異世界でもしにたい ~平凡転移者の異世界暮らし~

Tom Oak

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第一話 死のうとしたら異世界に連れてかれた ~チャプター3~

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気絶している最中、少しだけ昔のことを思い出していた。

                  ***

レアな中古ゲームが置いてあるとの情報を聞き、そのゲーム屋がある3駅隣の町の商店街まで来ていた。
無事ゲームを手に入れ、帰路につこうとしたその時だった。

「まま~?ままぁ~?うえぇ~~ん!」

ぬいぐるみを抱えた小さな女の子がベソをかきながらさまよっている。どう見ても迷子だ。

早く家に帰って買ったゲームをしたかったが、なぜだかその時はあの子を放っておけないような気がして―――

                  ***

「……しも~し?すいませ~ん、あの~、生きてますか~?」

女の人の呼びかけが聞こえてきて、意識が引き戻されていく。

このまま他のモンスターのエサにでもなろうかと思ってたが、どうやら人間に見つけられたようだ。

(…なんか、どっかで聞いたことあるような声だな…)

重たい目蓋を開け声の主を確認しようとする。まだぼんやりとする視界を補うように浮かんだのはあの顔だった。

「…てん…し?」
「…え?天使?」

やがて視界がはっきりしていくと、眼前にあったのはあんなちんちくりんではなくもう少し大人びたショートカットの少女の顔。

「あはは、やだなぁ。私のこと天使に見えちゃう?」

苦笑いしながら少女が返す。

「え!?あ、ゴメンナサイっ!」

慌てて起き上がる。
もしかして、寝起きでいきなりナンパかましたチャラ男とでも思われた?

「よかった、ケガもなさそうだし大丈夫みたいだね。」
「あ、うん…」

「ねぇ、なんでこんなところで倒れてたの?」
「えーと、その、ゴブリンを…倒したんだけど…」
「ゴブリン?あー、あれね。」

少女が振り向いた先には、早くも小バエが集り始めたゴブリンの開きが遺されていた。

「ヒェッ!」

目を背ける俺。また思い出して倒れてしまうかと。

「あれきもち悪いよねー。私も慣れるまでだいぶかかったし。」

そう話す少女。見たところ恐らく旅慣れた冒険者で、モンスターと戦うなど日常茶飯事なのだろう。

「あっちの方にきれいな池があるから、そこで顔を洗ってきたらスッキリするんじゃないかな?」
「あ、ありがと…」

少女が指さした方に歩いていくと道脇にある透き通った水が広がる池にたどり着く。
グローブを外し、手で水を掬いバシャバシャと顔に浴びせる。

「はぁ…」
「どお?だいぶ顔色良くなったね。大丈夫?」
「うん、お陰でだいぶ楽になったよ」
「よかった。あ、私はリーナ。回復とか支援系の魔術が得意なんだ。」

丁寧に自己紹介してくれた。ヒーラータイプの子ね。
もし仲間になってくれたら、すごく心強いけど…

「俺…照井勇矢テルイユウヤっていいます。」
「テルイユウヤ…さん?」
「えっと…、テルイが名字でユウヤが名前…」
「名字があるんだ。もしかして貴族様か騎士様?」

しまった。この世界だと位の高い人にしか名字は無いのか?

「あ、いや、ごくフツーの家庭育ちだけど…。え~~っとゴメン!名字は忘れて!ユウヤでいい!ユウヤ!」
「…わかった。」

何かを察したような表情で納得してくれた。変に気を使わせてしまったかな。

「…そうだ。私、この先のルクスの町にある冒険者ギルドに行くところなんだ。ユウヤはもしかしてもうギルドに入ってる?」

ギルド?ゲームとかでよく聞く冒険者の組合みたいなものか。

「いや…、特にそういうのには入ってないけど…」
「そうなんだ!もしよかったら、一緒に来てくれる?というか、パーティ組んじゃお!ね?それで一緒にギルド入ろうよ!」
「…それはありがたいけど、いいの?俺で。ここに来たばっかで、そんな強くないし…」
「そんなことないよ。ゴブリンまっぷたつに出来るんだもん、大丈夫だよ。」

こんなに熱心に誘ってくれるのはすごくありがたい。というか、本当ならこっちからお願いしたいくらいだった。

「…ありがとう。組もう、パーティ」
「やったー!」

飛び跳ねて喜ぶリーナ。さっきまでの落ち着いた雰囲気とは打って変わって少し子供っぽい。

「これからよろしくね、ユウヤ。」
「ああ、よろしく。」

ファンタジー世界について早々、仲間が出来た。
まずは町まで行って、ギルドに入るのがミッションだ。
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