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11.陽炎姫は決意する-②
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「今朝はヨアン様ももう少しお休みになられるようです。フェリシア様、先に朝食を召し上がってください」
いつもより手間取りながらも、なんとかクラフティを作り上げた頃、ユーゴに声を掛けられた。
フェリシアがこの城に来てから、毎朝朝食はヨアンと一緒に取っていたが、どうやらヨアンも今朝は起きられないらしい。無理して早起きしてくれていた疲れが出てしまったのではないかと心配顔になったフェリシアに、ユーゴが首を振る。
「フェリシア様の癒やしの力のおかげで、ヨアン様の体調はすこぶる良好です。昨夜はなかなか寝つけなかっただけのようですよ。――フェリシア様と同じですね」
やはりユーゴには、すべてお見通しなのかもしれない。フェリシアはまた赤面して俯いた。
城の主人よりも先に朝食をいただくのは気が引けたが、今ヨアンの顔を見たら昨夜のことを思い出して、どうしたらいいのかわからなくなりそうだ、と思い直し、ユーゴの言葉に従うことにした。
「それではお言葉に甘えて、お先にいただきます」
フェリシアが朝食を終えてクラフティを切り分けていると、再びユーゴが声を掛けてくれた。
「ヨアン様が起きていらっしゃいましたよ。朝食はもうよいとのことで、フェリシア様のお菓子をご所望です」
ヨアンという名前を聞くだけでどきりとする。
「ありがとうございます。すぐにお持ちいたします」
速くなっていく鼓動に戸惑いながらも、できるだけいつも通りのトーンで返事をした。
ダイニングルームには、普段に輪をかけて眠たげなヨアンがいた。気怠げに伏せられた瞳から溢れ出る色香は万物を惑わせそうだ。
ヨアンはフェリシアに気づくと、艶美な笑顔を浮かべる。
「おはよう、フェリシア。今朝は朝食を一緒に取れずすまなかった」
目が合っただけで心臓が止まりそうになりながらも、フェリシアも精一杯微笑む。
「おはようございます、ヨアン様。私の方こそ、先に朝食をいただいてしまい、失礼いたしました」
こんな時こそ、しっかりしなくては。
フェリシアは身体に染みついている所作を今一度確認するかのように、丁寧に心を落ち着かせながらお茶の準備を始めた。
いつもより手間取りながらも、なんとかクラフティを作り上げた頃、ユーゴに声を掛けられた。
フェリシアがこの城に来てから、毎朝朝食はヨアンと一緒に取っていたが、どうやらヨアンも今朝は起きられないらしい。無理して早起きしてくれていた疲れが出てしまったのではないかと心配顔になったフェリシアに、ユーゴが首を振る。
「フェリシア様の癒やしの力のおかげで、ヨアン様の体調はすこぶる良好です。昨夜はなかなか寝つけなかっただけのようですよ。――フェリシア様と同じですね」
やはりユーゴには、すべてお見通しなのかもしれない。フェリシアはまた赤面して俯いた。
城の主人よりも先に朝食をいただくのは気が引けたが、今ヨアンの顔を見たら昨夜のことを思い出して、どうしたらいいのかわからなくなりそうだ、と思い直し、ユーゴの言葉に従うことにした。
「それではお言葉に甘えて、お先にいただきます」
フェリシアが朝食を終えてクラフティを切り分けていると、再びユーゴが声を掛けてくれた。
「ヨアン様が起きていらっしゃいましたよ。朝食はもうよいとのことで、フェリシア様のお菓子をご所望です」
ヨアンという名前を聞くだけでどきりとする。
「ありがとうございます。すぐにお持ちいたします」
速くなっていく鼓動に戸惑いながらも、できるだけいつも通りのトーンで返事をした。
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ヨアンはフェリシアに気づくと、艶美な笑顔を浮かべる。
「おはよう、フェリシア。今朝は朝食を一緒に取れずすまなかった」
目が合っただけで心臓が止まりそうになりながらも、フェリシアも精一杯微笑む。
「おはようございます、ヨアン様。私の方こそ、先に朝食をいただいてしまい、失礼いたしました」
こんな時こそ、しっかりしなくては。
フェリシアは身体に染みついている所作を今一度確認するかのように、丁寧に心を落ち着かせながらお茶の準備を始めた。
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