時空魔術操縦士の冒険記

一色

文字の大きさ
43 / 175
1章魔戦操縦士学院

43話合宿

しおりを挟む
 とうとうこの日がやってきた。
 合宿だ。
 カバーニは怪我からもう既に復帰し、運動や授業にも出られるようになった。
 また、大会以降のクラスでのカバーニの人気が鰻登りだった。
 Cクラスのアーサーに魔戦戦闘を申し込み、見事勝利し、個人戦棄権にまで追い込んだというニュースが一学年に知れ渡った。
 よってFクラスが退学を免れたのはカバーニのおかげということになっている。
 皆から慕われ、クラスの人気者、風の噂で最近女の子から告白されたとかなんとか。
 ふと、前方を見ると、緑の島が見えてきた。
 生徒らは船着き場に降ろされ、先生による詳しい合宿の説明を訊いていた。
 説明によると、この広大な島にて三日間サバイバル生活を行うとの事。
 広大な島はブリタニア島。
 通称サバイバル別名バトルロワイヤルがブリタニア島で行われる。
 この島には異世界神《イセカイジン》が潜んでいるそうだ。 
 異世界神とはこの世界で恐れられている魔物。
 人を殺すぐらい危険だ。異世界から襲来したと言われる。
 もちろん課題もあり、死の杖と王者の盾と不老不死の首飾りの三つのアイテムを幾つかある宝箱に隠したそうだ。
 どのくらい個数があるかについては教えられないとの事。
 その三つのアイテムを提出すればクリアだそうだ。
 もちろん相手から奪って良いし、魔術勝負をして奪っても良い。
 クラスは関係なく、一年全生徒の中からそれぞれ仲間を選びパーティー(10人程度)を組んで臨んでも良いし、ソロでもどちらで参加しても良い。
 ただしクリアできなければ、退学になる。
 生死に関わる合宿なので参加を辞退する事もできるが、その場合も退学となる。

 俺は溜め息混じりに、隣にいるロンに顔を向ける。

「参ったな……サバイバルってまさかこの危険な森で寝るんじゃないだろうな?」

「寝るようです……ちゃんとキャンプ道具は用意してくれてるみたいですな……」

「はぁ……さっさと終わらせような」

「そうですな……では僕らも行きましょうか?」

 すると、俺達を呼び止める声がする。
「待ってっ!!」と慌ただしく声を掛けてきたのは、リオラだった。
 汗が鬱陶しいのか金髪の髪を耳に掛ける。「はぁはぁ」と吐息を漏らす少女。
 わざと俺らに魅せつけているかのような胸元。
 ロンは首を傾げる。

「どうしましたかな?」

「私もパーティー入れてっ!」 

「もちろんですよ」

 ロンは大きく頷き、そして俺に視線を送り確認を取る。
 俺は笑顔で、「もちろんだ」と了承。
「ありがとう」と可愛いらしい笑顔を向けるリオラ。
 リオラの後方にやってくるのは、マシュ、アイリス、カバーニ。
「私達もお願いします」と両手を胸に当てながら、もじもじした様子のアイリス。そんな癒し系の美少女に顔が綻ぶ。
 いやいや、騙されてはいけない。アイリスはパーティー加入に絶賛御礼だが。

「マシュ、カバーニはちょっとな……」

 俺は戦力外該当者に顔を伏し目がちに向ける。
「マシュは俺のメンタルをズダスダにするから駄目。カバーニはは問題おこすから駄目」と言っても良かったのだ。
 でも俺は優しいから遠慮がちに態度で断っているのだ。
 分かってくれ。
 カバーニは俺に近寄り、肩を両手で掴み、笑顔を見せる。

「もう怪我は治ったからよぉ……心配すんな」

 嫌々違うって。もう心配してないわ。
 マシュは腕組みをし、「入れなさい」の命令。
「はぁ」と溜め息をつき、手を払う俺。
 そんな俺の拒否態度を無視し、前へ進むカバーニ、マシュ。
 
 
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

気弱令嬢の悪役令嬢化計画

みおな
ファンタジー
 事故で死んだ私が転生した先は、前世の小説の世界?  しかも、婚約者に不当に扱われても、家族から冷たくされても、反論ひとつ出来ない気弱令嬢?  いやいやいや。 そんなことだから、冤罪で処刑されるんでしょ!  せっかく生まれ変わったんだから、処刑ルートなんて真っ平ごめん。  屑な婚約者も冷たい家族も要らないと思っていたのに・・・?

【完結】うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの
ファンタジー
 孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。  ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈

転生チート薬師は巻き込まれやすいのか? ~スローライフと時々騒動~ 

志位斗 茂家波
ファンタジー
異世界転生という話は聞いたことがあるが、まさかそのような事を実際に経験するとは思わなかった。 けれども、よくあるチートとかで暴れるような事よりも、自由にかつのんびりと適当に過ごしたい。 そう思っていたけれども、そうはいかないのが現実である。 ‥‥‥才能はあるのに、無駄遣いが多い、苦労人が増えやすいお話です。 「小説家になろう」でも公開中。興味があればそちらの方でもどうぞ。誤字は出来るだけ無いようにしたいですが、発見次第伝えていただければ幸いです。あと、案があればそれもある程度受け付けたいと思います。

異世界のんびり放浪記

立花アルト
ファンタジー
異世界に転移した少女リノは森でサバイバルしながら素材を集め、商人オルソンと出会って街アイゼルトヘ到着。 冒険者ギルドで登録と新人訓練を受け、採取や戦闘、魔法の基礎を学びながら生活準備を整え、街で道具を買い揃えつつ、次の冒険へ向けて動き始めた--。 よくある異世界転移?です。のんびり進む予定です。 小説家になろうにも投稿しています。

追放された『ただの浄化係』、実は国中の魔石を満たしていた精霊姫でした〜今さら戻れと言われても、隣国のイケメン皇帝が離してくれません〜

ハリネズミの肉球
ファンタジー
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」 「街の井戸も空っぽです!」 無能な王太子による身勝手な婚約破棄。 そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを! ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。 追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!? 優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。 一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。 「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——! 今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける! ※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。

転生してもオタクはなおりません。

しゃもん
恋愛
 活字中毒者である山田花子は不幸なことに前世とは違いあまり裕福ではない母子家庭の子供に生まれた。お陰で前世とは違い本は彼女の家庭では贅沢品でありとてもホイホイと買えるようなものではなかった。とは言え、読みたいものは読みたいのだ。なんとか前世の知識を魔法に使って少ないお金を浮かしては本を買っていたがそれでも限界があった。溢れるほどの本に囲まれたい。そんな願望を抱いている時に、信じられないことに彼女の母が死んだと知らせが入り、いきなり自分の前に大金持ちの異母兄と実父が現れた。これ幸いに彼等に本が溢れていそうな学校に入れてもらうことになったのだがそこからが大変だった。モブな花子が自分の願望を叶えて、無事幸せを握り締めるまでの物語です。

異世界で幸せに~運命?そんなものはありません~

存在証明
ファンタジー
不慮の事故によって異世界に転生したカイ。異世界でも家族に疎まれる日々を送るがある日赤い瞳の少年と出会ったことによって世界が一変する。突然街を襲ったスタンピードから2人で隣国まで逃れ、そこで冒険者となったカイ達は仲間を探して冒険者ライフ!のはずが…?! はたしてカイは運命をぶち壊して幸せを掴むことができるのか?! 火・金・日、投稿予定 投稿先『小説家になろう様』『アルファポリス様』

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

処理中です...