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第三話 新たな仲間は○○娘!? ~チャプター4~
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「はむっ…はふっはふっ…」
「そんなに慌てなくても、取ったりしないよ。」
リーナがなだめるが、それでも貪るようにサンドイッチを喰らうラミア。
やはり空腹には勝てなかったようで、話し合いに応じてくれるそうだ。
「盗んだトマト食ってたんじゃなかったのか?」
「う…それは…。」
まぁあんな未熟なトマト、食べるにはまだ早かっただろうな。
「ちょっとユウヤ、あんまり意地悪言わないの。」
「えぇ…?」
別にそんなつもりは無かったのだが、自分の昼飯を取られた仕返しに思われたのだろうか。
「私…退治されちゃうの?」
不安がるラミア。逃げて生き延びる為とはいえ、盗みを働いてしまった。それもモンスターの仕業ともなればなおさらだ。
「そうならないように、君の話を聞かせてほしいんだ。」
改めて敵意がないことを伝える。
「自己紹介がまだだったな。俺はユウヤ。こっちがリーナ。俺たちはルクスのギルドの冒険者だ」
リーナは微笑みながらラミアに小さく手を振る。
「君は、名前はあるの?」
「…メル。」
「メルっていうのか。君はどうしてハンターに捕まってしまったんだ?」
「…私、もともとラミアの里にいたんだけど―――」
メルの話によると、彼女はおそらくここからずいぶん離れた場所にあるラミアだけが住む森に囲まれた集落に住んでいたそうだ。ラミアたちは人間に見つからないように暮らしているらしい。
ある日メルが集落の近くへ食用に小動物を狩りに出たところ、その日はあまり獲れなかったらしく、集落から離れたところまで行ってしまった。そこを闇ハンターに見つかり、捕らわれて奴隷商に連れていかれそうになってしまったという。そのまま何日も檻馬車で連れまわされたが、隙を見て脱出しここまで逃げ延びたようだ。
因みになんで抜け出せたかというのは、メルを奴隷商へ移送していた闇ハンターの一人がメルにぐへへな事をしようとしたところを返り討ちにしたらしい。悪人は己の欲に正直だ。
「そんなことが…。」
「かわいそう…。ねぇユウヤ、なんとか助けてあげられないかな?」
確かに俺も何とかしてあげたいが…
「メルは、どうしたいんだ?」
「…私は、里に帰りたい。」
「そうだよな。やっぱ帰りたいよなぁ…」
「でも、何日も馬車で連れまわされたんだよね?もしかしたらすごい遠くまで来ちゃってるかも…」
「そんな…」
俺たちで連れて行って帰そうと思っても、俺自身この辺りの地理はわからないし、情報が少なすぎる。
こうなったら、仕方ないけど…
「…とりあえず、俺たちと一緒にギルドに来てくれないか?」
「え?」
「ギルドなら、何か情報が得られるかもしれない。ただ…」
「ラミアを連れて帰ったら、大騒ぎになっちゃうかもしれないね…」
「……。」
そりゃ不安だろうな。人間に捕まえられてしまって、ここまで逃げてきたんだ。俺たちの事も含め、人間たちをすぐ信じられるわけがない。
「大丈夫、悪い様にはしない。俺たちがさせない。だから、信じてほしい。」
「……。」
「もし騙されたと思ったら、その爪で俺の首を斬り落としてくれ。」
「ユウヤ!?」
「だから…、頼む。」
メルに深く頭を下げて、何とか誠意を見せようとする。
「…わかったわ。一緒に行ってあげる。」
「ありがとう。」
なんとか了承してもらえた。
「でもこの格好だと、街で歩くのは目立つな…。」
「私、ローブ持ってるよ。これで隠せないかな?」
メルは両手が鎖で繋がれていて袖が通せないので、ローブは羽織らせてあげた。これでヘビの身体はなんとか目立たなくなったかな。
俺たちはこのままメルを連れてギルドに戻ることにした。
***
「ね、ねぇ。聞いてもいい?」
森を抜け町に戻る道中、メルが尋ねる。
「どうした?」
「なんで私の事、そんなに信じてくれるの?」
「どういうこと?」
「私、モンスターだよ?ユウヤたちのこと騙して襲うかもしれないよ?」
あまり気に留めていなかったが、もしかしたらそういう事にもなっていたかもしれない。
「まぁ、直感…かな?メルは悪い奴じゃないって、なんとなくそう思った。」
メルが俺たちを騙す気はないと思える点はいくつかあったけど、最終的には本当に直感でしかない。今後別の誰かに騙されることだってあるかもしれない。
「でも泥棒したしなぁ…。ホントは悪い奴だったりしてな?」
「うう…。」
「冗談だよ。」
「んもー!」
そんな冗談も交えながらの会話を通して、メルと次第に打ち解けていった気がした。
「そんなに慌てなくても、取ったりしないよ。」
リーナがなだめるが、それでも貪るようにサンドイッチを喰らうラミア。
やはり空腹には勝てなかったようで、話し合いに応じてくれるそうだ。
「盗んだトマト食ってたんじゃなかったのか?」
「う…それは…。」
まぁあんな未熟なトマト、食べるにはまだ早かっただろうな。
「ちょっとユウヤ、あんまり意地悪言わないの。」
「えぇ…?」
別にそんなつもりは無かったのだが、自分の昼飯を取られた仕返しに思われたのだろうか。
「私…退治されちゃうの?」
不安がるラミア。逃げて生き延びる為とはいえ、盗みを働いてしまった。それもモンスターの仕業ともなればなおさらだ。
「そうならないように、君の話を聞かせてほしいんだ。」
改めて敵意がないことを伝える。
「自己紹介がまだだったな。俺はユウヤ。こっちがリーナ。俺たちはルクスのギルドの冒険者だ」
リーナは微笑みながらラミアに小さく手を振る。
「君は、名前はあるの?」
「…メル。」
「メルっていうのか。君はどうしてハンターに捕まってしまったんだ?」
「…私、もともとラミアの里にいたんだけど―――」
メルの話によると、彼女はおそらくここからずいぶん離れた場所にあるラミアだけが住む森に囲まれた集落に住んでいたそうだ。ラミアたちは人間に見つからないように暮らしているらしい。
ある日メルが集落の近くへ食用に小動物を狩りに出たところ、その日はあまり獲れなかったらしく、集落から離れたところまで行ってしまった。そこを闇ハンターに見つかり、捕らわれて奴隷商に連れていかれそうになってしまったという。そのまま何日も檻馬車で連れまわされたが、隙を見て脱出しここまで逃げ延びたようだ。
因みになんで抜け出せたかというのは、メルを奴隷商へ移送していた闇ハンターの一人がメルにぐへへな事をしようとしたところを返り討ちにしたらしい。悪人は己の欲に正直だ。
「そんなことが…。」
「かわいそう…。ねぇユウヤ、なんとか助けてあげられないかな?」
確かに俺も何とかしてあげたいが…
「メルは、どうしたいんだ?」
「…私は、里に帰りたい。」
「そうだよな。やっぱ帰りたいよなぁ…」
「でも、何日も馬車で連れまわされたんだよね?もしかしたらすごい遠くまで来ちゃってるかも…」
「そんな…」
俺たちで連れて行って帰そうと思っても、俺自身この辺りの地理はわからないし、情報が少なすぎる。
こうなったら、仕方ないけど…
「…とりあえず、俺たちと一緒にギルドに来てくれないか?」
「え?」
「ギルドなら、何か情報が得られるかもしれない。ただ…」
「ラミアを連れて帰ったら、大騒ぎになっちゃうかもしれないね…」
「……。」
そりゃ不安だろうな。人間に捕まえられてしまって、ここまで逃げてきたんだ。俺たちの事も含め、人間たちをすぐ信じられるわけがない。
「大丈夫、悪い様にはしない。俺たちがさせない。だから、信じてほしい。」
「……。」
「もし騙されたと思ったら、その爪で俺の首を斬り落としてくれ。」
「ユウヤ!?」
「だから…、頼む。」
メルに深く頭を下げて、何とか誠意を見せようとする。
「…わかったわ。一緒に行ってあげる。」
「ありがとう。」
なんとか了承してもらえた。
「でもこの格好だと、街で歩くのは目立つな…。」
「私、ローブ持ってるよ。これで隠せないかな?」
メルは両手が鎖で繋がれていて袖が通せないので、ローブは羽織らせてあげた。これでヘビの身体はなんとか目立たなくなったかな。
俺たちはこのままメルを連れてギルドに戻ることにした。
***
「ね、ねぇ。聞いてもいい?」
森を抜け町に戻る道中、メルが尋ねる。
「どうした?」
「なんで私の事、そんなに信じてくれるの?」
「どういうこと?」
「私、モンスターだよ?ユウヤたちのこと騙して襲うかもしれないよ?」
あまり気に留めていなかったが、もしかしたらそういう事にもなっていたかもしれない。
「まぁ、直感…かな?メルは悪い奴じゃないって、なんとなくそう思った。」
メルが俺たちを騙す気はないと思える点はいくつかあったけど、最終的には本当に直感でしかない。今後別の誰かに騙されることだってあるかもしれない。
「でも泥棒したしなぁ…。ホントは悪い奴だったりしてな?」
「うう…。」
「冗談だよ。」
「んもー!」
そんな冗談も交えながらの会話を通して、メルと次第に打ち解けていった気がした。
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