時空魔術操縦士の冒険記

一色

文字の大きさ
151 / 175
2章ダンジョンへ向かおう

再びのジャック

しおりを挟む
 デイトナ王国の地下には大きな砂造りの神殿がある。
 黄金に輝く神殿、松明が明かりがより一層際立つ。
 永遠に続く広い部屋、どこまで見上げられる天井に、両側には分厚い柱が前方にかけて何本も設置されている。
 そこに何千人が悲鳴や絶叫を上げて、駆けていく。後ろから恐ろしい奴らがやってくる。
 最後尾にはデイトナ皇帝と騎士が数人。
 デイトナ皇帝は険しい表情し、立ち止まる。
 困惑する騎士達。

「限界のようだな……」

「皇帝陛下! ここで立ち止まってはいけません!」

「ここで足止めをしなければ、前方にいる国民が死を招くだろう」

「ですが……もし陛下が命を落とされば、国や十魔王族に多大なる影響を及ぼします!!」

 地面に足を踏みしめる音が聞こえてくる。
 異なる二つの音。
 突然、一部消えていた松明がボワァと灯る。
 二人の影が現れ、皆振り向いた。
 カラフルなハットに白塗りの顔の怪人と綺麗なショートカットの赤髪の魔女。それは世界的殺人鬼と凶悪の魔女だった。
 皆目を見開き、絶句し、恐怖の汗が滴り落ちる。
 ジャツクザ・リッパーは赤い眼光で、不気味に笑い、唇が大きく、つり上がる。
 エキドナは赤髪を揺らせ、妖艶《ようえん》に笑う。

「お久しぶりザスネ? デイトナ皇帝ザマ? いかがお過ごしザシタカ?」

「ウフフ」

「貴様に我の名を呼ばれたくはない……」

「友達ザスノニ……酷いザスヨ……キャァキャァキヤァキャァキャァキャァ」

「前回我々が貴様と退治した時は逃がしたが…‥今回は十魔王族の世界的大罪者抹消典《ブラックリスト》に載っている……貴様の命は短いぞ? ……全力で十魔王族が潰しにくる」

「キャハキャキャハキャキャキャハ……確かアナタ十魔王族ザシタヨネ? アナタ本当に強いザシタカ? 下層の十魔王族ではワタシには勝てませんザスヨ……ザマァァァァァァァァァァァ!!!!!!」

 赤い眼球をギョロギョロさせて、高く笑った。
 皇帝の金色の両眼がより一層目を細め、彫りの深い顔立ちが歪む。

「ちっ…………貴様らの目的は何だ?」

「下層を支配しようという計画ザスヨ? ゆくゆくは中層、上層と規模を広めるつもりザスヨ?」 

「笑わすな……そんな馬鹿げた話があるか? たった数人程度と何百かの魔獣程度で支配できる訳ないだろう?」

「ヒィヒィヒィヒィヒィ!!!! いずれアナタにも分かりザスヨ? 見てくださいザス」

「くだらない……それに街や人を破壊し、殺して、支配するだと? おかしな話だ?」

「いえいえ……ヒューマンはこの世から消し去りますからご安心くださいザス……異世界神……魔獣《モンスター》のみが生存できる世界ザスヨ……ハーフ魔獣なら奴隷にしてやるザスヨ? あれアナタはヒューマン……ザシタネ? 火炙《ひあぶ》りの処刑ザスネ……キャアキャアキャアキヤァキャァ……ザマァァァァァァァァァァネー!!!!!」

「ここで貴様を抹殺する……」

 抜刀音が鳴る。
 刹那。
 目を疑った。
 皇帝の目の前に首を何回も横にボキッボキッと揺らすジャックザ・リッパーがいた。
 皇帝が息をする間もなく、心臓に鋭い刃の刃先が刺さり、前のめりになって倒れた。
 騎士達は声も出さず、絶句し固まったまま。
 瞬間、ジャツクザ・リッパーは両千枚刃を一振り、二振りし、全員の騎士たちの首をはね、頭部がゴロゴロと地面に落ち、身体がドサッと崩れ落ちた。
 ジャツクザ・リッパーは音痴な歌を歌いながら、前へ進んでいた。

「ザス! ザス! ザス! ワタシがザスラ! アナタはザス~ラ!! 二人で遊びまザス!! ザッス!! ザッス!! 二人で遊びまザス! ザ……スッスッスー!! ザ……スッスッスー!! あーそれ……ザ……スッスッスー!! あー楽しいザス!!! あー楽しいザス!!!」

 エキドナは無表情で追随する。

             *
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

少し冷めた村人少年の冒険記 2

mizuno sei
ファンタジー
 地球からの転生者である主人公トーマは、「はずれギフト」と言われた「ナビゲーションシステム」を持って新しい人生を歩み始めた。  不幸だった前世の記憶から、少し冷めた目で世の中を見つめ、誰にも邪魔されない力を身に着けて第二の人生を楽しもうと考えている。  旅の中でいろいろな人と出会い、成長していく少年の物語。

追放された『ただの浄化係』、実は国中の魔石を満たしていた精霊姫でした〜今さら戻れと言われても、隣国のイケメン皇帝が離してくれません〜

ハリネズミの肉球
ファンタジー
「おい、城の噴水が止まったぞ!?」 「街の井戸も空っぽです!」 無能な王太子による身勝手な婚約破棄。 そして不毛の砂漠が広がる隣国への追放。だが、愚かな奴らは知らなかった。主人公・ルリアが国境を越えた瞬間、祖国中の「水の魔石」がただの石ころに変わることを! ルリアは、触れるだけで無尽蔵に水魔力を作り出す『水精霊の愛し子』。 追放先の干ばつに苦しむ隣国で、彼女がその力を使えば……不毛の土地が瞬く間に黄金のオアシスへ大進化!? 優しいイケメン皇帝に溺愛されながら、ルリアは隣国を世界一の繁栄国家へと導いていく。 一方、水が完全に枯渇し大パニックに陥る祖国。 「ルリアを連れ戻せ!」と焦る王太子に待っていたのは、かつて見下していた隣国からの圧倒的な経済・水源制裁だった——! 今、最高にスカッとする大逆転劇が幕を開ける! ※本作品は、人工知能の生成する文章の力をお借りしつつも、最終的な仕上げにあたっては著者自身の手により丁寧な加筆・修正を施した作品です。

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

迷惑異世界のんびり道中記~ちびっ子勇者とともに~

沢野 りお
ファンタジー
なんということもない普通の家族が「勇者召喚」で異世界に召喚されてしまった。 兄、橘葵二十八歳。一流商社のバリバリエリートのちメンタルに負担を受け退職後、一家の主夫として家事に精を出す独身。 姉、橘桜二十五歳。出版社に勤める美女。儚げで庇護欲をそそる美女。芸能人並みの美貌を持つオタク。あと家事が苦手で手料理は食べたら危険なレベル。 私、橘菊華二十一歳。どこにでいもいる普通の女子大生。趣味は手芸。 そして……最近、橘一家に加わった男の子、右近小次郎七歳。両親が事故に亡くなったあと、親戚をたらい回しにされ虐げられていた不憫な子。 我が家の末っ子として引き取った血の繋がらないこの子が、「勇者」らしい。 逃げました。 姉が「これはダメな勇者召喚」と断じたため、俗物丸出しのおっさん(国王)と吊り上がった細目のおばさん(王妃)の手から逃げ……られないよねぇ? お城の中で武器を持った騎士に追い詰められて万事休すの橘一家を助けたのは、この世界の神さまだった! 神さまは自分の落ち度で異世界召喚が行われたことは謝ってくれたけど、チート能力はくれなかった。ケチ。 兄には「生活魔法」が、姉には「治癒魔法」が、小次郎は「勇者」としてのチート能力が備わっているけど子どもだから鍛えないと使えない。 私には……「手芸創作」って、なにこれ? ダ神さまにもわからない能力をもらい、安住の地を求めて異世界を旅することになった橘一家。 兄の料理の腕におばさん軍団から優しくしてもらったり、姉の外見でおっさんたちから優遇してもらったり、小次郎がうっかりワイバーン討伐しちゃったり。 え? 私の「手芸創作」ってそんなことができちゃうの? そんな橘一家のドタバタ異世界道中記です。 ※更新は不定期です ※「小説家になろう」様、「カクヨム」様にも掲載しています ※ゆるい設定でなんちゃって世界観で書いております。

前世の記憶は役立たず!ーエルフに転生したけれど、異世界が世知辛すぎるー

藤 野乃
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生! 憧れのエルフに転生したら、まさかの特級呪物。 しかも、お約束のご都合主義はどこ行っちゃったの!? 理不尽な手続き、面倒な契約、身分証がなければ部屋も借りられない。 猫獣人は「ニャー」と鳴かないし、神様も居ない。 召喚獣?喋りません。 龍?人化しません。 想像してた異世界とはだいぶ違う。 腑に落ちない気持ちMAXで、流されるままクラフトしたり、もふもふしたり、たまに事件に巻き込まれたり。 見た目は完璧エルフ美女、でも中身はツッコミ止まらない。 ご都合主義が通じない異世界で、《普通》に揉まれる日々がはじまる──! ※カクヨム、なろうにも掲載中

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 2025/09/12(金)5巻発売!同日コミカライズ開始! 2026/03/16(月)コミカライズ1巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

【完結】うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの
ファンタジー
 孫の雷人(14歳)からテレパシーを受け取った光江(ばぁば64歳)。誘拐されたと思っていた雷人は異世界に召喚されていた。康夫(じぃじ66歳)と柏木(探偵534歳)⁈ をお供に従え、異世界へ転移。料理自慢のばぁばのスキルは胃袋を掴む事だけ。そしてじぃじのスキルは有り余る財力だけ。そんなばぁばとじぃじが、異世界で繰り広げるほのぼのスローライフ。  ばぁばとじぃじは無事異世界で孫の雷人に会えるのか⁈

処理中です...