け、苦しそうに何度も射精をさせられていた。大抵は手足を縛られた状態だったのだろう。映像は必ず下から天井を見上げるアングルに固定されている。
女が来て、薄い掛布を剥がし、それを滑り気のある液体に浸した。そこから先の映像は乱れた。紫雨の瞬きする回数が増え、映像が不鮮明になる。ドロリとした半透明の薬液で濡れた布が男の性器を包み込み、女が睾丸を揉みながら布ごと竿を扱けばあっという間に鎌首をもたげた。
不鮮明だった映像が一瞬間だけ澄み渡り、映し出されたのは鈴口に銀色のブジーが飲み込まれていく瞬間だった。
再び映像は縦横に大きくブレる。
女の手が何度も紫雨の視界を行き来した。
「紫雨が……達してる、のか?」
思わず私は自身の股間に手を伸ばし、そのぬかるみに指先を咥え込ませた。
紫雨の精液は瓶に入れられ、どこかに持ち去られた。
日が変わり、また違う女とまぐわう紫雨の姿。
生めかしい映像が断続的に続いた。
まるで無名の官能映像作品を見せられた後のような虚脱感に私は浸り、濡れた自身の間から指先を引き抜いた。
私は映し出されたものをただ呆然と見つめているしか出来ない観客だった。紫雨がどんな辱めを受けていても、見ているしか出来ないのだった。
きっと、今後も彼をあの格子の中から助け出すことはできないのかもしれない。
屈辱的な映像は格子戸越しに映った老婆の意味深な笑みで終わった。
「紫雨…紫雨……」
(どういうことだ、どういうことなんだ!)
なにも考えられない頭で、けれど私は脳裏に何度も蘇る先ほどの映像に、官能的な昏い悦を感じてもいた。
「紫雨……!」
解いた帯で紫雨の右腕と台の脚を結び、拘束した。
薬が解けてきて、深い眠りから目覚めようという彼の脚も同じように引き抜いたコードで結びつけると、私はそのまま彼の上に覆いかぶさった。
「な……に!?」
覚醒した紫雨が身を捩った。
「動くな」
無造作に紫雨の髪を引っ張り、痛みに引きつる彼の唇に乱暴なキスをする。
帯なしの着物はステンレス製の台を覆い隠すように広がり、紫雨の甘栗色した乳輪や、左肩に巻かれた白い包帯を隠す役割を果たしていなかった。
剥き出しになったちいさな蕾に唇を寄せ、舌を這わせると紫雨は喉を鳴らして小さく震えた。
愛しい紫雨。
与えられるまま従順に、紫雨が私の与える手と口の刺激によがる様を眺める。
最初に紫雨が感じやすい体質かもしれないと思ったのは間違いではなかった。全ては記憶装置で見た通り、飼い慣らされていたのだ。
私は混乱していた。
実験で成功した実験体はおしなべて破棄されたはずなのに、こうして彼は「紫雨」という名を得て生きながらえている。
何故だ。
混乱はピークに達し、悶える紫雨の唇に噛み付くようなキスをした。
(これじゃあ私はケダモノじゃあないか)
胸の内で暗く嗤う。
「紫雨……」
名前を呼ぶと彼は閉じていた瞼を開けてこちらを見上げた。
縋るような目。官能を宿した、いけない目だ。
「お前はそうやって、何人の女としてきた」
思わず低い声になった。紫雨が瞠目する。
「なぜ、それをあなたは知って……」
彼の目はあり得ない、と物語っていた。そして徐々に羞恥心に彩られていく。
「記憶を……キミの記憶を覗かせてもらった……」
「まさか」
どうやって、と、彼の雄弁な唇が声にならない言葉を紡いだ。
「キミは私が担当していなかったとはいえ、同プロジェクトの実験体AI-一〇〇なんだよ。キミは、人であって人でないモノだ。人のように思考し、機能するが根本的に違う――キミは人造人間なんだよ」
そこまで一気にまくし立ててから、私はおもむろに彼の上から身をのいた。
「電脳にアクセスする権限を私は持っていてね、今回はそれを使ってキミの思考回路にアクセスした」
まさかあんな衝撃的な映像がでてくるとは露知らず。
「ごめんね」
冷静になってみると、この惨状から目を伏せたくなった。
慌てて紫雨の手足に絡めてあった帯とコードを取り外す。
拘束を解かれた紫雨はふらりと起き上がり、ステンレス製の台の上に呆然と座り込んだ。
「いつからかは覚えてないけど、気づいたら格子戸のついた部屋に転がされていたんだ……」
暫くしてぽつぽつと彼自身の口から語られたのは、先ほどの映像にも繋がる消し去りたい過去の記憶だった。
「あのばあさんがいつも言ってた」
ばあさんとは、記憶装置で最期にかいま見えた老婆のことだろう。
「お前の子どもをつくるって。私の子どもにするんだって」
それを聞いて私はある仮説をたてた。
老婆は、記憶喪失の紫雨が人造人間と知らずに囲っていたのかもしれない。惚れたはいいが、自分の年が高齢で子どもを作ることが出来ない。ならば代理母を望めばいいと考えたに違いない。
精液は体外受精のために持ち去られ、女達は老婆に金をつまれて雇われた代理母だったのだろう。
私は紫雨の頭をそっと抱きしめた。
研究者だから分かることがあった。
人造人間は決して繁殖できない生き物であると。そのようにプログラムされている。
どんなに高度な技術で体外受精を敢行したとしても、生まれてくる命はひとつとしてないのだ。
「紫雨、ごめんね」
「どうしてあなたが謝るんですか」
紫雨の不思議そうな表情が胸につかえた。彼に今度は長くて甘いキスを送る。
好きなのだと、すこしでも伝わるように。
自然の流れで私たちは睦み合い、体を合わせた。
「あなたの名前を教えて」
乱れる息のあい間に囁かれる紫雨の声。この時、彼自身を私の中に受け入れたままだった。まっすぐ、いつもと同じように冷静な眼差しが眦を少しだけ朱に染めて、腰を揺らしながら問うた。
「アイナだよ」
「アイナ……っ」
幸せだった。
絡み合った体。お互いの存在を確かめるように繋がれた手。
すべてが幸福だった。
「アイナ、どうして名前を教えてくれなかったんですか」
「キミに名前を呼ばれて懐かれでもしたらいけないと思ったんだ」
「そんな回りくどいことしなくても、俺はあなたに初めて会った瞬間から好きでしたよ」
そんな甘い言葉を吐く唇を私は指先で撫でながら彼の愛撫を受け入れた。
「この先、研究所が何と言ってこようとキミは私の助手だということで話は通す」
翌日のことだ。私は決意を固めていた。紫雨に伝えて彼の了承を得るとすぐに家を出た。
幻の実験体AI-一〇〇を手に入れたと知られれば、研究所は喉から手が出るほど欲しがるだろう。彼を守るためには、私がしっかりしなければならない。
私の研究員としての実績も併せて、実力がものをいう。私の経験が、愛情が、これから彼を守るための武器になる。
紫雨に見送られて研究所へ続く道に出る。約三年ぶりの出勤は、研究所内を震撼させた。
「所長!」
「所長おかえりなさい!」
それは、一人の研究員と、人であって人でないモノとの邂逅が与えた新たな一ページの幕開けに過ぎない。
田園風景が広がるガラス窓の向こうは、蛍のような月明かりに照らされてぼんやりと輝いていた。裏庭から聞こえるせせらぎの音と、鈴虫の声。普段と変わらぬ夜景の一部が窓枠の向こうに広がっていた。
しかし階下へ降りてみれば、異変に気づく。見慣れぬものを視界に留めて目を眇め、私は注意深く陽炎のような黒い人影を見つめた。起き抜けに幽霊でも見てしまったかと思ったからだ。
それが生きた――しかも負傷した――男だとわかって思わず目を見開いた。
この時の男の顔は酷く青白かったが、浮世離れしたたたずまいだった。なんだか目の前の風景を眺めている旅行客のように、自分の悲惨さなど他人事みたいな顔でボーっとしていた。重症であるはずの男が魅せる表情に違和感を覚えるも、彼が血まみれの左腕を抱えるように右手で押さえ、立っているのもやっとといった様子だったことには変わりなかったので、私は障子窓を開けて外履きに足をつっかけながら声をかけていた。
「お前のその怪我、診てあげる」
今にも消えてしましそうだった影の気配がかすかに揺らいで、焦点のあっていなかった目が生気を宿した。
「おいで」
私の促す声に誘われるようにして、庭先の石畳を渡ってこちらにやって来る男の姿を確認すると、私は縁側の障子を開け放った。
今時、日本庭園まである日本家屋は国宝級に等しい。その物珍しさから、勝手に裏口を回ってきて見物していく人もいるぐらいだ。私自身もそういう人たちと立ち話をしてのんびりと交流するのも楽しくおもっていたのだが、夜半に人を招き入れたのはいささか不用心だったろうか。とはいえ過去にも、ここの静けさに引きつけられるようにして、我が家には傷を追った野良猫や野良犬が迷い込んでくることがよくあったし、今回もそんなようなものだろう。
私と男が居るのはこの家の深奥部。
ここにたどり着くまでにいくつかの和室を通り抜けてきた。
この部屋だけは他と違って特別仕様で、見かけは強固な四角い箱のようになっているシェルターだ。
壁や天井は打ちっぱなしのコンクリートで窓は無く、唯一部屋の中央に設えてあるステンレス製の台が人の目を引いた。
「じっとしていて」
中央の台の上に男を座らせて私は言った。
服をハサミで切り、傷口を診て思わず息を呑む。
男の死角となる肩甲骨に刻まれたシリアルナンバーと、破れた筋組織の下に覗いている鋼の部品を見て思い当たるものがあった。
第三次世界大戦終戦後に飛躍を遂げたIPS細胞実験が功を奏し、擬似人体の形成に成功した。終戦後の混乱の中で倫理観が乱れていた時勢を利用し、実験は重ねられていった事は知っていたが――その後、彼らはどうなったか。
(……人であって人でないモノ)
この男は怪我をして初めて知ってしまったのだろう。己が機械じかけのコイルや電磁波で動く身体であることを。
瞳を覗きこんでも、麻酔用電磁波で朦朧とする男の目はうつろで、何も映していないように見える。
私はゴム手袋をした手に縫合用の糸と針を持つと、作業に取り掛かった。
「う……ん?」
畳敷きの薄暗い部屋に男は横たわっていた。昨晩、意識が朦朧とする中、男にはどうにか頑張ってもらってすぐ隣の畳敷の部屋へ移動してもらったのだ。
総重量が何キロかなんて考えなくてもわかる重みが両肩にのしかかってきて苦しかったものである。
「おはよう」
目を覚ました男に私は澄ました顔で挨拶し、持っていた着物と兵児帯を差し出した。
「キミの洋服、ダメにしただろう? 着替えを見繕うために探したんだが、キミの身体に合いそうなものがこれしかなかった」
それは私の祖父が残していった藍染の絽の着物だった。
「いや、そうだった…一人では、まだ無理だったな」
私は縫合した後の左肩に視線を流して呟く。
立って、と男の無事な方の肩をせっつきながら促して、帯の端を畳に落とした。
私は白い長襦袢を広げて男が立ち上がるのを待つ。
男は下着姿になっていることに一瞬まごついたが、私を待たせていることに気づくとついに意を決した様子で左肩をかばいながら勢い良く立ち上がった。その勢いのまま――最初は不自由な左腕から順番に――シルクの袖に腕を通す。
すっぽりと白いシルクの生地に包まれた男は、幼子のように頼りない様子だった。シルク越しに触れあった肌の温度と弾力が私の指先から伝わってきた。
(やはり発熱しているな)
と冷静に状況を分析する私がいる一方で、男は居心地悪そうに身動ぎした。
「左腕は動かさないように」
そう注意してから、私は男の前に回って腰紐をやわらかく締めた。
紐を回す時に感じられたのは、男のバランスの取れたしなやかな体躯だった。隆起する腹部を胸の筋肉。彼の肉体のどこにも造り物めいたいかがわしさはなく、純粋に美しいとさえ思った。
(完璧だ…人工物なのに)
私が思わず男の身体に手を滑らせると、
「やめてください」
小声で抗議されて大人して手を引っ込める。今度は私のほうが居た堪れない気持ちになった。
私が女だと意識しているからか、それとも元々感じやすい体質なのか……男は白い肌をほんのりと赤らめていた。初心で静かな反応に私はいけない気持ちになってしまった。
少し考えて、不毛な思考に嫌気がさした。無言のまま藍染の絽の着物を広げ、長襦袢と同じように羽織らせる。
「キミ、名前は?」
着物の褄を合わせながら尋ねる。
「……申し遅れました、紫雨と申します」
「そうか、良い名前だ」
きゅっと紐を絞り、兵児帯を床から取り上げながら呟く。
紫雨が唇を噛み締めるのをなんとはなしに見て首を傾げた。
「どうした?」
「いえ……。あの、怪我を診てくださりありがとうございました。もしよろしければあなたの名前をうかがっても……?」
「腕を縫ってあげたことについては私の気まぐれだから恩義を感じる必要はない。名前も、今のところキミが知る必要はない」
きっぱり言い切ると、紫雨の眉がハの字に下がった。
「ま、腕の傷が癒えるまではここにいていいから」
私は紫雨から一歩うしろに離れながら言った。
「よし、なかなかうまくいった」
ニッと唇を釣り上げると、食い入るように見つめてくる男の視線が気になった。
「もっと笑顔になればいいのに」
もごもごと紫雨は口の中で言葉を転がしたが、
「え?」
あいにく彼の呟きは小声すぎて私の耳までは届かなかった。
あれから三日が過ぎようとしていた。
外はすでに日も暮れて薄暗く、時計の針は雨戸を閉める時刻をさしていた。
「名前を教えてくれませんか」
紫雨が明日の天気を口にするように軽い調子で聞いてくる。私は思わず微笑してしまった。
紫雨は猫みたいな男だ。
これは三日間共に過ごしてみてわかったことである。
たとえば、見慣れない物にはとことん興味を示すくせして、臆病だからなかなか手を出せないでいる様とか。優しくすると途端に目を輝かせる時とか。
彼のことを「かわいい」と思った瞬間、私の脳天を電流が直撃した経験はもう数えきれないほどである。体の内側を衝撃が走るたびに、私は口元を手で覆い、目を逸らした。
(よりによって大の男を『かわいい』などと思う日が来るとは……)
頭を振って思考を一度クリアにする。
私が本を読んでいる傍で、彼はもう一度耳元に囁く。
「名前を教えてください」
私は視線だけ彼に向けてからすこし体をずらして彼と向きあうように座った。そしてやや強い口調で告げた。
「どんなにねだっても教えないよ」
それは牽制だった。
私は灯りを点すために立ち上がった彼に目を向けることなく、本に視線を落とした。
長い沈黙が気まずくて、他の話題を探した。
「傷口はまだ痛む?」
こういうとき、気の利いた話題の一つでもあればいいのに、口下手な私自身が恨めしい。
「いえ、もうそれほどには」
紫雨が振り返りながら首を横に振った。
「その怪我――どこでつくったんだ? ずいぶん深い傷だった……」
「これは、落ちてきた鉄柱の下敷きになりかけた女の子を助けた時に怪我したんです。その後は痛みで朦朧としていてよく覚えていません。気づいたらこの庭に迷い込んでいました」
紫雨が感慨深げに視線を緑色の庭先に向けた。
「そうか」
やさしいんだな、お前は。
通りすがりの少女を助けるために自分が大怪我を負ってしまえるぐらい、正義感も強い。
「すごいな」
私はただそう言うしかできなかったけれど、紫雨は何故か嬉しそうに口元を綻ばせた。私はそんな紫雨の笑顔に見惚れてしまった。
紫雨と生活を共にするうちに、私の興味はだんだんと彼のことに染まっていった。
紫雨が何を好きで何を嫌いか、どんなことに関心があるかなど、知りたいことは山程あった。そのくせ、私は彼から距離を置きたがった。これ以上知って何になる……?と。紫雨は傷が治ればこの家を出て行ってしまうというのに……。
それは決して遠くない未来の話なのである。
私は身体が二つに引き裂かれそうなほど苦しみ、悩んだ末に下した決断は、決して褒められたものではなかった。
(禁忌だってことはわかってる……でも、もう後戻りはできない)
なぜなら紫雨の電脳に記録された記憶を覗いたのだ。
全面コンクリート固めの薄暗い部屋で、私は薬で眠らせた紫雨の横顔を見下ろし、触れるだけのキスをした。
「紫雨……ごめん」
コードを挿した身体はビクリともしない。
白い壁に向けて回る古い映写機の音が嫌に大きく聞こえた。
映写機は断片的な映像を映しだした。
鉄の格子、朝焼け、乱れた布団。そして入れ替わり立ち替わり現れる女、女、女。全て違う女か、同じ女なのかはわからなかった。怒りで頭が真っ白になっていた今の私には、女の顔を区別することができなかったのだ。
映像の中で紫雨は女達の手管に負け、苦しそうに何度も射精をさせられていた。大抵は手足を縛られた状態だったのだろう。映像は必ず下から天井を見上げるアングルに固定されている。
女が来て、薄い掛布を剥がし、それを滑り気のある液体に浸した。そこから先の映像は乱れた。紫雨の瞬きする回数が増え、映像が不鮮明になる。ドロリとした半透明の薬液で濡れた布が男の性器を包み込み、女が睾丸を揉みながら布ごと竿を扱けばあっという間に鎌首をもたげた。
不鮮明だった映像が一瞬間だけ澄み渡り、映し出されたのは鈴口に銀色のブジーが飲み込まれていく瞬間だった。
再び映像は縦横に大きくブレる。
女の手が何度も紫雨の視界を行き来した。
「紫雨が……達してる、のか?」
思わず私は自身の股間に手を伸ばし、そのぬかるみに指先を咥え込ませた。
紫雨の精液は瓶に入れられ、どこかに持ち去られた。
日が変わり、また違う女とまぐわう紫雨の姿。
生めかしい映像が断続的に続いた。
まるで無名の官能映像作品を見せられた後のような虚脱感に私は浸り、濡れた自身の間から指先を引き抜いた。
私は映し出されたものをただ呆然と見つめているしか出来ない観客だった。紫雨がどんな辱めを受けていても、見ているしか出来ないのだった。
きっと、今後も彼をあの格子の中から助け出すことはできないのかもしれない。
屈辱的な映像は格子戸越しに映った老婆の意味深な笑みで終わった。
「紫雨…紫雨……」
(どういうことだ、どういうことなんだ!)
なにも考えられない頭で、けれど私は脳裏に何度も蘇る先ほどの映像に、官能的な昏い悦を感じてもいた。
「紫雨……!」
解いた帯で紫雨の右腕と台の脚を結び、拘束した。
薬が解けてきて、深い眠りから目覚めようという彼の脚も同じように引き抜いたコードで結びつけると、私はそのまま彼の上に覆いかぶさった。
「な……に!?」
覚醒した紫雨が身を捩った。
「動くな」
無造作に紫雨の髪を引っ張り、痛みに引きつる彼の唇に乱暴なキスをする。
帯なしの着物はステンレス製の台を覆い隠すように広がり、紫雨の甘栗色した乳輪や、左肩に巻かれた白い包帯を隠す役割を果たしていなかった。
剥き出しになったちいさな蕾に唇を寄せ、舌を這わせると紫雨は喉を鳴らして小さく震えた。
愛しい紫雨。
与えられるまま従順に、紫雨が私の与える手と口の刺激によがる様を眺める。
最初に紫雨が感じやすい体質かもしれないと思ったのは間違いではなかった。全ては記憶装置で見た通り、飼い慣らされていたのだ。
私は混乱していた。
実験で成功した実験体はおしなべて破棄されたはずなのに、こうして彼は「紫雨」という名を得て生きながらえている。
何故だ。
混乱はピークに達し、悶える紫雨の唇に噛み付くようなキスをした。
(これじゃあ私はケダモノじゃあないか)
胸の内で暗く嗤う。
「紫雨……」
名前を呼ぶと彼は閉じていた瞼を開けてこちらを見上げた。
縋るような目。官能を宿した、いけない目だ。
「お前はそうやって、何人の女としてきた」
思わず低い声になった。紫雨が瞠目する。
「なぜ、それをあなたは知って……」
彼の目はあり得ない、と物語っていた。そして徐々に羞恥心に彩られていく。
「記憶を……キミの記憶を覗かせてもらった……」
「まさか」
どうやって、と、彼の雄弁な唇が声にならない言葉を紡いだ。
「キミは私が担当していなかったとはいえ、同プロジェクトの実験体AI-一〇〇なんだよ。キミは、人であって人でないモノだ。人のように思考し、機能するが根本的に違う――キミは人造人間なんだよ」
そこまで一気にまくし立ててから、私はおもむろに彼の上から身をのいた。
「電脳にアクセスする権限を私は持っていてね、今回はそれを使ってキミの思考回路にアクセスした」
まさかあんな衝撃的な映像がでてくるとは露知らず。
「ごめんね」
冷静になってみると、この惨状から目を伏せたくなった。
慌てて紫雨の手足に絡めてあった帯とコードを取り外す。
拘束を解かれた紫雨はふらりと起き上がり、ステンレス製の台の上に呆然と座り込んだ。
「いつからかは覚えてないけど、気づいたら格子戸のついた部屋に転がされていたんだ……」
暫くしてぽつぽつと彼自身の口から語られたのは、先ほどの映像にも繋がる消し去りたい過去の記憶だった。
「あのばあさんがいつも言ってた」
ばあさんとは、記憶装置で最期にかいま見えた老婆のことだろう。
「お前の子どもをつくるって。私の子どもにするんだって」
それを聞いて私はある仮説をたてた。
老婆は、記憶喪失の紫雨が人造人間と知らずに囲っていたのかもしれない。惚れたはいいが、自分の年が高齢で子どもを作ることが出来ない。ならば代理母を望めばいいと考えたに違いない。
精液は体外受精のために持ち去られ、女達は老婆に金をつまれて雇われた代理母だったのだろう。
私は紫雨の頭をそっと抱きしめた。
研究者だから分かることがあった。
人造人間は決して繁殖できない生き物であると。そのようにプログラムされている。
どんなに高度な技術で体外受精を敢行したとしても、生まれてくる命はひとつとしてないのだ。
「紫雨、ごめんね」
「どうしてあなたが謝るんですか」
紫雨の不思議そうな表情が胸につかえた。彼に今度は長くて甘いキスを送る。
好きなのだと、すこしでも伝わるように。
自然の流れで私たちは睦み合い、体を合わせた。
「あなたの名前を教えて」
乱れる息のあい間に囁かれる紫雨の声。この時、彼自身を私の中に受け入れたままだった。まっすぐ、いつもと同じように冷静な眼差しが眦を少しだけ朱に染めて、腰を揺らしながら問うた。
「アイナだよ」
「アイナ……っ」
幸せだった。
絡み合った体。お互いの存在を確かめるように繋がれた手。
すべてが幸福だった。
「アイナ、どうして名前を教えてくれなかったんですか」
「キミに名前を呼ばれて懐かれでもしたらいけないと思ったんだ」
「そんな回りくどいことしなくても、俺はあなたに初めて会った瞬間から好きでしたよ」
そんな甘い言葉を吐く唇を私は指先で撫でながら彼の愛撫を受け入れた。
「この先、研究所が何と言ってこようとキミは私の助手だということで話は通す」
翌日のことだ。私は決意を固めていた。紫雨に伝えて彼の了承を得るとすぐに家を出た。
幻の実験体AI-一〇〇を手に入れたと知られれば、研究所は喉から手が出るほど欲しがるだろう。彼を守るためには、私がしっかりしなければならない。
私の研究員としての実績も併せて、実力がものをいう。私の経験が、愛情が、これから彼を守るための武器になる。
紫雨に見送られて研究所へ続く道に出る。約三年ぶりの出勤は、研究所内を震撼させた。
「所長!」
「所長おかえりなさい!」
それは、一人の研究員と、人であって人でないモノとの邂逅が与えた新たな一ページの幕開けに過ぎない。
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