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第7話 文化祭 開演
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残暑の和らいだ十月。今日から文化祭、日数は二日間だ。
門や昇降口、廊下に階段も文化祭のためにカラフルな風船や美術部のアート、折り紙などで飾り付けられている。
文化祭に来た人々が校庭の花壇に咲く、パンジーとガーベラを校舎に向かう道すがら楽しそうな笑顔で眺めていく。その光景を、廊下の窓から眺める。
花壇に咲いているパンジーとガーベラは、文化祭を意識して育てた花だ。十月は、文化祭とハロウィンがある為、色もそれに合わせてある。ハロウィンのお祭りを学校ではしないけれど。
(ハロウィンパーティーだったら、合法的に先生に仮装してもらえたのになぁ。衣装を着てもらうのはできなくても、猫や狼のつけ耳はしてくれたかもしれないのに)
先生への願望は増えていくのに、叶わないし、減りもしない。叶えられたとしても卒業後。高校生の間に見たい先生の姿もあるけれど、仕方がない。
ため息をつきながら窓枠に肘をつき、門の近くを眺め、教室から聞こえてくる発声練習の声に耳を傾ける。
クラス演劇の脚本は、学校で完成、締切に間に合い、出来た当日に役決めをした。
出し物決めの時と同じようにそこまで時間はかからず、裏方が行う小道具や大道具のデザインや制作、衣装制作についての話もできたほど。私は裏方の大道具になった。役に立候補せず、最初から裏方になる気だったので良かった。立候補して役をもらえたとしても演じられる気はしない。先生は裏方で、一緒に大道具を作ることに。私も先生も園芸部で重い物をよく持つため抜擢された。小道具係になった生徒も、手先が器用な子が選ばれ、まさに適材適所。
その役割を決めたのも演劇部の子だ。やっぱり私が目指すべきはあの子。先生に対してはいつでも、リードできて笑顔でいてもらえるようにしたい。
役割が決まった翌日からは、役がある生徒は演技の練習、衣装係と道具係は脚本を元にデザインについて話し、制作を始めた。
道具制作は、教室内で行われて床にブルーシートを敷いて作業をした。
裏方として動く先生とは、たくさん話せて大道具作りも楽しく、他の生徒に囲まれて一緒に笑っている先生はやっぱり可愛かった。先生を見つめすぎて、もう木材は切り終えたのにノコギリでずっと空気を切っていた。隣で作業していた子に教えてもらうまでずっと切っていたはず……気をつけよう。
先生はすごく頼られた。他の仕事で忙しいのにちょこちょこ放課後に教室を覗きに来ては重い物を運んだり、相談にのったり。
最初は演劇部の子以外は演じるのもままならなかったようだけれど、部活のある子も帰宅してから個人練習をしたりと意欲的に練習をして、二週間を過ぎたあたりからはメキメキと皆は上手くなっていた。それでも演技を学ぶために教室で映画鑑賞をしたり。裏方の私達は舞台鑑賞をして大小、道具について学んだりと、皆、積極的に学んだ。
窓枠に肘をつくのをやめて、まだ発声練習の声が聞こえる飾り付けされていない教室に戻る。
今の時間は、ダンス部が体育館の舞台で踊る準備をしている時間だ。衣装も道具も体育館の舞台袖に置いておけるけれど、ダンス部も舞台袖を使うためダンス部の舞台が終わる頃に体育館に移動して、準備をすることになっている。発声練習は体育館ではできないし、みんな緊張していて右往左往しながら台本を読み直したりと、落ち着かない。そんな状態でダンス部の舞台を見ても頭に入らないと、その時間を教室での練習にあてようと決まった。
教室でボーッとしていたら主役の子に演技を見てほしいと頼まれたので素人ながらに良い所や悪い所をあげていき、助言ができそうな所は助言していると他の生徒の最終指導をしていた演劇部の子も加わってくれた。
演劇部の子は、有栖に助言する芋虫役を演じる。みんなに助言し、導く姿を見ているとはまり役だと心から思う。
主役の子に一通り出来る助言をし、主役の子が私達にお礼を言い離れていく。演劇部の子も他の生徒の指導は主役の子が最後だったようで段取りを確認するために台本をパラパラと捲っている。
私も最終確認をするために、自分の机の上に置いてある台本を取りに行こうとすると、ちょうど教室のドアが開いた。
「皆さん、お疲れさまです。そろそろ体育館に移動しましょう」
他の生徒と一緒に教室を出て、飾り付けられた廊下を歩き体育館へ向かう。
学校内の廊下は教室内で出し物を出すか否かは関係なく飾り付けられている。私達も教室は飾り付けてはいないけれど、廊下の壁やドアには力を入れて飾り付けた。各クラスで飾り付けのデザインを決めていいので私達は演劇の演目である不思議の国のアリスをテーマに飾り付けた、やっぱり可愛らしい。どんなデザインがいいか相談し合ったときは、時間をあまり取れなかったのにも関わらず案が沢山でた。
廊下の飾りを楽しみながら、みんなを先導する先生の後ろ姿を見つめる。
先生は見回りのためかいつもより動きやすい格好をしていて、白いティーシャツに黒色のビックスウェット、スリムパンツとスニーカーというラフな格好だ。袖が少し大きいから萌え袖になっていて可愛い……!
(ワンピースを着ていたときは婉麗、シャツにスラックスのときは格好良い。今の格好は穏やかでゆったりとした雰囲気で、ふわふわしてる。どの格好の先生も可愛らしいな)
頬を緩ませて目を瞑って歩いていると隣を歩いていた同じ大道具の子に、危ないよ! と廊下の柱にぶつかりそうになるのを腕を引いて、助けてもらった。お礼を言い、クラス演劇楽しみだねと話しをしながらも、最近ポヤポヤし過ぎだなと反省する。このままだと恋にうつつを抜かして、勉学と両立がつかないと先生に思われてしまうかも、気をつけなければ。怪我もしてしまうかもしれないし。階段で今のようになって、転んでしまい骨折、なんてなってしまったら先生との貴重な時間が減ってしまう。
文化祭に集中しようと、隣の子にバレないように気をつけながら数回、頭を小さく左右に振った。
そうこうしている内に体育館が見えてきた。体育館の扉は開け放たれていて、体育館の中には人が沢山。想像していたよりも多い人数に圧倒されながら、上手の舞台袖に向かう。
舞台袖には、裁縫部から借りてきたマネキンに劇で着る衣装を着せて並ばせてある。どの衣装もディテールが細かく、美しい。脚本も大道具を作るときに読み込ませてもらったけれど、テンポもよくて入り込みやすかった。私たち大道具と小道具の作ったものの出来栄えもいいと自信がある。
ダンス部の舞台が終わったあと、一度、舞台の幕を下ろす。そして開演時間までの間に大道具や小道具の確認と設置をし、演じる生徒は衣装に着替える。
体育館に拍手する音が響き渡り、ダンス部の舞台が終わったことを合図していた。
「準備を始めましょう」
先生の言葉に小さな声で私含め生徒達が返事をし、準備に取りかかる。演じる子は衣装に着替えにいき、道具係は集まり設置を始めた。
大道具などの設置に時間がかかるものは舞台の奥側に置いてあり、その手前に幕を下ろして見えないようになっている。舞台は大きく、ゆとりは十二分にある。
幕が下ろされて観客から舞台が見えなくなると大道具の前の幕が上がり、自分たちが作った舞台セットが並んでいた。
「移動させましょう。くれぐれも怪我に気をつけてくださいね」
手際よく移動させ、設置していく。セットが出来上がり舞台に移動させてからは、迅速かつ丁寧に移動させられるように練習した。
「日和先生!」
設置が終わったのを確認し、道具係全員で先生に報告をしに行く。
「お疲れさまです」
先生達と一緒に舞台袖に戻ると、演じる子は衣装に着替え終わっていた。
「皆さん、準備は終わりましたか?」
目の端で皆が頷くのが見えた
「もう四分ほどで開演です。……円陣しますか?」
その言葉に先生を中心に生徒達が集まる。
自然と皆が手を前に出し、先生を見る。
「え、私が円陣をするんですか? 私よりもっと適任が」
先生がいいんですよ! と言う声がたくさん聞こえてきた。
先生は狼狽えながらも手を前に出す。
「……いい劇にしましょう!」
おー! と小さな、それでも力のこもった声が舞台袖に響いた。
舞台袖の時計を見ると、一分後に開演だ。
舞台には立たない生徒たちで、舞台に移動する生徒たちに声をかけていく。今もまだ緊張しているようだけれど、教室にいたときとは違い、晴れやかな表情をしている。
開演のアナウンスが流れ、幕が上がる。
曲が流れ、演劇を始めるクラスメイトを舞台袖から見守る。気付かれないよう、静かに舞台を見守る先生の隣に移動した。
演劇の内容は、大正時代、同じ学校に通う女学生から有栖は、不思議なものがたくさん売っている店があると教えてもらう。有栖は休日にその店に行ってみると、見たこともない物が戸棚に並べられ売られていた。店主を探すうちに店の奥に入り、奥にあった扉を開け、入ったら床がなく落ちてしまう。気がつくと不思議な森に来てしまっていた、という内容だ。タイトルも主人公の名前に合わせて、不思議の国の有栖に変えてある。
劇の中で出てくるものは、大正時代のものに変えており衣装ももちろん、大正時代を意識してある。
(……やっぱり有栖の衣装、可愛いんだよな~! 先生の着ているところ、見たかった! 他の生徒と一緒に先生が着てるところ見てみたいですってお願いしても断られてしまったし)
演じている子には失礼だと分かっているけれど、やっぱり頭の中は先生で一杯になった。でも、まだセットを移動させなければいけない。また頭を数回振り、頬を叩き気を引き締める。
場面が変わるため、セットの後ろで待機していた生徒たちがセットを移動させる。舞台袖に置いてある次のセットの後ろに周り、先生と一緒にセットを持ち、舞台に移動する。演者も一緒に移動するので違和感はあまりない。これで場面が変わった。今までセットの後ろにいた道具係は下手の舞台袖から出て、観客の後ろを回って上手の舞台袖に回る。それを繰り返して舞台のセットを換えていく。
劇が進み、マッドハッターや三月うさぎ、眠り鼠、チェシャ猫、芋虫が出てくる。どのキャラクターの衣装も和と洋を合わせたデザインで、キャラクターの性格が反映されていてとてもあっている。衣装係の生徒達はデザイン画を早めに仕上げていたが、後々聞くと難産だったことが分かった。放課後、学校での準備を終えたあとも衣装係の生徒達だけでファミレスに行き話し合ったり、図書館に行って大正時代の服装についても細かく学んだことを教えてくれた。それだけ力を注いで作られた衣装。キャラクターを演じる生徒達が動くたびに、可愛いねやすごく綺麗、そう褒める小さな声が観客から聞こえてくる。その声に上手にいる衣装係がガッツポーズをして喜び合っているのが見えた。
衣装だけではなく私達、大道具が作ったセットを褒める声も時々、聞こえてくる。
テニスでハートの女王と勝負する展開になり、セットもそれに合うものに換わる。今もセットを褒める声が聞こえてきた。
「先生、褒められましたね」
下手から上手に戻り、舞台袖から劇を目を輝かせて見ている先生にそう耳打ちする。
劇に集中していた先生は肩を跳ね上がらせて驚き、私が耳打ちして真っ赤に染まった耳を手で抑えながら勢いよく振り向いた。
「急に耳打ちしないでください!」
舞台袖は暗いけれど先生の顔も真っ赤に染まっていることがよくわかった。小さな声で怒る先生は今の格好も相まって幼く感じる。
(うぐぅ…………可愛い)
心臓に先生の可愛さの矢が刺さった気がして胸を抑えながら、可愛い……と隠す気がそもそもない心の声が出てしまった。
私の心の声を聞いた先生は、まだ頬を赤く染めながら首を傾げて小さな声で呟く。
「……私のどこが可愛いんだろう……?」
舞台では有栖が打った球を、ハートの女王が勢いよく打ち返していた。打ったときのいい音が体育館に響く。
「どこを可愛いと思うか……? ……話していいですか!」
嬉しさのあまり自分でも目を見開いているのを自覚しながら、先生に詰め寄る。
先生の好きなところや可愛いところを語れる相手はいない、語ったら恋情がバレてしまう。そうなると本人に語るしかない。
「いいです!」
有栖が打ち返した球をハートの女王は打ち返せず、一セットマッチで有栖が六ゲームをとりハートの女王に勝った。
「えー、聞いてくださいよ!」
先生は首を横にブンブン振って、後退る。先生が後退った分、詰め寄ろうとすると舞台ではハートの女王が最後の抵抗とばかりに花札の兵隊を引き連れて逃げようとしている。その足音にハッとして詰め寄るのをやめて、謝罪した。
先生は詰めていた息を吐きだしてから、首を横に振って許してくれた。
謝罪の意を込めて会釈し、舞台に視線を戻す。
舞台では、ハートの女王が今まで花札の兵隊達にしてきた意地悪なことについて頭を下げて謝り、兵隊達と和解しようとしていた。
有栖がハートの女王との勝負に賭けたことは、花札の兵隊達に今までのことを謝ることだった。
兵隊達に謝る女王の姿を王は優しい表情で受け止め、妻の隣に並び一緒に頭を下げて謝っている。兵隊はその姿に狼狽えるけれど、罰もなしに許してしまっては本当は許していないのでは? と思われるかもと話し、一緒に庭の手入れをしましょうと提案する。その言葉に顔を上げ涙ながらに頷く女王とその背中をさすり寄り添い、私も一緒に庭の手入れを、と言う王を有栖は優しい笑顔で見つめる。
いい夫婦にいい兵隊だな、と思う。王が奥さんの兵隊達への意地悪を見て見ぬ振りしていたのはもちろんよくない。だけれど、奥さんは王である夫との子供がなかなかできないことに焦って、その焦りから兵隊達に八つ当たりしていることを夫は知っていて。花札の兵隊達もそれに気づいていた。だから誰も、ハートの女王には何も言わなかった。
不思議な国ではちゃめちゃだけれど、どこか悲しくて優しい、そう感じた。脚本を書いた生徒達がどこまではちゃめちゃにするかで三度、書き直していた。一度目は混沌として、はちゃめちゃが過ぎた。二度目はシリアスでスプラッターになっていた。三度目が今の脚本だ。
熱を持った気持ちがやんわりと包まれて落ち着いていくのと一緒に、表情も緩むのを自覚する。
(憧れるなぁ…………)
有栖が女王達に帰り道がわからないと話すと帰り道を教えると言い、道案内をしてくれる。女王も王も兵隊も花の咲いたような笑顔で有栖を案内する。その後ろをチェシャ猫が口元に手を当てて忍び足でついていく。その姿が面白くてクスッと笑うと先生が私を見ていたのに気がついた。
「どうしたんですか?」
先生はなんでもと言って、視線を舞台に戻す。真っ赤に染まっていた先生の頬と耳は、もうすっかり元に戻っていた。
終わりがちかづく舞台。最後まで演じる生徒達を優しい表情で見守る先生をみて、改めて好きだなぁと思った。
有栖が案内された場所は、大きな樹の根元。女王がその樹に触れると触れた場所を中心に穴があいた。その穴の中は階段になっていて登れるようになっている。
有栖は女王や王、兵隊に挨拶をして樹の中に入り、階段を登っていく。それを見届けた女王達が樹のもとを離れると後ろをついてきていたチェシャ猫が有栖と同じように階段を登っていった。
セットを換え、場面を変える。
有栖は気づくと店の奥の扉の前に立っており、周りを見渡すと先程と格好の違うチェシャ猫がいた。そのことに驚くとチェシャ猫が、あそこに行きたくなったらまたいらっしゃいと言って、不思議な力で店の前に有栖を移動させてしまう。有栖は首を傾げながらも楽しそうな顔をして、軽い足取りで帰路につき、日常に戻っていく。
曲が終わり、暗転。体育館は静寂に包まれる。
数秒が経ち、舞台が明るくなった。
小さな拍手が聞こえ、演じていた生徒達が舞台に集まり、観客からの拍手の音が大きくなっていく。
生徒達は晴れやかな笑顔で、安心している様子だ。私も、大きなミスや怪我などがなくて安心した。
隣にいる先生も安堵した顔をしている。
「無事に終わりましたね」
「はい、良かったです」
拍手の音が小さくなるころ、アナウンスが流れ幕が下りていく。
幕が下り、観客から舞台が見えなくなると生徒達が舞台袖に集まった。
衣装係や道具係も集まり、みんなで自然と感想を言い合う。楽しかったー! や緊張した! と楽しそうな声が舞台袖に響く。皆が笑顔で、温かくて楽しい空間だ。
数分、みんなで感想を言い、お互いを褒め合う。舞台を見てくれた他のクラスの生徒達が舞台袖に来てくれて、細かく褒めてくれた。
衣装のディテールの細かさや、セットの移動。演技や、小道具のデザインなども褒められ、生徒達で喜び合う。
衣装も道具も褒めら、係の生徒も演じていた生徒達も終始、喜色満面でセットを片付けた。
「皆さん、お疲れさまでした!」
舞台袖にお疲れさまー! と生徒達の大きな声が響いた。先生も生徒達も満面の笑顔。私は、先生と一緒に文化祭を回ることで頭が一杯になっていた。
肩を揉んだり、背伸びしたり、どこを回ろうか話す生徒達の流れに逆らい先生に声をかける。
「日和先生」
声をかけると私の顔を数秒見つめ、花ヶ前さんと落ち着いた声で呼ばれた。
「……どこから回りますか?」
一瞬、何を言われたのか理解できなかった。数秒固まり、徐々に理解し、体と一緒に固まっていた表情が緩んでいく。
「……! まずは……」
緩んだ顔のまま、何度もイメージトレーニングして、周到に考えたデートプランを話し始めた。
門や昇降口、廊下に階段も文化祭のためにカラフルな風船や美術部のアート、折り紙などで飾り付けられている。
文化祭に来た人々が校庭の花壇に咲く、パンジーとガーベラを校舎に向かう道すがら楽しそうな笑顔で眺めていく。その光景を、廊下の窓から眺める。
花壇に咲いているパンジーとガーベラは、文化祭を意識して育てた花だ。十月は、文化祭とハロウィンがある為、色もそれに合わせてある。ハロウィンのお祭りを学校ではしないけれど。
(ハロウィンパーティーだったら、合法的に先生に仮装してもらえたのになぁ。衣装を着てもらうのはできなくても、猫や狼のつけ耳はしてくれたかもしれないのに)
先生への願望は増えていくのに、叶わないし、減りもしない。叶えられたとしても卒業後。高校生の間に見たい先生の姿もあるけれど、仕方がない。
ため息をつきながら窓枠に肘をつき、門の近くを眺め、教室から聞こえてくる発声練習の声に耳を傾ける。
クラス演劇の脚本は、学校で完成、締切に間に合い、出来た当日に役決めをした。
出し物決めの時と同じようにそこまで時間はかからず、裏方が行う小道具や大道具のデザインや制作、衣装制作についての話もできたほど。私は裏方の大道具になった。役に立候補せず、最初から裏方になる気だったので良かった。立候補して役をもらえたとしても演じられる気はしない。先生は裏方で、一緒に大道具を作ることに。私も先生も園芸部で重い物をよく持つため抜擢された。小道具係になった生徒も、手先が器用な子が選ばれ、まさに適材適所。
その役割を決めたのも演劇部の子だ。やっぱり私が目指すべきはあの子。先生に対してはいつでも、リードできて笑顔でいてもらえるようにしたい。
役割が決まった翌日からは、役がある生徒は演技の練習、衣装係と道具係は脚本を元にデザインについて話し、制作を始めた。
道具制作は、教室内で行われて床にブルーシートを敷いて作業をした。
裏方として動く先生とは、たくさん話せて大道具作りも楽しく、他の生徒に囲まれて一緒に笑っている先生はやっぱり可愛かった。先生を見つめすぎて、もう木材は切り終えたのにノコギリでずっと空気を切っていた。隣で作業していた子に教えてもらうまでずっと切っていたはず……気をつけよう。
先生はすごく頼られた。他の仕事で忙しいのにちょこちょこ放課後に教室を覗きに来ては重い物を運んだり、相談にのったり。
最初は演劇部の子以外は演じるのもままならなかったようだけれど、部活のある子も帰宅してから個人練習をしたりと意欲的に練習をして、二週間を過ぎたあたりからはメキメキと皆は上手くなっていた。それでも演技を学ぶために教室で映画鑑賞をしたり。裏方の私達は舞台鑑賞をして大小、道具について学んだりと、皆、積極的に学んだ。
窓枠に肘をつくのをやめて、まだ発声練習の声が聞こえる飾り付けされていない教室に戻る。
今の時間は、ダンス部が体育館の舞台で踊る準備をしている時間だ。衣装も道具も体育館の舞台袖に置いておけるけれど、ダンス部も舞台袖を使うためダンス部の舞台が終わる頃に体育館に移動して、準備をすることになっている。発声練習は体育館ではできないし、みんな緊張していて右往左往しながら台本を読み直したりと、落ち着かない。そんな状態でダンス部の舞台を見ても頭に入らないと、その時間を教室での練習にあてようと決まった。
教室でボーッとしていたら主役の子に演技を見てほしいと頼まれたので素人ながらに良い所や悪い所をあげていき、助言ができそうな所は助言していると他の生徒の最終指導をしていた演劇部の子も加わってくれた。
演劇部の子は、有栖に助言する芋虫役を演じる。みんなに助言し、導く姿を見ているとはまり役だと心から思う。
主役の子に一通り出来る助言をし、主役の子が私達にお礼を言い離れていく。演劇部の子も他の生徒の指導は主役の子が最後だったようで段取りを確認するために台本をパラパラと捲っている。
私も最終確認をするために、自分の机の上に置いてある台本を取りに行こうとすると、ちょうど教室のドアが開いた。
「皆さん、お疲れさまです。そろそろ体育館に移動しましょう」
他の生徒と一緒に教室を出て、飾り付けられた廊下を歩き体育館へ向かう。
学校内の廊下は教室内で出し物を出すか否かは関係なく飾り付けられている。私達も教室は飾り付けてはいないけれど、廊下の壁やドアには力を入れて飾り付けた。各クラスで飾り付けのデザインを決めていいので私達は演劇の演目である不思議の国のアリスをテーマに飾り付けた、やっぱり可愛らしい。どんなデザインがいいか相談し合ったときは、時間をあまり取れなかったのにも関わらず案が沢山でた。
廊下の飾りを楽しみながら、みんなを先導する先生の後ろ姿を見つめる。
先生は見回りのためかいつもより動きやすい格好をしていて、白いティーシャツに黒色のビックスウェット、スリムパンツとスニーカーというラフな格好だ。袖が少し大きいから萌え袖になっていて可愛い……!
(ワンピースを着ていたときは婉麗、シャツにスラックスのときは格好良い。今の格好は穏やかでゆったりとした雰囲気で、ふわふわしてる。どの格好の先生も可愛らしいな)
頬を緩ませて目を瞑って歩いていると隣を歩いていた同じ大道具の子に、危ないよ! と廊下の柱にぶつかりそうになるのを腕を引いて、助けてもらった。お礼を言い、クラス演劇楽しみだねと話しをしながらも、最近ポヤポヤし過ぎだなと反省する。このままだと恋にうつつを抜かして、勉学と両立がつかないと先生に思われてしまうかも、気をつけなければ。怪我もしてしまうかもしれないし。階段で今のようになって、転んでしまい骨折、なんてなってしまったら先生との貴重な時間が減ってしまう。
文化祭に集中しようと、隣の子にバレないように気をつけながら数回、頭を小さく左右に振った。
そうこうしている内に体育館が見えてきた。体育館の扉は開け放たれていて、体育館の中には人が沢山。想像していたよりも多い人数に圧倒されながら、上手の舞台袖に向かう。
舞台袖には、裁縫部から借りてきたマネキンに劇で着る衣装を着せて並ばせてある。どの衣装もディテールが細かく、美しい。脚本も大道具を作るときに読み込ませてもらったけれど、テンポもよくて入り込みやすかった。私たち大道具と小道具の作ったものの出来栄えもいいと自信がある。
ダンス部の舞台が終わったあと、一度、舞台の幕を下ろす。そして開演時間までの間に大道具や小道具の確認と設置をし、演じる生徒は衣装に着替える。
体育館に拍手する音が響き渡り、ダンス部の舞台が終わったことを合図していた。
「準備を始めましょう」
先生の言葉に小さな声で私含め生徒達が返事をし、準備に取りかかる。演じる子は衣装に着替えにいき、道具係は集まり設置を始めた。
大道具などの設置に時間がかかるものは舞台の奥側に置いてあり、その手前に幕を下ろして見えないようになっている。舞台は大きく、ゆとりは十二分にある。
幕が下ろされて観客から舞台が見えなくなると大道具の前の幕が上がり、自分たちが作った舞台セットが並んでいた。
「移動させましょう。くれぐれも怪我に気をつけてくださいね」
手際よく移動させ、設置していく。セットが出来上がり舞台に移動させてからは、迅速かつ丁寧に移動させられるように練習した。
「日和先生!」
設置が終わったのを確認し、道具係全員で先生に報告をしに行く。
「お疲れさまです」
先生達と一緒に舞台袖に戻ると、演じる子は衣装に着替え終わっていた。
「皆さん、準備は終わりましたか?」
目の端で皆が頷くのが見えた
「もう四分ほどで開演です。……円陣しますか?」
その言葉に先生を中心に生徒達が集まる。
自然と皆が手を前に出し、先生を見る。
「え、私が円陣をするんですか? 私よりもっと適任が」
先生がいいんですよ! と言う声がたくさん聞こえてきた。
先生は狼狽えながらも手を前に出す。
「……いい劇にしましょう!」
おー! と小さな、それでも力のこもった声が舞台袖に響いた。
舞台袖の時計を見ると、一分後に開演だ。
舞台には立たない生徒たちで、舞台に移動する生徒たちに声をかけていく。今もまだ緊張しているようだけれど、教室にいたときとは違い、晴れやかな表情をしている。
開演のアナウンスが流れ、幕が上がる。
曲が流れ、演劇を始めるクラスメイトを舞台袖から見守る。気付かれないよう、静かに舞台を見守る先生の隣に移動した。
演劇の内容は、大正時代、同じ学校に通う女学生から有栖は、不思議なものがたくさん売っている店があると教えてもらう。有栖は休日にその店に行ってみると、見たこともない物が戸棚に並べられ売られていた。店主を探すうちに店の奥に入り、奥にあった扉を開け、入ったら床がなく落ちてしまう。気がつくと不思議な森に来てしまっていた、という内容だ。タイトルも主人公の名前に合わせて、不思議の国の有栖に変えてある。
劇の中で出てくるものは、大正時代のものに変えており衣装ももちろん、大正時代を意識してある。
(……やっぱり有栖の衣装、可愛いんだよな~! 先生の着ているところ、見たかった! 他の生徒と一緒に先生が着てるところ見てみたいですってお願いしても断られてしまったし)
演じている子には失礼だと分かっているけれど、やっぱり頭の中は先生で一杯になった。でも、まだセットを移動させなければいけない。また頭を数回振り、頬を叩き気を引き締める。
場面が変わるため、セットの後ろで待機していた生徒たちがセットを移動させる。舞台袖に置いてある次のセットの後ろに周り、先生と一緒にセットを持ち、舞台に移動する。演者も一緒に移動するので違和感はあまりない。これで場面が変わった。今までセットの後ろにいた道具係は下手の舞台袖から出て、観客の後ろを回って上手の舞台袖に回る。それを繰り返して舞台のセットを換えていく。
劇が進み、マッドハッターや三月うさぎ、眠り鼠、チェシャ猫、芋虫が出てくる。どのキャラクターの衣装も和と洋を合わせたデザインで、キャラクターの性格が反映されていてとてもあっている。衣装係の生徒達はデザイン画を早めに仕上げていたが、後々聞くと難産だったことが分かった。放課後、学校での準備を終えたあとも衣装係の生徒達だけでファミレスに行き話し合ったり、図書館に行って大正時代の服装についても細かく学んだことを教えてくれた。それだけ力を注いで作られた衣装。キャラクターを演じる生徒達が動くたびに、可愛いねやすごく綺麗、そう褒める小さな声が観客から聞こえてくる。その声に上手にいる衣装係がガッツポーズをして喜び合っているのが見えた。
衣装だけではなく私達、大道具が作ったセットを褒める声も時々、聞こえてくる。
テニスでハートの女王と勝負する展開になり、セットもそれに合うものに換わる。今もセットを褒める声が聞こえてきた。
「先生、褒められましたね」
下手から上手に戻り、舞台袖から劇を目を輝かせて見ている先生にそう耳打ちする。
劇に集中していた先生は肩を跳ね上がらせて驚き、私が耳打ちして真っ赤に染まった耳を手で抑えながら勢いよく振り向いた。
「急に耳打ちしないでください!」
舞台袖は暗いけれど先生の顔も真っ赤に染まっていることがよくわかった。小さな声で怒る先生は今の格好も相まって幼く感じる。
(うぐぅ…………可愛い)
心臓に先生の可愛さの矢が刺さった気がして胸を抑えながら、可愛い……と隠す気がそもそもない心の声が出てしまった。
私の心の声を聞いた先生は、まだ頬を赤く染めながら首を傾げて小さな声で呟く。
「……私のどこが可愛いんだろう……?」
舞台では有栖が打った球を、ハートの女王が勢いよく打ち返していた。打ったときのいい音が体育館に響く。
「どこを可愛いと思うか……? ……話していいですか!」
嬉しさのあまり自分でも目を見開いているのを自覚しながら、先生に詰め寄る。
先生の好きなところや可愛いところを語れる相手はいない、語ったら恋情がバレてしまう。そうなると本人に語るしかない。
「いいです!」
有栖が打ち返した球をハートの女王は打ち返せず、一セットマッチで有栖が六ゲームをとりハートの女王に勝った。
「えー、聞いてくださいよ!」
先生は首を横にブンブン振って、後退る。先生が後退った分、詰め寄ろうとすると舞台ではハートの女王が最後の抵抗とばかりに花札の兵隊を引き連れて逃げようとしている。その足音にハッとして詰め寄るのをやめて、謝罪した。
先生は詰めていた息を吐きだしてから、首を横に振って許してくれた。
謝罪の意を込めて会釈し、舞台に視線を戻す。
舞台では、ハートの女王が今まで花札の兵隊達にしてきた意地悪なことについて頭を下げて謝り、兵隊達と和解しようとしていた。
有栖がハートの女王との勝負に賭けたことは、花札の兵隊達に今までのことを謝ることだった。
兵隊達に謝る女王の姿を王は優しい表情で受け止め、妻の隣に並び一緒に頭を下げて謝っている。兵隊はその姿に狼狽えるけれど、罰もなしに許してしまっては本当は許していないのでは? と思われるかもと話し、一緒に庭の手入れをしましょうと提案する。その言葉に顔を上げ涙ながらに頷く女王とその背中をさすり寄り添い、私も一緒に庭の手入れを、と言う王を有栖は優しい笑顔で見つめる。
いい夫婦にいい兵隊だな、と思う。王が奥さんの兵隊達への意地悪を見て見ぬ振りしていたのはもちろんよくない。だけれど、奥さんは王である夫との子供がなかなかできないことに焦って、その焦りから兵隊達に八つ当たりしていることを夫は知っていて。花札の兵隊達もそれに気づいていた。だから誰も、ハートの女王には何も言わなかった。
不思議な国ではちゃめちゃだけれど、どこか悲しくて優しい、そう感じた。脚本を書いた生徒達がどこまではちゃめちゃにするかで三度、書き直していた。一度目は混沌として、はちゃめちゃが過ぎた。二度目はシリアスでスプラッターになっていた。三度目が今の脚本だ。
熱を持った気持ちがやんわりと包まれて落ち着いていくのと一緒に、表情も緩むのを自覚する。
(憧れるなぁ…………)
有栖が女王達に帰り道がわからないと話すと帰り道を教えると言い、道案内をしてくれる。女王も王も兵隊も花の咲いたような笑顔で有栖を案内する。その後ろをチェシャ猫が口元に手を当てて忍び足でついていく。その姿が面白くてクスッと笑うと先生が私を見ていたのに気がついた。
「どうしたんですか?」
先生はなんでもと言って、視線を舞台に戻す。真っ赤に染まっていた先生の頬と耳は、もうすっかり元に戻っていた。
終わりがちかづく舞台。最後まで演じる生徒達を優しい表情で見守る先生をみて、改めて好きだなぁと思った。
有栖が案内された場所は、大きな樹の根元。女王がその樹に触れると触れた場所を中心に穴があいた。その穴の中は階段になっていて登れるようになっている。
有栖は女王や王、兵隊に挨拶をして樹の中に入り、階段を登っていく。それを見届けた女王達が樹のもとを離れると後ろをついてきていたチェシャ猫が有栖と同じように階段を登っていった。
セットを換え、場面を変える。
有栖は気づくと店の奥の扉の前に立っており、周りを見渡すと先程と格好の違うチェシャ猫がいた。そのことに驚くとチェシャ猫が、あそこに行きたくなったらまたいらっしゃいと言って、不思議な力で店の前に有栖を移動させてしまう。有栖は首を傾げながらも楽しそうな顔をして、軽い足取りで帰路につき、日常に戻っていく。
曲が終わり、暗転。体育館は静寂に包まれる。
数秒が経ち、舞台が明るくなった。
小さな拍手が聞こえ、演じていた生徒達が舞台に集まり、観客からの拍手の音が大きくなっていく。
生徒達は晴れやかな笑顔で、安心している様子だ。私も、大きなミスや怪我などがなくて安心した。
隣にいる先生も安堵した顔をしている。
「無事に終わりましたね」
「はい、良かったです」
拍手の音が小さくなるころ、アナウンスが流れ幕が下りていく。
幕が下り、観客から舞台が見えなくなると生徒達が舞台袖に集まった。
衣装係や道具係も集まり、みんなで自然と感想を言い合う。楽しかったー! や緊張した! と楽しそうな声が舞台袖に響く。皆が笑顔で、温かくて楽しい空間だ。
数分、みんなで感想を言い、お互いを褒め合う。舞台を見てくれた他のクラスの生徒達が舞台袖に来てくれて、細かく褒めてくれた。
衣装のディテールの細かさや、セットの移動。演技や、小道具のデザインなども褒められ、生徒達で喜び合う。
衣装も道具も褒めら、係の生徒も演じていた生徒達も終始、喜色満面でセットを片付けた。
「皆さん、お疲れさまでした!」
舞台袖にお疲れさまー! と生徒達の大きな声が響いた。先生も生徒達も満面の笑顔。私は、先生と一緒に文化祭を回ることで頭が一杯になっていた。
肩を揉んだり、背伸びしたり、どこを回ろうか話す生徒達の流れに逆らい先生に声をかける。
「日和先生」
声をかけると私の顔を数秒見つめ、花ヶ前さんと落ち着いた声で呼ばれた。
「……どこから回りますか?」
一瞬、何を言われたのか理解できなかった。数秒固まり、徐々に理解し、体と一緒に固まっていた表情が緩んでいく。
「……! まずは……」
緩んだ顔のまま、何度もイメージトレーニングして、周到に考えたデートプランを話し始めた。
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