時空魔術操縦士の冒険記

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2章ダンジョンへ向かおう

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 狐は舌を出しながら得意げに言った。
 面倒くさいモンスターだな。
 俺は手を払う。

「俺はガキが嫌いなんだ!! あっちへ行け! しっ! しっ!」

「出て行くのは! お前なのだ!」

「うるせぇ……というか……アイリス達はどこだ?」

「知りたかったらこっちへ来い!」

 狐は密林が生い茂る方へ走って行った。
 なんだこいつ。丸焼きにして食っちまうぞ。
 そして、後を追いかける。
 林や苔や草花が生える洞窟のような穴に入って行く狐。
 おいおい。
 お前は簡単に抜けられるが、俺の身体じゃ無理だが……。
 抜けられないことはない。
 そして、ようやく俺は何とかして抜ける。

「うっ!!!! はぁはぁはぁ! 待てよ狐!!」

 走るスピードが早いんだよ!!

「待てこらぁぁぁ!!!!」

 そして緑の草木にはどんぐりや木の実がいっぱいあり、草木から漏れる陽光が緑と光の世界を創りあげる。
 おいおい狐。
 俺を騙したのか。
 狐はビクッと慌てた様子。
 問い掛ける。

「誰もいないだろ? 騙したのか?」

「いるなんて一言も言ってない!」

「ふざけんなよ」

「でも確かこの辺りに落ちるはずだったんだ!」

「落ちてないじゃないか」

「ボクは頑張ったんだぞ」

「努力が成功に繋がるとは限らないからな……はははは。お前の失敗」

 こんな密林で迷子とか最悪な状況だ。
 あのまま大蟻食兵隊倒せば良かったな。
 強いとか言っても砂嵐百蟻程度だろう。
 はぁ。参ったな。
 狐が悲しそうな表情をしていた。何か泣きそうな表情だ。
 ずっと固まったまま、細い目をしょぼしょぼさせている。
 言い過ぎたか。

「狐ごめんな……言い過ぎたわ」

「オマエがノロマだから悪いんだ!」

「あっそうだよな……ごめんな」

「あとエロい目つきでボクを見るな……変態!」

「おいこら! 狐! 生意気言うな!! 丸焼きにすんぞ!」

「オマエに捕まるアホウドリではないわ!!」

「知らねー鳥をぶっ込むじゃねーよ!!」

「ヒューマンに知能が無いとはこのことか!!」

「狐のくせに」

「ヒューマンのくせに」

 はぁ。
 まあここは俺が折れるべきだな。
 俺も少しずつ大人になっているしな。

「なぁ? お前ここで一人で暮らしているのか?」

 俺はしゃがみ込む、狐の顔を覗く。
 黄金色の毛並みが綺麗、尖った耳がピクピクと動く。
 狐はそっぽ向きながら、俺を見ようとはしない。
 だが、答えてくれた。

「そうだ」

「そうか……お前の家族とかは?」

「いる」

「どこに?」

「分からない」

「じゃ探してんのか?」

「うん」

「そっか」

「おいヒューマン! ボクのドングリ食え! うまいぞ!」

 狐はキャンキャン跳びながら楽しそうに言葉を発した。
 なんかこいつ可愛いな。

「あっ、貰うわ」

 狐が小さな口にドングリやらキノコを咥えて、俺の足元に置いてくる。
 俺はありがたく食べる。
 うん、意外に上手い。

「なぁ? お前名前は?」

「ミユミユと呼べ」

「なんか可愛い名前だな」

「当たり前だ……ボクは可愛いからな」

「え? ミユミユはメス?」

「どうみたってそうだろうが!?」

「本当かぁ? オスなんだろ? 何か偉そうだしさ」

「失礼だぞ! レディにそんな事を言うなんて許されない!」

「ははは狐が何を言うか」

「今笑ったな!!」

 ぴょんぴょんとミユミユが跳び跳ねる。
 キャンキャンうるさいぞ。
 そして、俺は立ち上がる。

「さて、俺も人探ししないとな……ミユミユじゃあな」

 するとミユミユが小走りで追い掛けてくる。
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