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2章英雄と龍魔王
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その時、暗いブラックホールの穴から強烈な魔力を漂わせた、四体の龍の化け物が現れた。
あまりの膨大な魔力に危機を察知したクロイツは必死の形相で叫び、一旦後退を促す。
が、しかし、初動で即時対応した龍の化け物達に道を塞がれた。
「何っ」
クロイツの正面には六体の龍の顔を持った二足歩行の寸胴な体型の緑色の龍獣。
【六龍獣《ヤマタオロチ》】
レベル700。第三龍。
蛇のような龍の顔と長い首で、多攻撃によって相手を確実に鋭い牙の餌食にする。
また、濃緑色の翼で、天空に逃げる人間共を追い詰めることもできる。
赤い舌がシュルルルと一斉に出し、黒い眼力で、クロイツの全身を舐め回すかのように、品定めをする。
その龍の喉から言いようもない、気持ち悪い音がする。
クロイツは目を見張り、硬直するも、無意識に右手にはボックスからアイテムの氷結爆弾を転出。
「……」
一方、イリスの目の前にニ足歩行の細長い灰色竜が立っていた。
それは、アタマカラと同程度の背丈、まるで、灰色の天狗。
逞しいニ翼を背負い、灰色皮膚をし、恐ろしい龍の鬣、長く、巨大な鼻、中央に寄った黄色の両眼で睨み、龍の強烈な口で笑みを漏らす。
【竜天狗(ウルボロス)】
レベル800。第一龍。
ウルボロスは高度な知能を持つのか、企みのある声を発する。
「グラード王国の英雄諸君、ドラグロワの森林へようこそ」
言語を話すことにイリスは一瞬、驚くも、敵は悪の魔獣に過ぎないと一蹴し、声を発する。
「あなた達のこれまでの蛮行を許す訳にいかない。あなた達の身勝手な欲望で多くの命が奪われた。だから、龍魔王を征伐しに来た」
「クックックッ……それはお互い様でしょう。獣を殺した上に、生きているあなた達人間が命を獣に奪われたと嘆くのですか? それはおかしいと思うのですが?」
「……」
もっともな言い分に黙り込むイリス。
だが、ティアの叱咤によって、我に変える。
「善良なる人間を救うために悪の魔獣が殺さなければならない! しっかりしなさい!」
「うん」
「おいおい! 嬢ちゃんおれを忘れちゃいかんねぇ」
ティアとアタマカラ達の前にも、二体の化け物が牙を向け、立ちふさがっていた。
あまりの膨大な魔力に危機を察知したクロイツは必死の形相で叫び、一旦後退を促す。
が、しかし、初動で即時対応した龍の化け物達に道を塞がれた。
「何っ」
クロイツの正面には六体の龍の顔を持った二足歩行の寸胴な体型の緑色の龍獣。
【六龍獣《ヤマタオロチ》】
レベル700。第三龍。
蛇のような龍の顔と長い首で、多攻撃によって相手を確実に鋭い牙の餌食にする。
また、濃緑色の翼で、天空に逃げる人間共を追い詰めることもできる。
赤い舌がシュルルルと一斉に出し、黒い眼力で、クロイツの全身を舐め回すかのように、品定めをする。
その龍の喉から言いようもない、気持ち悪い音がする。
クロイツは目を見張り、硬直するも、無意識に右手にはボックスからアイテムの氷結爆弾を転出。
「……」
一方、イリスの目の前にニ足歩行の細長い灰色竜が立っていた。
それは、アタマカラと同程度の背丈、まるで、灰色の天狗。
逞しいニ翼を背負い、灰色皮膚をし、恐ろしい龍の鬣、長く、巨大な鼻、中央に寄った黄色の両眼で睨み、龍の強烈な口で笑みを漏らす。
【竜天狗(ウルボロス)】
レベル800。第一龍。
ウルボロスは高度な知能を持つのか、企みのある声を発する。
「グラード王国の英雄諸君、ドラグロワの森林へようこそ」
言語を話すことにイリスは一瞬、驚くも、敵は悪の魔獣に過ぎないと一蹴し、声を発する。
「あなた達のこれまでの蛮行を許す訳にいかない。あなた達の身勝手な欲望で多くの命が奪われた。だから、龍魔王を征伐しに来た」
「クックックッ……それはお互い様でしょう。獣を殺した上に、生きているあなた達人間が命を獣に奪われたと嘆くのですか? それはおかしいと思うのですが?」
「……」
もっともな言い分に黙り込むイリス。
だが、ティアの叱咤によって、我に変える。
「善良なる人間を救うために悪の魔獣が殺さなければならない! しっかりしなさい!」
「うん」
「おいおい! 嬢ちゃんおれを忘れちゃいかんねぇ」
ティアとアタマカラ達の前にも、二体の化け物が牙を向け、立ちふさがっていた。
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