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第五章 ドルトムットの闇
5-23 準備②
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朝になった。
早馬は昨夜のうちにレヴィンの手紙と告発状を持たせて出発している。
マイセンに余計な詮索をされないように、普通に朝食を摂り、フレンダ達に王都行きの準備をさせる。朝食の時間は、まるでお通夜のような雰囲気で、ドルトムット卿が座っていた席にマイセンが着いていた。
もう当主を気取っているのには、レヴィンも流石に呆れてしまった。
レヴィンが冒険者ギルドに行っている間は、ウォルターには屋敷に残ってもらい、捕虜の監視をさせる事にした。
レヴィンは、冒険者ギルドに顔を出して、エイベルとアニータが来るのを待った。今日のレヴィンは、平民服ではなく貴族服を着ている。
九時前になると、エイベルとアニータがやってきた。
レヴィンは、手を振りながら、大声で二人を呼んだ。
「レ、レヴィンくん!?」
二人は、豪華な衣装を身につけたレヴィンに驚いている。
「はい。レヴィンです。すみません。実は貴族で、ドルトムットには視察に来ていたんです。騙したようで申し訳ないです」
「そうなの? いや、そうなのですか?」
「そんなに畏まらなくてもいいですよ。昨日みたいに話してください」
そんな訳にもいかないと言われたが、レヴィンが報酬を払わないと脅すと二人は素直になった。レヴィンは、ギルド内の飲食店で飲み物を頼み、エイベル達と共に空いていた席に座る。
「それで、マイセンについては何か解りましたか?」
「そこまで、踏み込んだ情報はなかったんだけど」
アニータがそう前置きをして話し出した。
「マイセン・フォン・ドルトムット、23歳で神官騎士。ドルトムット卿の先妻との間に生まれた子供で、素行は悪く、街のゴロツキと一緒にいるところをよく目撃されているようね。次期当主と言う立場を利用してわがまま放題で迷惑をこうむった人も多いみたい」
ここで飲み物が運ばれてきた。
三人共に飲み物に口をつけて一息つく。
「自分の騎士団を持っている訳じゃないから、仲の良いゴロツキを組織してマイセン騎士団を名乗っているらしいわ。もちろん、その私設騎士団の素行も最悪よ」
「被害をこうむった人というのは、結構多いんでしょうか?」
「多いと思うわ。誰に聞いても、マイセンの文句が出てくる出てくる。それだけマイセンの悪行は知られていると言う訳ね」
これなら、マイセンの素行については国の調査が入ったらすぐに明るみに出るだろう。
レヴィンが特に工作をする必要はないように思われた。
「神殿との関係は解りましたか?」
「そうね。素行が悪いくせに神殿には熱心に通っているようで、多額の寄付もしているみたい」
「ふむ。そのお金はどこから?」
「懇意にしている商会から出ているようね。その商会も次期当主に投資して御用商人にでもなりたいのかしらね」
「マイセンと神殿の関係について他にありますか?」
「昨日マイセンは、神殿に来ていたようね。誰と会っていたかは解らないけれど……」
ウォルターの調べでは、ドルトムットの神殿トップ、フランケン・ダズムンド司教と会っていたと言う話だ。
流石に、この二人ではそこまで調べられなかったようである。
「解りました。他に何か情報はありますか?」
レヴィンが確認すると、もうないらしく二人共、首を横に振っている。
一応、マイセンも馬鹿ではないだろうから神殿との接触に関しては気をつけているのだろう。正攻法に調べてもボロは出てこないと思われた。
今回、マイセンと神殿の企みを暴けたのもウォルターの能力のお陰である。
「これから王都へ帰って、マイセンを弾劾するつもりなんですが、証言者の一人として、エイベルさんとアニータさんにもご同行頂きたいのです」
レヴィンはそう言うと、二人に破格の報酬を提示した。
その額に驚きを隠せない二人であったが、二人とも身軽な冒険者なので王都への同行はすぐに承諾してくれた。
二人とは、城門で落ち合う約束をして別れた。
冒険者ギルドを出ると、すぐさまドルトムット邸に取って返した。
到着すると、マイセンは出かけていて不在のようであった。
これ幸いと、レヴィンはマイセンの部屋に侵入してみる事にする。
ドルトムット夫人には一応、許可は取った。
堂々と部屋に入るレヴィンとウォルター。
部屋は綺麗でしっかり整頓されている。
使用人がいつも仕事をしているんだから当たり前であるが。
特に目につくものはない。デスクの上にも書類などは置かれていない。マイセンが書類で契約を交わす事などないだろうから想定内ではある。
レヴィンは、探し物と言えば本だろうと書棚を調べている。
ウォルターはデスクを入念に調べている。
レヴィンはそこで予想しなかったものを発見する。
「あった……こんなところにあったのか……」
早速、本の中を確認してみる。
現在、レヴィンの手にあるものは『闇魔法~基礎魔法~』と言う本だ。
フレンダが闇魔法が何なのか解らず苦しいでいた時に、マイセンは蔵書室にこの本があったのを見つけて隠したのだろう。
神官騎士のマイセンが持っていても仕方のないものである。
レヴィンはマイセンのやり口に不快感を露わにする。
他に何かないかと書棚を漁っていると『高位神聖魔法』と言う本も発見した。
神官騎士は神聖魔法Lv5までの魔法を扱う事ができる。
レヴィンは、この二冊の本を頂戴しておくことにした。
他に見るべきところもないので、撤収する事にする。
もっと時間をかけて調べれば、何らかの隠し場所を見つける事もできるかも知れないが仕方がない。
そろそろ、フレンダ達の準備も終わっているはずである。
レヴィンとウォルターはマイセンの部屋を出て表に向かった。
早馬は昨夜のうちにレヴィンの手紙と告発状を持たせて出発している。
マイセンに余計な詮索をされないように、普通に朝食を摂り、フレンダ達に王都行きの準備をさせる。朝食の時間は、まるでお通夜のような雰囲気で、ドルトムット卿が座っていた席にマイセンが着いていた。
もう当主を気取っているのには、レヴィンも流石に呆れてしまった。
レヴィンが冒険者ギルドに行っている間は、ウォルターには屋敷に残ってもらい、捕虜の監視をさせる事にした。
レヴィンは、冒険者ギルドに顔を出して、エイベルとアニータが来るのを待った。今日のレヴィンは、平民服ではなく貴族服を着ている。
九時前になると、エイベルとアニータがやってきた。
レヴィンは、手を振りながら、大声で二人を呼んだ。
「レ、レヴィンくん!?」
二人は、豪華な衣装を身につけたレヴィンに驚いている。
「はい。レヴィンです。すみません。実は貴族で、ドルトムットには視察に来ていたんです。騙したようで申し訳ないです」
「そうなの? いや、そうなのですか?」
「そんなに畏まらなくてもいいですよ。昨日みたいに話してください」
そんな訳にもいかないと言われたが、レヴィンが報酬を払わないと脅すと二人は素直になった。レヴィンは、ギルド内の飲食店で飲み物を頼み、エイベル達と共に空いていた席に座る。
「それで、マイセンについては何か解りましたか?」
「そこまで、踏み込んだ情報はなかったんだけど」
アニータがそう前置きをして話し出した。
「マイセン・フォン・ドルトムット、23歳で神官騎士。ドルトムット卿の先妻との間に生まれた子供で、素行は悪く、街のゴロツキと一緒にいるところをよく目撃されているようね。次期当主と言う立場を利用してわがまま放題で迷惑をこうむった人も多いみたい」
ここで飲み物が運ばれてきた。
三人共に飲み物に口をつけて一息つく。
「自分の騎士団を持っている訳じゃないから、仲の良いゴロツキを組織してマイセン騎士団を名乗っているらしいわ。もちろん、その私設騎士団の素行も最悪よ」
「被害をこうむった人というのは、結構多いんでしょうか?」
「多いと思うわ。誰に聞いても、マイセンの文句が出てくる出てくる。それだけマイセンの悪行は知られていると言う訳ね」
これなら、マイセンの素行については国の調査が入ったらすぐに明るみに出るだろう。
レヴィンが特に工作をする必要はないように思われた。
「神殿との関係は解りましたか?」
「そうね。素行が悪いくせに神殿には熱心に通っているようで、多額の寄付もしているみたい」
「ふむ。そのお金はどこから?」
「懇意にしている商会から出ているようね。その商会も次期当主に投資して御用商人にでもなりたいのかしらね」
「マイセンと神殿の関係について他にありますか?」
「昨日マイセンは、神殿に来ていたようね。誰と会っていたかは解らないけれど……」
ウォルターの調べでは、ドルトムットの神殿トップ、フランケン・ダズムンド司教と会っていたと言う話だ。
流石に、この二人ではそこまで調べられなかったようである。
「解りました。他に何か情報はありますか?」
レヴィンが確認すると、もうないらしく二人共、首を横に振っている。
一応、マイセンも馬鹿ではないだろうから神殿との接触に関しては気をつけているのだろう。正攻法に調べてもボロは出てこないと思われた。
今回、マイセンと神殿の企みを暴けたのもウォルターの能力のお陰である。
「これから王都へ帰って、マイセンを弾劾するつもりなんですが、証言者の一人として、エイベルさんとアニータさんにもご同行頂きたいのです」
レヴィンはそう言うと、二人に破格の報酬を提示した。
その額に驚きを隠せない二人であったが、二人とも身軽な冒険者なので王都への同行はすぐに承諾してくれた。
二人とは、城門で落ち合う約束をして別れた。
冒険者ギルドを出ると、すぐさまドルトムット邸に取って返した。
到着すると、マイセンは出かけていて不在のようであった。
これ幸いと、レヴィンはマイセンの部屋に侵入してみる事にする。
ドルトムット夫人には一応、許可は取った。
堂々と部屋に入るレヴィンとウォルター。
部屋は綺麗でしっかり整頓されている。
使用人がいつも仕事をしているんだから当たり前であるが。
特に目につくものはない。デスクの上にも書類などは置かれていない。マイセンが書類で契約を交わす事などないだろうから想定内ではある。
レヴィンは、探し物と言えば本だろうと書棚を調べている。
ウォルターはデスクを入念に調べている。
レヴィンはそこで予想しなかったものを発見する。
「あった……こんなところにあったのか……」
早速、本の中を確認してみる。
現在、レヴィンの手にあるものは『闇魔法~基礎魔法~』と言う本だ。
フレンダが闇魔法が何なのか解らず苦しいでいた時に、マイセンは蔵書室にこの本があったのを見つけて隠したのだろう。
神官騎士のマイセンが持っていても仕方のないものである。
レヴィンはマイセンのやり口に不快感を露わにする。
他に何かないかと書棚を漁っていると『高位神聖魔法』と言う本も発見した。
神官騎士は神聖魔法Lv5までの魔法を扱う事ができる。
レヴィンは、この二冊の本を頂戴しておくことにした。
他に見るべきところもないので、撤収する事にする。
もっと時間をかけて調べれば、何らかの隠し場所を見つける事もできるかも知れないが仕方がない。
そろそろ、フレンダ達の準備も終わっているはずである。
レヴィンとウォルターはマイセンの部屋を出て表に向かった。
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