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20.至宝は誰の手に-②
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イヴェットたちが捕らえられてから、二週間が経とうとしていた。
あの日、何も語ることなく王城を辞したヨアンとは、そのまま会えていない。使い魔のカラスの姿は何度か目にしたが、フェリシアが近づこうとすると飛び立ってしまう。森の中の古城でヨアンと共に過ごした日々がひどく遠く感じられ、やるせなかった。
(ヨアン様は、お元気でいらっしゃるかしら…)
あの時ヨアンに向けられていた視線や言葉を思うと、胸が痛む。自分のために力を尽くしてくれたヨアンに、何もできなかったという後悔で押しつぶされそうだった。
その日、国王の呼び出しに応じ登城したフェリシアは、謁見の間に通された。アレクシスとクリストフも控えていたが、ヨアンの姿はない。もしかしたら会えるかもしれない、と淡い期待を抱いていた胸が、ぎゅっと痛んだ。
イヴェットとセリーヌ、そしてレイモン男爵も、多くの証拠を突きつけられ、観念したように罪を認め始めたようだ。今回フェリシアのシャンパングラスに入れられていた毒もレイモン男爵が入手したもので、二年前使用された毒と同じだと特定された。
さらに、クリストフと王国の諜報員の調べで、レイモン男爵が隣国カルセドニーの貴族と繋がり、武器や情報を流していたという事実も掴めた。レイモン男爵への厳しい処罰は避けられないだろう。レイモン男爵から賄賂を受け取った大臣たちも、自ら名乗り出て国王に謝罪し、職を辞したらしい。あの時の国王の牽制が効いたのだろう。
「ベルナールの事件については、なかなかイヴェットたちも認めようとしなかった」
国王が核心に触れた。フェリシアはぎゅっと口を引き結ぶ。
「そこで自白の魔術を用いたところ、予想通り、イヴェットがマクシムを後継ぎにするために、ベルナールに毒を盛ったと供述した。病に見せかけられるよう、数日間にわたり少しずつ遅効性の毒を使ったと」
フェリシアの瞳から、大粒の涙が零れる。クリストフも天を仰ぎ、涙を堪えた。
あの時、陰謀に気づいてさえいれば──。
ベルナールはどんなに苦しかっただろうか。どんなに悔しかっただろうか。黄泉に渡ってしまった命はもう、帰ってはこない。
あの日、何も語ることなく王城を辞したヨアンとは、そのまま会えていない。使い魔のカラスの姿は何度か目にしたが、フェリシアが近づこうとすると飛び立ってしまう。森の中の古城でヨアンと共に過ごした日々がひどく遠く感じられ、やるせなかった。
(ヨアン様は、お元気でいらっしゃるかしら…)
あの時ヨアンに向けられていた視線や言葉を思うと、胸が痛む。自分のために力を尽くしてくれたヨアンに、何もできなかったという後悔で押しつぶされそうだった。
その日、国王の呼び出しに応じ登城したフェリシアは、謁見の間に通された。アレクシスとクリストフも控えていたが、ヨアンの姿はない。もしかしたら会えるかもしれない、と淡い期待を抱いていた胸が、ぎゅっと痛んだ。
イヴェットとセリーヌ、そしてレイモン男爵も、多くの証拠を突きつけられ、観念したように罪を認め始めたようだ。今回フェリシアのシャンパングラスに入れられていた毒もレイモン男爵が入手したもので、二年前使用された毒と同じだと特定された。
さらに、クリストフと王国の諜報員の調べで、レイモン男爵が隣国カルセドニーの貴族と繋がり、武器や情報を流していたという事実も掴めた。レイモン男爵への厳しい処罰は避けられないだろう。レイモン男爵から賄賂を受け取った大臣たちも、自ら名乗り出て国王に謝罪し、職を辞したらしい。あの時の国王の牽制が効いたのだろう。
「ベルナールの事件については、なかなかイヴェットたちも認めようとしなかった」
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「そこで自白の魔術を用いたところ、予想通り、イヴェットがマクシムを後継ぎにするために、ベルナールに毒を盛ったと供述した。病に見せかけられるよう、数日間にわたり少しずつ遅効性の毒を使ったと」
フェリシアの瞳から、大粒の涙が零れる。クリストフも天を仰ぎ、涙を堪えた。
あの時、陰謀に気づいてさえいれば──。
ベルナールはどんなに苦しかっただろうか。どんなに悔しかっただろうか。黄泉に渡ってしまった命はもう、帰ってはこない。
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