12 / 48
第三話 新たな仲間は○○娘!? ~チャプター1~
しおりを挟む
「はぁ……はぁ……」
森の中、追っ手から逃げ隠れする一人の少女。
「逃がすな!そう遠くへは行ってない筈だ。何としても見つけ出せ!」
「あれは高く売れるんだ。なるべく傷をつけずに捕らえろ!」
少女は木陰で息をひそめ、追っ手が去るのをじっと待つ――――――
***
「え~、本日は短剣の講習及び訓練にお越しいただき誠にありがとうございます~。講師を務めさせていただきます私ミヤムラと申します~。」
早朝、ギルドの訓練場にて。ミヤムラさんの挨拶からそれは始まった。
参加者は俺と、リーナの二人だけだ。
「悪いな。付き合わせてしまって。」
「そんなことないよ。私も短剣使うことあるし。」
そもそもなんでこの講習会に俺たちが参加することになったのか。
話は先日、クエストを達成しギルドに戻った時まで遡る――――――
***
「お疲れ様です。薬草の採取に、ツノウサギの駆除でございましたね。確認致しますので、こちらにお渡しいただけますでしょうか?」
「はい、お願いします……。」
受付のエミリーさんに薬草とツノウサギの亡骸を渡した後、俺は深くため息をついてしまう。
「どうかなさったのですか?」
「いや、実は…」
俺は自分の不注意で大ケガをした事、それによってリーナに迷惑をかけてしまった事をエミリーさんに話した。
「そうでしたか。まぁ初めてのクエストでしたし、あまりお気になさらなくてもいいと思いますよ。」
「…それに、せっかく貰ったブラックエッジも全然使いこなせてる気がしなくて…」
「お困りのようですね~?」
「ヒィッ!?」
ミヤムラさんがまた気配もなく横に立っていた。この人、やはり忍者か何かか?
「実は、近々こういった催しをするのですが…」
一枚のチラシが手渡される。そこにはミヤムラさんによる短剣の講習と訓練が行われる旨が書かれている。チラシの端にはデフォルメされたミヤムラさんの自画像も描かれていて、妙に凝っている。
「いかがです?ユウヤさんの戦い方の参考になると思うのですが…」
そうだな。いくら短剣に適性があると言っても、使い方をわかっていなければそれが活かされることはないだろう。参加してみる価値はある。
「わかりました。俺行きます。」
「ほ…本当ですか!?ありがとうございますありがとうございます!」
ミヤムラさんは何故か涙ぐみながら感謝を伝えてきた。なんでそこまで…。
***
「本日は…、その…二人もご参加いただいて…誠に…うぅ…」
挨拶の最中また涙ぐむミヤムラさん。この講習、そんなに人が来ないのか?
「…ええでは、挨拶はこの辺りにして早速講習を始めたいと思います~。」
ミヤムラさんは何事もなかったかのように平静に戻り、講習を始める。
講習の内容は、短剣の小振りで軽く扱いやすいという特徴、逆にその小ささ故に間合いが近くなってしまったり与えられるダメージも小さいという欠点の話から始まった。
「…と、このように致命的なダメージを与えるには相手の弱点…つまり急所を的確に突く必要があります~。」
こう話を聞いていくと、短剣て意外とテクニカルな武器なのでは?なんか段々あつかえる自信が…。
「ただ、それでも強力な魔物ですとか、鍛え上げられたり魔術などで強化された人間相手には致命に至らないこともあります~。」
なるほど…、冒険者を続けていけばより強いモンスターに出遭う事にもなるし…。
というか、人間と戦う事も想定してるの?
「ですので、今回はより確実にダメージを上げる為のちょっとした技を伝授しようと思います~。」
そう言うとミヤムラさんは懐から短刀を取り出し抜刀する。
「こう、鋭角を削るように…」
すると、一瞬空気が変わったのを感じた。いつも細目がちなミヤムラさんの目が一瞬見開かれる。そして―――
「シュッと刺して、捻る!」
…え?これだけ!?
と思っていたが、ミヤムラさんが刺した跡はかなりエグい感じに標的の藁巻きを削っていた。
「…と、こんな感じです~。それではお二方も実際にやってみましょう!」
その後、ミヤムラさんから手ほどきを受け―――
「それでは~、せーのっ!」
「シュッと刺して捻る!シュッと刺して捻る!シュッと刺して捻る!」
ただひたすら、刺しては捻る動作を繰り返した。
***
「それでは、本日は以上となります~。またお困りの事がありましたら私の方にお申し付けください~。」
こうしてミヤムラさんによる一時間ほどの講習は、朝のうちに幕を閉じた。
森の中、追っ手から逃げ隠れする一人の少女。
「逃がすな!そう遠くへは行ってない筈だ。何としても見つけ出せ!」
「あれは高く売れるんだ。なるべく傷をつけずに捕らえろ!」
少女は木陰で息をひそめ、追っ手が去るのをじっと待つ――――――
***
「え~、本日は短剣の講習及び訓練にお越しいただき誠にありがとうございます~。講師を務めさせていただきます私ミヤムラと申します~。」
早朝、ギルドの訓練場にて。ミヤムラさんの挨拶からそれは始まった。
参加者は俺と、リーナの二人だけだ。
「悪いな。付き合わせてしまって。」
「そんなことないよ。私も短剣使うことあるし。」
そもそもなんでこの講習会に俺たちが参加することになったのか。
話は先日、クエストを達成しギルドに戻った時まで遡る――――――
***
「お疲れ様です。薬草の採取に、ツノウサギの駆除でございましたね。確認致しますので、こちらにお渡しいただけますでしょうか?」
「はい、お願いします……。」
受付のエミリーさんに薬草とツノウサギの亡骸を渡した後、俺は深くため息をついてしまう。
「どうかなさったのですか?」
「いや、実は…」
俺は自分の不注意で大ケガをした事、それによってリーナに迷惑をかけてしまった事をエミリーさんに話した。
「そうでしたか。まぁ初めてのクエストでしたし、あまりお気になさらなくてもいいと思いますよ。」
「…それに、せっかく貰ったブラックエッジも全然使いこなせてる気がしなくて…」
「お困りのようですね~?」
「ヒィッ!?」
ミヤムラさんがまた気配もなく横に立っていた。この人、やはり忍者か何かか?
「実は、近々こういった催しをするのですが…」
一枚のチラシが手渡される。そこにはミヤムラさんによる短剣の講習と訓練が行われる旨が書かれている。チラシの端にはデフォルメされたミヤムラさんの自画像も描かれていて、妙に凝っている。
「いかがです?ユウヤさんの戦い方の参考になると思うのですが…」
そうだな。いくら短剣に適性があると言っても、使い方をわかっていなければそれが活かされることはないだろう。参加してみる価値はある。
「わかりました。俺行きます。」
「ほ…本当ですか!?ありがとうございますありがとうございます!」
ミヤムラさんは何故か涙ぐみながら感謝を伝えてきた。なんでそこまで…。
***
「本日は…、その…二人もご参加いただいて…誠に…うぅ…」
挨拶の最中また涙ぐむミヤムラさん。この講習、そんなに人が来ないのか?
「…ええでは、挨拶はこの辺りにして早速講習を始めたいと思います~。」
ミヤムラさんは何事もなかったかのように平静に戻り、講習を始める。
講習の内容は、短剣の小振りで軽く扱いやすいという特徴、逆にその小ささ故に間合いが近くなってしまったり与えられるダメージも小さいという欠点の話から始まった。
「…と、このように致命的なダメージを与えるには相手の弱点…つまり急所を的確に突く必要があります~。」
こう話を聞いていくと、短剣て意外とテクニカルな武器なのでは?なんか段々あつかえる自信が…。
「ただ、それでも強力な魔物ですとか、鍛え上げられたり魔術などで強化された人間相手には致命に至らないこともあります~。」
なるほど…、冒険者を続けていけばより強いモンスターに出遭う事にもなるし…。
というか、人間と戦う事も想定してるの?
「ですので、今回はより確実にダメージを上げる為のちょっとした技を伝授しようと思います~。」
そう言うとミヤムラさんは懐から短刀を取り出し抜刀する。
「こう、鋭角を削るように…」
すると、一瞬空気が変わったのを感じた。いつも細目がちなミヤムラさんの目が一瞬見開かれる。そして―――
「シュッと刺して、捻る!」
…え?これだけ!?
と思っていたが、ミヤムラさんが刺した跡はかなりエグい感じに標的の藁巻きを削っていた。
「…と、こんな感じです~。それではお二方も実際にやってみましょう!」
その後、ミヤムラさんから手ほどきを受け―――
「それでは~、せーのっ!」
「シュッと刺して捻る!シュッと刺して捻る!シュッと刺して捻る!」
ただひたすら、刺しては捻る動作を繰り返した。
***
「それでは、本日は以上となります~。またお困りの事がありましたら私の方にお申し付けください~。」
こうしてミヤムラさんによる一時間ほどの講習は、朝のうちに幕を閉じた。
0
あなたにおすすめの小説
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
1×∞(ワンバイエイト) 経験値1でレベルアップする俺は、最速で異世界最強になりました!
マツヤマユタカ
ファンタジー
23年5月22日にアルファポリス様より、拙著が出版されました!そのため改題しました。
今後ともよろしくお願いいたします!
トラックに轢かれ、気づくと異世界の自然豊かな場所に一人いた少年、カズマ・ナカミチ。彼は事情がわからないまま、仕方なくそこでサバイバル生活を開始する。だが、未経験だった釣りや狩りは妙に上手くいった。その秘密は、レベル上げに必要な経験値にあった。実はカズマは、あらゆるスキルが経験値1でレベルアップするのだ。おかげで、何をやっても簡単にこなせて――。異世界爆速成長系ファンタジー、堂々開幕!
タイトルの『1×∞』は『ワンバイエイト』と読みます。
男性向けHOTランキング1位!ファンタジー1位を獲得しました!【22/7/22】
そして『第15回ファンタジー小説大賞』において、奨励賞を受賞いたしました!【22/10/31】
アルファポリス様より出版されました!現在第四巻まで発売中です!
コミカライズされました!公式漫画タブから見られます!【24/8/28】
マツヤマユタカ名義でTwitterやってます。
見てください。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
祝・定年退職!? 10歳からの異世界生活
空の雲
ファンタジー
中田 祐一郎(なかたゆういちろう)60歳。長年勤めた会社を退職。
最後の勤めを終え、通い慣れた電車で帰宅途中、突然の衝撃をうける。
――気付けば、幼い子供の姿で見覚えのない森の中に……
どうすればいいのか困惑する中、冒険者バルトジャンと出会う。
顔はいかついが気のいいバルトジャンは、行き場のない子供――中田祐一郎(ユーチ)の保護を申し出る。
魔法や魔物の存在する、この世界の知識がないユーチは、迷いながらもその言葉に甘えることにした。
こうして始まったユーチの異世界生活は、愛用の腕時計から、なぜか地球の道具が取り出せたり、彼の使う魔法が他人とちょっと違っていたりと、出会った人たちを驚かせつつ、ゆっくり動き出す――
※2月25日、書籍部分がレンタルになりました。
『異世界ごはん、はじめました!』 ~料理研究家は転生先でも胃袋から世界を救う~
チャチャ
ファンタジー
味のない異世界に転生したのは、料理研究家の 私!?
魔法効果つきの“ごはん”で人を癒やし、王子を 虜に、ついには王宮キッチンまで!
心と身体を温める“スキル付き料理が、世界を 変えていく--
美味しい笑顔があふれる、異世界グルメファン タジー!
爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる