【ホラー小話】

色酉ウトサ

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<人外ホラー>

『キノコの森』R指定

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少女が目覚めると、そこは薄暗い森の中だった。

身体を起こして辺りを見回すが草や木しか無く、どうやってここへ来たのかも、この森がどこなのかも、今まで自分が何をしていたのかも少女は覚えていなかった。

一つ分かるのは、早くここから逃げなくてはいけないということ。

(こっちかな…)

分からないながらも、少女は何となくそちらではないかと思う方へ歩き出した。

すると、草木は徐々に減っていき、変わりに今まで見たことの無い赤黒いキノコが増え始め、気付けば辺り一面にそのキノコが生えた開けた場所へと出ていた。

(キノコがいっぱい…。あれ、でもこのキノコ…)

さすがのキノコの群生地に、少女は足を踏み入れるのを戸惑った。

しかし同時に、見たことの無いと思っていたキノコが、どこかで見たことがあるような気がし始め、その場で考え始めた少女。

その時、少し離れた所のキノコが動いた気がして、少女は考えるのを止めてその部分をジッと見つめた。

(今、動いたよね?なにか居るの…え?)

少女が動かずにいると、キノコがゆっくりと高さを増した。

それは少女の足元に生えていたキノコも同様で、少女は思わず後ずさったが、その際何かに躓いて転んでしまった。

少女が慌てて立ち上がろうと手を着いた先にもキノコが生えていて、思わず少女はキノコを払い除けた。

しかしキノコは折れることも千切れることも無く、少しだけ固さを増していた。

そんなキノコに気持ち悪さを感じていた少女だったが、気付けば一本だけ、自らの股の近くにキノコが生えているのを見つけて更に慌てた。

(な、なんか気持ち悪い…。早くここから離れなきゃ…)

モソモソと動き出した少女。

瞬間、股の近くに生えていたキノコが伸びる方向を変え、少女の股間へ向かって来たのだ。

伸びたキノコは下着越しに少女の股を擦り上げ、固さを更に増していった。

まさかのキノコの動きに、少女は気持ち悪さからそのキノコを手で押し退けようとしたが、キノコは少女の股から離れることは無かった。

スリスリ

(やだよ~…。気持ち悪い…)

そんなキノコに気を取られている内に、他のキノコも全てが少女へ向かって伸び始めていた。

全てのキノコが自分に向かってきていることに気付き、少女は恐怖を感じて急いで立ち上がった。

こうすれば股に擦り付くキノコも離れ、他のキノコも自分の所へ来ないだろうと考えたからだ。

けれど、少女の考えは甘かった。

少女が立ち上がると同時に、キノコは伸びる速度を早め、少女の股間に擦り付いていたキノコはすでに下着にくっ付いていたのだ。

(なんで、こんなにすぐ…いやっ!?)

伸びてきたキノコの群れは少女の身体に絡み付き、下着にくっ付いたキノコは少女の股間の窪みへ押し入ろうとしていた。

身動きが取れない少女は、それでも藻掻いてキノコを引き剥がそうとしていた。

(やだっ、気持ち悪い…)

グリッ

(!?)

少女の抵抗は、股間のキノコにとってラッキーなものとなった。

あまりにも少女が暴れた為、下着が段々と陰部に食い込んでいき、その隙間からキノコはあっさりと少女のナカへと入り込めたのだ。

まさかの出来事に少女は動きを止め、自らの下半身へと視線を落とした。

目に映ったのは、自らの下半身に向かって伸びているキノコの柄。

少女が動けずにいると、ナカへと入り込んだキノコが動き始めた。

その感覚はあまりにもはっきりとしていて、少女は涙を零した。

(なん、で…。キノコが動いて…)

ナカを押し広げられ、奥へ奥へと進むキノコの感覚。

その動きに合わせるように、身体に絡み付いたキノコもゆっくりと少女の身体を這い始めた。

まだ幼い胸をつついたり、突起を傘で擦り上げたり、脇腹を擽るようになぞったり…。

恐怖を感じていた少女だったが、身体を這うキノコの感覚に徐々に何かを感じ始めていた。

その時、ナカを進んでいたキノコが一番深くまで到達し、勢いよく押し上げた。

最奥を押し上げられ、少女は思わず仰け反り声を上げた。

グンッ

「あぁぁぁっ!!」

キノコはそれ以上行けないと悟ると、今度は傘を壁に擦り付けながらゆっくりと後退り、再び最奥を突いた。

少女は何度も何度も繰り返され続ける内に、意識を手離し、一切の抵抗を止めた。

そんな少女に気付き、身体に絡み付いていたキノコは離れると、全てが少女の股間へと集まった。

次に少女が意識を取り戻すと、お腹に鈍い痛みを覚えて視線を下半身へと向けた。

そして、青ざめた。

少女の下半身には無数のキノコが集っていて、すでに複数本入っているナカへ、一本抜ければまた一本、という形で挿し込まれていたのだ。

(私の…、お腹…)

再び気を失った少女が次に意識を取り戻すと、そこは薄暗い森の中で、それまでの記憶は全て無くなっていたのだった。





終わり
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