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今年のクリスマスは…
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ここは……
シルバーアクセサリーの工房兼自宅と店舗。
勿論、ここの店主は俺で…
従業員? とは少し違って同居人…
いや…
同棲してる恋人のセリとは、同じ大学に通っている同級生同士で…
少し前まで、破局寸前…
いやあれは、一度。
破局したんだよな。
「アサキどうしたの?」
セリは、休憩にとレモングラスとハーブのお茶を、ホットで出してくれた。
漂うレモングラスの香りと、飲む度に鼻を抜けるハーブのスーッのした感覚が、じんわりと染み込んでくる。
「お疲れ様」
「うん…」
「もう暫く掛かりそうだね」
店番や接客。
店の掃除等を、受け持ってくれているセリは、俺の仕事の流れも理解しているから。
今が、どの段階かを分かってくれている。
「僕、店の方で店番してるから。何かあったら声を掛けて…」
そう言うとセリは、レモングラスとハーブのお茶を淹れたカップと、講義で使う参考書を手に持って、店のカウンターに座った。
で、参考書を読むのかと思えば…
自然とその視線は、外へと向けられる。
セリのヤツ。
キラキラした街路樹のイルミネーションや、そのショップ独自の飾を、ワクワクした風な目で眺めてることに、気づいてんのかなぁ…
見に行きたそうな顔してる。
俺もまた、作業場からセリの目線に合わせるように顔を出し窓の外を眺める。
毎年思うけど、凄い人の数だなぁ…
「アサキ…仕事は?」
「休憩中。セリこそ何見てんの?」
カウンター座っていたセリが、こっちに向かって振り返る。
「いや…クリスマスは、明後日なのに…凄い人だなぁ~って…」
「そうだな…」
去年までは、考えもしなかった。
大切だって、思いながらも、大切にする意味を履き違えて…
セリも、何も言ってくれなくて…
こんな風にまた肩を並べてる事が出来るとか…
想像出来なかった。
今は…
こうやって、隣に居てくれるだけで良いとか…
内心で、思いながら照れ臭くなった。
「どうしたの?」
「いや…別に…」
「そう」
カウンターの椅子に座り直してセリは、またイルミネーションを眺め始めた。
「…行くか? イルミネーション見に?」
ピクッとした風に、肩を弾ませて俺に振り返ると同時にセリは…
「行きたい!」と、立ち上がった。
早々に店を閉めて、俺達は店の裏口から外に出る。
夕方から冷えるとは、聞いていたけど…
予想以上に寒くて、少し震えてしまった。
「お店の方は、暖房がきいていたから。余計に寒く感じるのかも…」
そう言って見合わせたお互いの鼻が、少し赤くて笑い合ってしまった。
裏通り道から表に出ると途端に昼間かってぐらいにイルミネーションの明りで眩しくなる。
店の表の通りは、多くの人が行き交って思い思いに明りを眺めては、笑顔になっていく。
写真を、撮っている人もいる。
「一緒に写真撮ろうか?」
「うん!」
セリの腕を引き寄せて、自分のスマホを傾ける。
「ねぇ。その写真送ってよ!」
「ちゃんと送るよ…」
キラキラ笑ってるセリの顔が、幸せそうで良かった。
今だからこそ、本当にそう思えてならない。
話は、このプロローグから数ヶ月前に戻ることになる…
シルバーアクセサリーの工房兼自宅と店舗。
勿論、ここの店主は俺で…
従業員? とは少し違って同居人…
いや…
同棲してる恋人のセリとは、同じ大学に通っている同級生同士で…
少し前まで、破局寸前…
いやあれは、一度。
破局したんだよな。
「アサキどうしたの?」
セリは、休憩にとレモングラスとハーブのお茶を、ホットで出してくれた。
漂うレモングラスの香りと、飲む度に鼻を抜けるハーブのスーッのした感覚が、じんわりと染み込んでくる。
「お疲れ様」
「うん…」
「もう暫く掛かりそうだね」
店番や接客。
店の掃除等を、受け持ってくれているセリは、俺の仕事の流れも理解しているから。
今が、どの段階かを分かってくれている。
「僕、店の方で店番してるから。何かあったら声を掛けて…」
そう言うとセリは、レモングラスとハーブのお茶を淹れたカップと、講義で使う参考書を手に持って、店のカウンターに座った。
で、参考書を読むのかと思えば…
自然とその視線は、外へと向けられる。
セリのヤツ。
キラキラした街路樹のイルミネーションや、そのショップ独自の飾を、ワクワクした風な目で眺めてることに、気づいてんのかなぁ…
見に行きたそうな顔してる。
俺もまた、作業場からセリの目線に合わせるように顔を出し窓の外を眺める。
毎年思うけど、凄い人の数だなぁ…
「アサキ…仕事は?」
「休憩中。セリこそ何見てんの?」
カウンター座っていたセリが、こっちに向かって振り返る。
「いや…クリスマスは、明後日なのに…凄い人だなぁ~って…」
「そうだな…」
去年までは、考えもしなかった。
大切だって、思いながらも、大切にする意味を履き違えて…
セリも、何も言ってくれなくて…
こんな風にまた肩を並べてる事が出来るとか…
想像出来なかった。
今は…
こうやって、隣に居てくれるだけで良いとか…
内心で、思いながら照れ臭くなった。
「どうしたの?」
「いや…別に…」
「そう」
カウンターの椅子に座り直してセリは、またイルミネーションを眺め始めた。
「…行くか? イルミネーション見に?」
ピクッとした風に、肩を弾ませて俺に振り返ると同時にセリは…
「行きたい!」と、立ち上がった。
早々に店を閉めて、俺達は店の裏口から外に出る。
夕方から冷えるとは、聞いていたけど…
予想以上に寒くて、少し震えてしまった。
「お店の方は、暖房がきいていたから。余計に寒く感じるのかも…」
そう言って見合わせたお互いの鼻が、少し赤くて笑い合ってしまった。
裏通り道から表に出ると途端に昼間かってぐらいにイルミネーションの明りで眩しくなる。
店の表の通りは、多くの人が行き交って思い思いに明りを眺めては、笑顔になっていく。
写真を、撮っている人もいる。
「一緒に写真撮ろうか?」
「うん!」
セリの腕を引き寄せて、自分のスマホを傾ける。
「ねぇ。その写真送ってよ!」
「ちゃんと送るよ…」
キラキラ笑ってるセリの顔が、幸せそうで良かった。
今だからこそ、本当にそう思えてならない。
話は、このプロローグから数ヶ月前に戻ることになる…
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