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1話 浮気されたら目の前に三途の川って
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この作品は水場の作品の中で1番異世界転生王道っぽい作品です
(前の作品と雰囲気が違います)
ちょいの間軽く読みたい方、どうぞお入りくだされ
ーーーーーーーーーー
今日はついていない日だった。
満員電車に乗ってみれば事故で止まり、電車を降ろされて歩いて次の駅へ向かうことになった。
這々の体で会社につけば、業績悪化で会社を閉める説明がありひとまず帰された。
会社の状況があまりよさそうだとは思っていなかったが、そんなに切羽詰まっていたとは知らなかった。
もしもの時に次の仕事をどうするかなど、どう妻に言ったものかと考えながら家に帰ると、その妻は別な人間のチンコを突っ込まれていた。
そして今、公園で黄昏ている俺、喜山義幸32歳。
せめてもの救いは子供がいなかったってことだろうか。
「ああ、家に帰りたくねえ。帰りたくねえっていうか金が尽きるまでどこかで引きこもりたい」
日も暮れてきた。
でも家には帰りたくない。
明日からどうするべきなのか。
考えなければいけないのに、動きたくない。
でもそういうわけにもいかないだろうなと、古くからの友人に暫く泊めてもらえるよう、ラインで事情を送信すると、俺の代わりに怒ってる返信が届いてやっと笑うことができた……ところで、身体の異変に気がついた。
答えの出ない問いを、ぐるぐると吐き気がするほど考えていたからよくなかったのか。
指先が細かく震え、急に目の前が暗くなってきた。
ちょっと思い詰めて考え過ぎたな。
少しだけ、少しだけ、寝よう……。そしたらいっぱい愚痴を聞いてもらおう。
スマホを握りしめて目を閉じた俺は『迎えに行く。ついでにどこかで飲もうぜ』『どこにいる?』等の連絡に返信ができなかったことにより、友人達が『自殺してるかもしれん』と大騒ぎになったことを終ぞ知ることはなかった。
☆☆☆
〈ふむ。少し騙されやすいくらいにお人好しで楽天家……いい人材だな。ちょうど女性不信になり現実逃避希望とあれば、連れて行くか。何日かしたら勝手に立ち直ってしまいそうだしな。
連れていく転生者が1人だけというのも不安だったのだ。
何度世界を回しても救われぬあの者をなんとかせねば、御山殿の機嫌が直らぬからなあ。
もう1人の転生者をサポートできるポジションにいる人物で空いているのは……ううむ。魔力値を弄るとストーリーが変わってしまう恐れがあるな。どうするか。
そ、そうだな。少しだけラッキー値を弄って最大に上げておこう。あとはこの者の動きに期待しよう!〉
得体の知れない何かが、喜山の身体からずるりと魂を引き抜いた。
☆☆☆
そんなことがあった後だから、目を開けて意識が戻ったところで、まだ夢見てるのかなと思っても俺は悪くないはずだ。
目の前に、真っ黒に淀んだ川がねっとりゆっくり流れている。
アレだ、原油の黒い水みたいなのだ。
しかもその中からネッシーみたいな何かがこっちに向かって牙をむき出しにしてるんだ。
夢だ。夢に違いない。
仮にあの後、極度の疲労感で脳梗塞とか心臓発作とかで死んでたとしよう。
うん、死にたいとは思ったもんな。
それがさ、この光景。
死後の世界だったとしたらひどすぎるだろう?
俺が何したよ。
三途の河ってお花畑であははうふふな美しい所だったんじゃなかったっけ?
お花畑がよかったなー。
「ミリナ!逃げろ!」
そんな風に黄昏ていた俺を正気に戻したのは、10歳くらいの少年の悲痛な叫び声だった。
見れば俺の近くにいる少女が川に引きずり込まれるところだった。
ああ、そうだ。
俺は彼らに連れて来られたんだった。
生意気でワガママで高飛車な俺を怯えさせようとしていることがわかっていて、逆に意地悪をしてやろうと思ってついてきたんだった。
だって一度、見てみたかったんだよ。
俺と父を引き離した元凶を。
誰も見せてくれない。誰も教えてくれない。
それを見せてくれるって言うんだ。
ついてきちゃうだろ?
俺は少女少女に歩み寄る。
ミリナは俺を見上げ、ついで黒いネッシーもどきを見て絶望の顔をした。
まあ、自分をネッシーに押し付けられるかもぐらいには思ってるかもな。今までの俺の所業を思えばさ。
でも違うんだ。
俺の中で、俺がぐるぐると泣いている。
だから俺は、今にもミリナに喰らいつこうとしているソレを踏みつけると叫んだ。
☆☆☆
(ミリナside)
「お前が俺と父さんを引き離した悪魔だな!俺から父さんを奪っておきながら、まだ俺から何かを奪おうなんてなんて図々しいんだ!絶対に許さない!」
サリス様はそう叫ぶと、私を川から引き上げ兄のいる岸の方に突き飛ばした。
いつも意地悪なサリス様が。
いつもワガママなサリス様が。
泣いていた。
私はその顔を美しいと思って、逃げるのも忘れてぼうっと見上げた。
サリス様はこんなにも美しかっただろうか?
「何をちんたらしてんだよ!さっさと行け!あんなのに俺の奴隷までくれてやる気はないんだからな!」
奴隷。
ああ、そうね。私たちはサリス様にとって奴隷みたいなものかもしれない。
けれど、そんな奴隷みたいなのを背にかばって黒の魔に立ち向かう主人なんていないと思うよ、サリス様。
私たちはサリス様を誤解していたんじゃないかな。
サリス様は寂しかったんだ、と私は今気がついた。
☆☆☆
(ミリナ兄side)
キサラ町にはとても大きなミニマム商会という豪商がある。
サリス様はそこの1人息子として生まれ、それはもうちやほやと持て囃されて育った。
サリス様が生まれるのと同時に母親が体調を崩したことで、他に子は望めないとわかっていたのもあるだろう。
サリス様が物心つく頃になると母親の体調は悪化し、母親に瓜二つのサリス様は、輪を掛けるように大事にされることになった。
結果、サリス様がどうしようもない我が儘息子になったことは紛れも無い事実だ。
そしてサリス様が7歳の時、サリス様の母親が死んだ。
すぐに後妻が子連れでやってきて、サリス様は荒れに荒れた。
連れ子が旦那様の実子だと旦那様自身が口にしたからだ。
それにより、旦那様がサリス様の母が病床にある時から後妻と関係を持っていたということが明らかになり、サリス様は旦那様と距離を置くようになった。
旦那様は申し訳なさからか、サリス様の我が儘を止めることはなくなり、ことさらサリス様は荒れて我が儘になっていったのだ。
そんな時だ。旦那様が隣町に出かけたまま、戻れなくなったのは。
突然黒くなった川のせいで。
この町は大きな川2本に囲まれている。
囲まれているとは言っても、町自体がかなり大きいからこんなことになってしまっても特に不便はない。
不便はないのだが、向こう側との行き来はできなくなってしまった。
川には黒の魔物が住み着いていて、近づくと喰われてしまうから。
そのせいでサリス様は旦那様と離れ離れになり、商会を仕切るようになった後妻とその息子のせいで寂しかったんだなと、今知った。
手紙のやり取りくらいは空輸を使ってできていたが、人を運ぶほどの大きな鳥はいない。
どんなに恋しくても会うことはできないのだから。
そして弟のクリス様は、僕らがサリス様の我が儘に振り回されているところに遭遇すると、かばってはくれるけど、それは彼が特別優しいということではなかった。
キリッとして冷たい印象のサリス様に比べれば、ほわっとした柔らかなクリス様の豊かな表情に和むことはあるけど、彼は学問や武術、身なりも含めて自分を磨くことが好きなお人だ。
身分相応に贅沢も好きだし、僕ら下っ端の使用人と関わることはまずない。
自分にとって利益のある人にしか関わらない人だからな。
だからサリス様と違って、何かを気まぐれに下げ渡して僕らに譲るということも起きない。
まあ、サリス様の無茶振りからかばってもらえれば感謝はするけど。
正直、使用人の評価は分かれている。
旦那様を知っている中堅以上の使用人は皆サリス様寄りで、若い使用人たちはクリス様寄りが多い感じかな。
その、無茶振り大好き我が儘サリス様が妹を背にかばって黒の魔に噛み付かれた。
真っ赤な血をゴポゴポと流して、それなのに、いつもなら小さなすり傷すら痛いと泣きわめくサリス様が、静かに泣いていた。
「何もかもの元凶のこいつを、葬り去ってやりたい。こんな黒い川なんか、無くなってしまえばいいのに!」
悔しそうにそして静かに泣くこの人は、こんなにも綺麗だっただろうか。
思わず見惚れてしまうほどに。
だから、動くのが遅れてしまったんだ。
「くそっ!サリス様!」
伸ばした手は服に触れたのに、僅かに掴む程には届かなかった。
血を流しながら川に飲み込まれたサリス様の周りが、サリス様の流された後の川の色が、黒色からキラキラと輝く澄んだ水へと姿を変えていく。
あまりのことに呆然としていた俺たちは、サリス様の姿をそのまま見失ってしまった。
そこにはただ、3年前に見ていたのと同じ、美しい川の流れが何もなかったかのように悠然と流れているだけだった。
☆☆☆
俺の中の彼があまりにも悲しそうに叫ぶから、思わず捻り上げてしまった。
ネッシーを。
ついでにむっちゃんこ噛まれた。
で、流血止まらず。
う~む。
血を流しすぎてクラクラしていたからなのか、ねっとりとした川の流れが思ったよりも強かったからなのか、そのまま食いつかれたまま俺は流された。
ほんとな!!今日はなんて日、だ、ブクブクガボガババ!!
(前の作品と雰囲気が違います)
ちょいの間軽く読みたい方、どうぞお入りくだされ
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今日はついていない日だった。
満員電車に乗ってみれば事故で止まり、電車を降ろされて歩いて次の駅へ向かうことになった。
這々の体で会社につけば、業績悪化で会社を閉める説明がありひとまず帰された。
会社の状況があまりよさそうだとは思っていなかったが、そんなに切羽詰まっていたとは知らなかった。
もしもの時に次の仕事をどうするかなど、どう妻に言ったものかと考えながら家に帰ると、その妻は別な人間のチンコを突っ込まれていた。
そして今、公園で黄昏ている俺、喜山義幸32歳。
せめてもの救いは子供がいなかったってことだろうか。
「ああ、家に帰りたくねえ。帰りたくねえっていうか金が尽きるまでどこかで引きこもりたい」
日も暮れてきた。
でも家には帰りたくない。
明日からどうするべきなのか。
考えなければいけないのに、動きたくない。
でもそういうわけにもいかないだろうなと、古くからの友人に暫く泊めてもらえるよう、ラインで事情を送信すると、俺の代わりに怒ってる返信が届いてやっと笑うことができた……ところで、身体の異変に気がついた。
答えの出ない問いを、ぐるぐると吐き気がするほど考えていたからよくなかったのか。
指先が細かく震え、急に目の前が暗くなってきた。
ちょっと思い詰めて考え過ぎたな。
少しだけ、少しだけ、寝よう……。そしたらいっぱい愚痴を聞いてもらおう。
スマホを握りしめて目を閉じた俺は『迎えに行く。ついでにどこかで飲もうぜ』『どこにいる?』等の連絡に返信ができなかったことにより、友人達が『自殺してるかもしれん』と大騒ぎになったことを終ぞ知ることはなかった。
☆☆☆
〈ふむ。少し騙されやすいくらいにお人好しで楽天家……いい人材だな。ちょうど女性不信になり現実逃避希望とあれば、連れて行くか。何日かしたら勝手に立ち直ってしまいそうだしな。
連れていく転生者が1人だけというのも不安だったのだ。
何度世界を回しても救われぬあの者をなんとかせねば、御山殿の機嫌が直らぬからなあ。
もう1人の転生者をサポートできるポジションにいる人物で空いているのは……ううむ。魔力値を弄るとストーリーが変わってしまう恐れがあるな。どうするか。
そ、そうだな。少しだけラッキー値を弄って最大に上げておこう。あとはこの者の動きに期待しよう!〉
得体の知れない何かが、喜山の身体からずるりと魂を引き抜いた。
☆☆☆
そんなことがあった後だから、目を開けて意識が戻ったところで、まだ夢見てるのかなと思っても俺は悪くないはずだ。
目の前に、真っ黒に淀んだ川がねっとりゆっくり流れている。
アレだ、原油の黒い水みたいなのだ。
しかもその中からネッシーみたいな何かがこっちに向かって牙をむき出しにしてるんだ。
夢だ。夢に違いない。
仮にあの後、極度の疲労感で脳梗塞とか心臓発作とかで死んでたとしよう。
うん、死にたいとは思ったもんな。
それがさ、この光景。
死後の世界だったとしたらひどすぎるだろう?
俺が何したよ。
三途の河ってお花畑であははうふふな美しい所だったんじゃなかったっけ?
お花畑がよかったなー。
「ミリナ!逃げろ!」
そんな風に黄昏ていた俺を正気に戻したのは、10歳くらいの少年の悲痛な叫び声だった。
見れば俺の近くにいる少女が川に引きずり込まれるところだった。
ああ、そうだ。
俺は彼らに連れて来られたんだった。
生意気でワガママで高飛車な俺を怯えさせようとしていることがわかっていて、逆に意地悪をしてやろうと思ってついてきたんだった。
だって一度、見てみたかったんだよ。
俺と父を引き離した元凶を。
誰も見せてくれない。誰も教えてくれない。
それを見せてくれるって言うんだ。
ついてきちゃうだろ?
俺は少女少女に歩み寄る。
ミリナは俺を見上げ、ついで黒いネッシーもどきを見て絶望の顔をした。
まあ、自分をネッシーに押し付けられるかもぐらいには思ってるかもな。今までの俺の所業を思えばさ。
でも違うんだ。
俺の中で、俺がぐるぐると泣いている。
だから俺は、今にもミリナに喰らいつこうとしているソレを踏みつけると叫んだ。
☆☆☆
(ミリナside)
「お前が俺と父さんを引き離した悪魔だな!俺から父さんを奪っておきながら、まだ俺から何かを奪おうなんてなんて図々しいんだ!絶対に許さない!」
サリス様はそう叫ぶと、私を川から引き上げ兄のいる岸の方に突き飛ばした。
いつも意地悪なサリス様が。
いつもワガママなサリス様が。
泣いていた。
私はその顔を美しいと思って、逃げるのも忘れてぼうっと見上げた。
サリス様はこんなにも美しかっただろうか?
「何をちんたらしてんだよ!さっさと行け!あんなのに俺の奴隷までくれてやる気はないんだからな!」
奴隷。
ああ、そうね。私たちはサリス様にとって奴隷みたいなものかもしれない。
けれど、そんな奴隷みたいなのを背にかばって黒の魔に立ち向かう主人なんていないと思うよ、サリス様。
私たちはサリス様を誤解していたんじゃないかな。
サリス様は寂しかったんだ、と私は今気がついた。
☆☆☆
(ミリナ兄side)
キサラ町にはとても大きなミニマム商会という豪商がある。
サリス様はそこの1人息子として生まれ、それはもうちやほやと持て囃されて育った。
サリス様が生まれるのと同時に母親が体調を崩したことで、他に子は望めないとわかっていたのもあるだろう。
サリス様が物心つく頃になると母親の体調は悪化し、母親に瓜二つのサリス様は、輪を掛けるように大事にされることになった。
結果、サリス様がどうしようもない我が儘息子になったことは紛れも無い事実だ。
そしてサリス様が7歳の時、サリス様の母親が死んだ。
すぐに後妻が子連れでやってきて、サリス様は荒れに荒れた。
連れ子が旦那様の実子だと旦那様自身が口にしたからだ。
それにより、旦那様がサリス様の母が病床にある時から後妻と関係を持っていたということが明らかになり、サリス様は旦那様と距離を置くようになった。
旦那様は申し訳なさからか、サリス様の我が儘を止めることはなくなり、ことさらサリス様は荒れて我が儘になっていったのだ。
そんな時だ。旦那様が隣町に出かけたまま、戻れなくなったのは。
突然黒くなった川のせいで。
この町は大きな川2本に囲まれている。
囲まれているとは言っても、町自体がかなり大きいからこんなことになってしまっても特に不便はない。
不便はないのだが、向こう側との行き来はできなくなってしまった。
川には黒の魔物が住み着いていて、近づくと喰われてしまうから。
そのせいでサリス様は旦那様と離れ離れになり、商会を仕切るようになった後妻とその息子のせいで寂しかったんだなと、今知った。
手紙のやり取りくらいは空輸を使ってできていたが、人を運ぶほどの大きな鳥はいない。
どんなに恋しくても会うことはできないのだから。
そして弟のクリス様は、僕らがサリス様の我が儘に振り回されているところに遭遇すると、かばってはくれるけど、それは彼が特別優しいということではなかった。
キリッとして冷たい印象のサリス様に比べれば、ほわっとした柔らかなクリス様の豊かな表情に和むことはあるけど、彼は学問や武術、身なりも含めて自分を磨くことが好きなお人だ。
身分相応に贅沢も好きだし、僕ら下っ端の使用人と関わることはまずない。
自分にとって利益のある人にしか関わらない人だからな。
だからサリス様と違って、何かを気まぐれに下げ渡して僕らに譲るということも起きない。
まあ、サリス様の無茶振りからかばってもらえれば感謝はするけど。
正直、使用人の評価は分かれている。
旦那様を知っている中堅以上の使用人は皆サリス様寄りで、若い使用人たちはクリス様寄りが多い感じかな。
その、無茶振り大好き我が儘サリス様が妹を背にかばって黒の魔に噛み付かれた。
真っ赤な血をゴポゴポと流して、それなのに、いつもなら小さなすり傷すら痛いと泣きわめくサリス様が、静かに泣いていた。
「何もかもの元凶のこいつを、葬り去ってやりたい。こんな黒い川なんか、無くなってしまえばいいのに!」
悔しそうにそして静かに泣くこの人は、こんなにも綺麗だっただろうか。
思わず見惚れてしまうほどに。
だから、動くのが遅れてしまったんだ。
「くそっ!サリス様!」
伸ばした手は服に触れたのに、僅かに掴む程には届かなかった。
血を流しながら川に飲み込まれたサリス様の周りが、サリス様の流された後の川の色が、黒色からキラキラと輝く澄んだ水へと姿を変えていく。
あまりのことに呆然としていた俺たちは、サリス様の姿をそのまま見失ってしまった。
そこにはただ、3年前に見ていたのと同じ、美しい川の流れが何もなかったかのように悠然と流れているだけだった。
☆☆☆
俺の中の彼があまりにも悲しそうに叫ぶから、思わず捻り上げてしまった。
ネッシーを。
ついでにむっちゃんこ噛まれた。
で、流血止まらず。
う~む。
血を流しすぎてクラクラしていたからなのか、ねっとりとした川の流れが思ったよりも強かったからなのか、そのまま食いつかれたまま俺は流された。
ほんとな!!今日はなんて日、だ、ブクブクガボガババ!!
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