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なぜ俺だけがおかしいと感じる?

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「ねー、なんでもいいから早くしろよ。俺説明書読んどくからな」

 そう言ってラルファは細い巻物を広げ始めた。
 そんな物どこから・・・とベルゼビュートを見ると、その柄はパカッと開いていた。

 えっ?そんなとこに説明書入ってんの?ちょっと待って、今レサイアが言ったことが吹っ飛んだ。

 なんでそんな安っぽい仕様になってんの?作ったやつ何考えてんの?え?え?
 俺の目は点になってベルゼビュートの開いた柄に釘付けになった。

「そうか。そこまで言うなら自分は何も言わん」

「ちょっと・・・」

「ええ、では飲みますよ。これって一口くらいでいいのでしょうか」

「あれ・・・・・・」

「さあな。まあ一口飲んで効果がなかったら、また飲めばいいだろうう」

「おい」

「それもそうですね」

 あんれー?あの柄パカッが見えてるのって俺だけなのかなー?そんなナチュラルに会話を続けないで欲しいんですけど。

 あれって俺だけ見えてるわけじゃないよな?違うよねぇ。さっき君たち見てギョッとしてたもんねぇ。どうやったらそんなスルーができるのか教えて欲しいんですけど。

「ゴクリ」

 飲んだな。
 だが俺はまだ魔剣の柄に目が行ってしまうよ。

「どうだ?」

「特には・・・そもそも私の呪いは巫女の力を使うと発動する呪いですから」

「そう言えばそうだったな。確か呪いを解いたりするんだったか」

「私自身の呪いは解けませんけどね」

 ・・・・・・もういい。俺ももう黙ってるからな。ラルファはラルファで何当たり前のように説明書読んでんだよ。憧れの魔剣の柄がパカってなってんだぞ。何らかの反応を示せよ!

 それとも皆ラルファが馬鹿なことにもうツッコム気が失せたのか?
 確かにラルファは馬鹿だけどスルーはひどいんじゃないか?

「呪いか?だったらバルス」

「ん?」

 ブスリ

 えー?なにー?ラルファ君なんで急にベルゼビュートで俺の腕刺してるの?
 さっきから心の中でバカバカ言ってたのが声に出てたか?

 いやそんなはずがないだろう。
 あっ、いかん。力が抜ける。これがベルゼビュートの効果か。
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