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教えてくだせぇ

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「三割⁉しかも永久に力を奪い続けることができるのですか。すごい、すごすぎる。お幾らなのでしょうか?」

「おや?他の剣は見ないのでやすか?」

「はい!これがいいです。これはいい剣だ」

 えー?せっかく沢山用意したんだからもっと見ていってよ。このお店デザインするのも結構苦労したんだぞ?

 もうこのお店の使いみちが観賞用にしかならないじゃないか。

「おい、ラルファよしておけよ。そんなすごい魔剣俺達に買えるわけ無いじゃないか。少なくとも金貨100,いや1000枚はくだらないはずだ」

 おうおうバルスくん。10000枚の価値があるこのベルゼビュートを1000枚なんて値切るねぇ。
 意外と買う気あるのかな?

「でも、」

「お代は結構でございやす」

「ほらエニシ様もこうおっしゃってる・・・・・・え?」

「「は?」」

「様?」

 なんか呼び方がすごいことになってる。
 ラルファはそこまで魔剣に囚われてるのか。狂気的な目だ。

「お代は結構って何を言ってるんだ!これほどの魔剣を売れば一生遊んでいけるんだぞ。何を考えてる?」

 普通ならね。でも僕の一生はほぼ無限だぞ。
 そもそもこの世界の通貨
なんてあっても意味ないし。
 あ、なんの対価も要求しないことが不気味なのか。

「それもそうでやすね。ではこう致しやしょう。あっしの質問に2つ答えていただけやしたらベルゼビュートはお譲り致しやしょう」

「2つだけ?一体何を聞く気なんだ」

 めっさ警戒している。逆にどんな質問すると思っているのか気になる。

「一つ目は勇者様方はどうしてこの森に来たのでやすか?ここにはどんな呪いも解く、癒やしの泉しかありやせんが・・・見たところどなたか呪われてるようには見えやせんよ?しかし癒やしの泉は泉から救って数秒で効果は失われやすし・・・・・・」

 僕が顎に手を置きながらつぶやくと皆の顔がこわばる。
 聖女のリサイアが呪われてるなんてあってはならないことだからね。簡単に言うわけには行かないでしょう。

 もちろん答えは知ってるけど、これはこの後のための伏線ってやつだ。
 ここで嘘とかつかれたら泣いてしまう。
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