シナリオの仰せのままに。

ほっとメロン

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ああ、やっぱり。すべてが自分の思うようにいかない。
今感じるのは冷たい床と寒いが風はない埃っぽい牢屋。でも『自分』が彼女を陥れようとした。まぎれもなく自分が。

自分で自分が許せないとはこういうことなんだろうと。

コツ、コツ、コツ、
足音だけでわかる。彼女だ。陥れたくて、でも傷つけたくなくて、1番大切な人。
何度も聞きなれた足音になぜここに来たのかという疑問。
会いたくて、会いたくない、矛盾ばかりの思考。

「殿下?」
いつもの声で少しだけ安心する

「っは!醜い女が何の用だ。」

「・・・。」

そういうと悲しそうに俯き涙目になる。
見たくない。傷ついた顔なんて見たくない。心が痛くてしょうがない。
思ってもないこの声。世界一憎い自分の声。

「殿下は、この国の民を気遣い、政治は誰よりも勉強をし、現実から逃げることなく常に、自分と向かい合ってきた。」

やめろ。やめろ。俺はそんな人間じゃない。そんな思いと、これから拒絶されるんだろうと思うと死にたくなってくる。

「だから、」

「うるさい!お前の分際で俺に口を出すつもりか!」

「すいませんでした。もうあわないことにしてたのに。」
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