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ゴールデンローズ

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「廻理花。ところでどこのケーキ屋に行く気なんだ?」

「ん?『ゴールデンローズ』よ。あー楽しみだな、縁のお・ご・り」

「な・・・・・・」

 僕が絶句した理由、それは廻理花が言ったゴールデンローズとはケーキ屋なのだが、最も安いケーキが千円と、とても高い高級なケーキ屋なのだよ。

 もちろんその美味しさは値段以上と評判で、体がとろけるような美味しさだ。
 しかし高校生がホイホイと行くようなところではない。財布が死ぬ。

 しかもこのお店は僕たちの住宅街の中にぽつんとあるのだが。昨今のインターネットの普及により、全国からお客が来るほどだ。

 そんな店を人のおごりで堂々と行こうとする廻理花・・・・・・恐ろしい子!

「ゴールデンローズって・・・・・・」

「何よ?まさかプライドだけは高い縁君がこのごに及んで、まさか自分の言ったことを取り消すなんてことはないわよねぇ?」

「うっ・・・・・・」

 まさにしてやったりと言った笑みを浮かべてくる廻理花。最初からこれを狙ってたなぁこいつ。
 まあ放浪者の給料は先払いだから払えないことはないんだけどさぁ。

「今日は平日だから人が少ないだろうしねっ☆」

 楽しそうにスキップしていく廻理花を見て、ああこの幼馴染には一生勝てないなと思った。
 後、語尾に記号ってどうやってんの?








 カランカラン
 扉を開けると備え付けられてたベルが小気味よく鳴った。おしゃれだね。

「いらっしゃいませー・・・・・・って縁?」

「・・・・・・A君?」

 ゴールデンローズに来た僕たちが見たのはお店の制服を着たクラスメイトのA君だった。

「あっ、A君こんにちわー廻理花だよー」

 出たぶりっ子モード。

「あ、こんにちわ。え?橘さん?縁と二人っきりって・・・・・・はっ!」

 おいこらー何かを察するな。そして廻理花も照れるな。
 なんで自体をややこしくするんだ?

 それにしてもうちの学校はバイト禁止のはず。しかもこの店は学校の先生の利用率が結構高い。
 バレル確率が高いここでなぜ?

 そんな僕の視線に気づいたA君が手を横にブンブンと振りながら。

「あ、いや違うぞ。バイトじゃない。ここ俺の親の店なんだ。だから手伝い」

「ああ。そういうこと」

「なるほどねー。それじゃあ店員君。席まで案内してくれますかー?きゃぴっ☆」

「あ、はい。こちらへどうぞ」

 A君が居るから廻理花が常時ぶりっ子モードで正直鬱陶しい。
 音魔法。きゃぴっを耳に届く前に別の音で相殺。うん、これでイイ。

「縁くーん、こっちこっち」

「お兄ちゃーん」

 ん?なにか聞き覚えのある女神と天使の声が奥の方から・・・・・・

「鈴音さん?輪名?どうしてここに・・・・・・」

「エリちゃんに呼ばれたんだー。縁君のお・ご・りだって。ねー輪名ちゃん?」

「ねー」

 廻理花ァーーーーー!なんで二人追加しとんじゃーーー!
 ああ、僕の給料がどんどん擦り減っていく。
 コイツは悪魔だ。
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