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3章見習い魔術の商人(本編)
12話弱る生命
しおりを挟むその時、魔獣5体の気配を察知した。
俺はすぐさま走り出した。
そして、歩いて進んで行くと二つの別れ道があった。
どっちだ?
こっちだ。
そして、右側へ進んで行く。
風景変わらずにただ暗い洞窟が続き、だんだんと道幅が大きくなり、微かに獣の臭いがする。
次第に鼓動が音を立て、暗闇に潜む一つの赤い光芒と一つの青い光芒。
更に赤い光芒が増え、四つとなる。
次第に、全貌が明らかになる。
五匹ぐらいの中型犬と銀の小さな狼だった。
【噛番犬《ガブ》】
ランク D
レベル 100
種族 ハイエナ神下位種
獰猛な目と鋭い牙、大きな体躯。
体長2メートル、全身に鉄の鎧を纏っている。
茶と黒が混じった色。肉食。
口から唾液を垂れ流し、息を荒くこちらを睨みつける。
HP290/300 MP290/300 攻撃力200
スキル 超運動神経8 噛みつき強化8 脚力強化8
「……ギャルルルルル」
超運動神経……聞いたことがないスキルだな。
レベルは低いが、奇異なスキルを持っている異世界神、警戒に越したことはない。
【フェンリルの子供】
ランク 不明
レベル 50
種族 狼神精霊
年齢 2000
HP5/100 MP5/100
スキル なし
小さなフェンリルは地面に倒れ、意識朦朧としていた。
透き通った青色の両眼はうつらうつらとし、汚れた毛並み、酷く痩せこけた状態、背中には一本の矢が刺さって、血が滲み出していた。
「怪我をしているのか……お前らやめろ!」
「ギャルッ?」
狙うなら、俺を狙え。
意志が伝わったかのように、ガブ四体はこちらに睨みを効かせ、襲いかかってきた。
「ギャルァァァァァァァ!」
この手の魔獣を倒すくらい、俺にとっては造作もない。
ガブの四体は俊敏性を活かして移動し、一斉に鋭い牙を光らせた。
その瞬間、俺は右手に銃を出現させ、炎の弾を放出するが、カブ四体は超運動能力を発揮し、するりと後ろへ反り、回避し、無残にも岩壁に炎は激突し、爆煙を上げた。
「さすがだ。その巨体でそこまで運動能力を発揮するとはな……だが」
次の瞬間、壁に激突したはずの炎弾が、俺の【魔力拡大】レベルEX100によって、大炎と化し、一瞬で、間抜け面のガブ四体を飲み込んだ。
HP 0/300↓ MP 0/300↓
【噛番犬《ガブ》】四体を討伐しました。
【報酬】
犬狼の皮×4
普通の肉の塊×8
HP 0/300↓ MP 0/300↓
【噛番犬《ガブ》】四体を討伐しました。
報酬
犬狼の皮×8
普通の肉の塊×8
「それより……フェンリルは大丈夫か?」
HP2/100 MP2/100
フェンリルは相当弱り切っていた。
微かに、意識があるものの、痙攣している状態。
これじゃ命が危ない。
矢には無属性の魔力が灯っている、【魔力無効化】レベルEX100で魔力を無効化。
一時しのぎにはなるが、傷が深く、応急処置をしないといけない。
こういう時は回復ポーションだ。
しかし、俺にはない。
それに、回復スキルも無い。
一度回復スキルを覚えようとしたが、覚えられなかった。
理由は分からないが【ゲーム学習能力スキルMAX】の適用外だった。
どうする……?
回復ポーションを作製するしかない。
幸運にも、俺には【超錬金術】レベルEX1がある。
これなら、どんな低ランクの薬草でも、高級な回復ポーションに変えられる。
そして、俺は薬草を探し当てた。
【洞窟の秘めたる薬草】
ランク B
価格 銀貨1枚
効能【錬金術】スキルがあれば、【回復ポーション】にすることができる。
「割といい薬草だ」
【超錬金術】EX1スキル発動しました。
【超錬金術】EX1が成功しました。
【洞窟の秘めたる薬】が【万能ポーション】MAXに変わりました。
【万能ポーション】
ランク S
価格 金貨3枚以上。需要による変動する。
効能 あらゆる状態異常回復。更に、HP、MPを全回復。
そして、完成した万能ポーションをフェンリルに飲まそうとするが、毛を逆立たせ、威嚇の呻り声を漏らし、飲むことを頑なに拒否した。
親和力 5%/100%
愛情力(フェンリル) 0%/100%
愛情力(ゼルフォード)5%/100%
そうは言ってもフェンリルは途轍もなく痛そうだ。
そして、俺はフェンリルの口に無理矢理に薬を押し込むと、強烈な歯に俺の指は噛み付かれ、血が吹き出す。
うぅぅぅ…………凶暴なフェンリルだな。
「グルルルルルル」
「噛みたければいくらでも噛めばいい。その代わりお前の傷は絶対治させてもらうからな」
「グルルルルルルァァァァァァァ!!」
フェンリルは睨み続けるも、激痛で気を失って、その弾みでゴクリと飲んだ。
そして、傷口は見る見るうちに癒えていく、両眼をぱっちりと一瞬が開けたが、汚れた首や顎を撫でてやると、安心したように眠ってしまった。
「おやすみ」
さて、このフェンリルをどうするか。
引き渡せば、帝貨900枚が貰えるが……。
こんな幼くて、可愛い寝顔を見てると心が痛む。
「よし……今日はここで、野宿しようか。ガブの旨い肉をゲットしたしな」
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