8 / 55
8話 side……
しおりを挟む
サリス様が消えてひと月経った。
その間に橋が直され船が出るようになり、向こう街と繋がった。ミリナ達の言う通りならばサリス様がこの川を浄化したことになる。
急に浄化された川を巡って、役人達が調査をしに多数渡ってきているのだ。
旦那様も帰ってきて、流されたサリス様を探すことになったのだが。
「もうよいのではありませんか?これだけ探して見つからないのです。きっとあの子はもう……」
ジュリア様はそう言っては川の捜索をやめさせようとするのだ。
金がかかるからな。
そして、俺らもはじめて知ったことがある。
「お前達の指導はもうできん。今まではサリスフィーナ様が指導料を払ってくれていたのだ。面倒をみろと言われていたからお前たちを鍛えてやれたのだ。お前達に大金貨を2枚、毎月払えるとは思えんし、この家の他の方がお前達のために施しをするとは思えん」
さらに言えば、無料で今まで通り僕らを世話することによって師匠がジュリア様達に目をつけられると面倒なことにも繋がるから、かわいそうだがそれもできないと。
お仕置きと称して課されていた武術や剣術のしごきが、きちんとした使用人育成の一環だったとは全く知らなかったのだ。
大人になってサリス様の元を去った使用人達がいい仕事を得ることができるのに、そんな理由があったとは思ってもみなかった。
「私達もお針子の練習を先生に断られてしまいました。サリス様の希望する物を作るという名目で教えていただいていたそうです」
街の子供達に僅かばかりでも仕事を与え、技術を身につける機会を与えてくれていたサリス様が居なくなった。
つまり身入りのいい俺らの仕事が無くなったのだ。
「僕はサリス様を探す捜索隊に入ろうと思う。捜索隊に入ればお金ももらえるし、サリス様が帰ってきたらまた仕事がもらえるだろうから」
そういう子供達が毎日川をさらい、森を歩いている。
これほど多くの人が自ら。
実はサリス様はものすごく考えていたのかもしれない。
だってもし何の意味もなく僕らに施しがあったとしたら、旦那様の目の行き届かない中、後妻様はきっとそれを取り上げただろう。
あの方は強欲だからな。
サリス様が僕達をこき使う形で知らず俺らに与えられていたものには後妻様もまず気づかないし、一応は嫡男となっている彼のやることに手を出せなかったに違いない。
あれで案外味方になる使用人は多数いた。
いや、今思えば彼らは気づいていたのだろう。
マリア様がご存命の時からの使用人なのだから。
鳥を使って旦那様と連絡を取っていたのも彼らだ。
サリス様の最も近くにいながら、こんな状況になるまでその真意に気づくこともなかったなんて、俺は……くそっ。
憎めない人ではあったけど、ただのワガママで高飛車なお坊ちゃまだと思っていたのになあ。
一方のクリス様は俺らと接点を持たないから、俺らをこき使ったりはしない。
いつも綺麗で物腰柔らかく遠くにいる貴人だ。見た目もふわりと優しそうな。
いつも眉間にシワを寄せて気難しそうにしているサリス様とは、真逆な雰囲気だ。
けれど害のないクリス様より、俺らをこき使っていたサリス様の方が、何倍も俺らのためになっていたなんて誰が思うだろうか。
「俺達も知らなかったんだ。街の衛兵として身を立てられたのはサリス様のおかげだったなんてな。今思えば、後ろ盾のしっかりしていない俺達の、推薦状を用意してくれたのもサリス様なんだよな」
門を通る時に聞かされて、俺らも気づいた。
字を読み書きできるようになったのだって、サリス様の命令書を読み取るために必須だった。
サリス様の勘気に触れないように、上の使用人達が順に教えてくれていたのを必死で覚えた。
学校に通えない俺たちが文字を読むことができるなんて、普通に考えたらありえないよな。
もしサリス様が帰ってこなかったら?
何の技術も知識も無い俺達。
学校に通う金だってない。
このままだったら大人になった時いったい何の仕事につけるというんだろうか、ということに。
少なくとも推薦状もなく、洗練された技術もなく、他のどこかに奉公に出るような綺麗な仕事は無いのだろうと。
俺は貧乏な平民の出身で、口減らしのためにミニマム商会に奉公に出されたようなものだ。
なぜかサリスフィーナ様は俺を気に入ってくれて側に置きたがった。
俺がここを追い出され仕送りする金を稼げなくなったら、連れ戻されて娼館に売られるということを知っていたのかもしれない。
後妻様の近くでは、少しのミスでも罰を受け追い出される使用人もいたのに、サリスフィーナ様の場所ではそういったことはなかった。
かわりに、師匠たちからのしごきが倍になることはあったけど。
そういえば、サリス様が後妻様の元を追われた人を拾ってくることもあった。
そういう人はサリス様に酷くこき使われていたけど、思い返してみれば彼らは愚痴1つ溢すことがなかった。
1度追われた身でありながらサリス様に大事にされていたら、ジュリア様に目をつけられてもっと大変な目に合わされてたかもしれない。
今ならわかる。
そこそこツライと思ったこともあったはずなのに、今はその辛かった日々もただただ懐かしい。
以前ですら不器用で愛おしいと思うこともあったのだ。
特にうたた寝をしているサリス様は、明るい茶髪がお日様の光を含んで見惚れることもあった。
サリス様に選ばれて側に仕えているのを、誇らしいと思うこともあったのだ。
いろいろ知った今となっては、サリスフィーナ様を悪く思うことなんてもう誰もできないだろう。
なぜだろう。
恋しく思えるんだ。滅多に笑わないサリス様が小さく微笑む姿が浮かぶ。
会いたい。
会いたいよ、サリス様。
もう一度、元気な姿を見せて欲しい。
どうか無事でいて欲しい。
このまま2度と会えないなんて、そんなこと考えられないんだ。
だから俺は今日も森に行く。
俺の手でサリス様を見つけ出すんだ、必ず。
そして、また隣に並びたい、そう、願っている。
ーーーーーーーーーー
攻め様その1
その間に橋が直され船が出るようになり、向こう街と繋がった。ミリナ達の言う通りならばサリス様がこの川を浄化したことになる。
急に浄化された川を巡って、役人達が調査をしに多数渡ってきているのだ。
旦那様も帰ってきて、流されたサリス様を探すことになったのだが。
「もうよいのではありませんか?これだけ探して見つからないのです。きっとあの子はもう……」
ジュリア様はそう言っては川の捜索をやめさせようとするのだ。
金がかかるからな。
そして、俺らもはじめて知ったことがある。
「お前達の指導はもうできん。今まではサリスフィーナ様が指導料を払ってくれていたのだ。面倒をみろと言われていたからお前たちを鍛えてやれたのだ。お前達に大金貨を2枚、毎月払えるとは思えんし、この家の他の方がお前達のために施しをするとは思えん」
さらに言えば、無料で今まで通り僕らを世話することによって師匠がジュリア様達に目をつけられると面倒なことにも繋がるから、かわいそうだがそれもできないと。
お仕置きと称して課されていた武術や剣術のしごきが、きちんとした使用人育成の一環だったとは全く知らなかったのだ。
大人になってサリス様の元を去った使用人達がいい仕事を得ることができるのに、そんな理由があったとは思ってもみなかった。
「私達もお針子の練習を先生に断られてしまいました。サリス様の希望する物を作るという名目で教えていただいていたそうです」
街の子供達に僅かばかりでも仕事を与え、技術を身につける機会を与えてくれていたサリス様が居なくなった。
つまり身入りのいい俺らの仕事が無くなったのだ。
「僕はサリス様を探す捜索隊に入ろうと思う。捜索隊に入ればお金ももらえるし、サリス様が帰ってきたらまた仕事がもらえるだろうから」
そういう子供達が毎日川をさらい、森を歩いている。
これほど多くの人が自ら。
実はサリス様はものすごく考えていたのかもしれない。
だってもし何の意味もなく僕らに施しがあったとしたら、旦那様の目の行き届かない中、後妻様はきっとそれを取り上げただろう。
あの方は強欲だからな。
サリス様が僕達をこき使う形で知らず俺らに与えられていたものには後妻様もまず気づかないし、一応は嫡男となっている彼のやることに手を出せなかったに違いない。
あれで案外味方になる使用人は多数いた。
いや、今思えば彼らは気づいていたのだろう。
マリア様がご存命の時からの使用人なのだから。
鳥を使って旦那様と連絡を取っていたのも彼らだ。
サリス様の最も近くにいながら、こんな状況になるまでその真意に気づくこともなかったなんて、俺は……くそっ。
憎めない人ではあったけど、ただのワガママで高飛車なお坊ちゃまだと思っていたのになあ。
一方のクリス様は俺らと接点を持たないから、俺らをこき使ったりはしない。
いつも綺麗で物腰柔らかく遠くにいる貴人だ。見た目もふわりと優しそうな。
いつも眉間にシワを寄せて気難しそうにしているサリス様とは、真逆な雰囲気だ。
けれど害のないクリス様より、俺らをこき使っていたサリス様の方が、何倍も俺らのためになっていたなんて誰が思うだろうか。
「俺達も知らなかったんだ。街の衛兵として身を立てられたのはサリス様のおかげだったなんてな。今思えば、後ろ盾のしっかりしていない俺達の、推薦状を用意してくれたのもサリス様なんだよな」
門を通る時に聞かされて、俺らも気づいた。
字を読み書きできるようになったのだって、サリス様の命令書を読み取るために必須だった。
サリス様の勘気に触れないように、上の使用人達が順に教えてくれていたのを必死で覚えた。
学校に通えない俺たちが文字を読むことができるなんて、普通に考えたらありえないよな。
もしサリス様が帰ってこなかったら?
何の技術も知識も無い俺達。
学校に通う金だってない。
このままだったら大人になった時いったい何の仕事につけるというんだろうか、ということに。
少なくとも推薦状もなく、洗練された技術もなく、他のどこかに奉公に出るような綺麗な仕事は無いのだろうと。
俺は貧乏な平民の出身で、口減らしのためにミニマム商会に奉公に出されたようなものだ。
なぜかサリスフィーナ様は俺を気に入ってくれて側に置きたがった。
俺がここを追い出され仕送りする金を稼げなくなったら、連れ戻されて娼館に売られるということを知っていたのかもしれない。
後妻様の近くでは、少しのミスでも罰を受け追い出される使用人もいたのに、サリスフィーナ様の場所ではそういったことはなかった。
かわりに、師匠たちからのしごきが倍になることはあったけど。
そういえば、サリス様が後妻様の元を追われた人を拾ってくることもあった。
そういう人はサリス様に酷くこき使われていたけど、思い返してみれば彼らは愚痴1つ溢すことがなかった。
1度追われた身でありながらサリス様に大事にされていたら、ジュリア様に目をつけられてもっと大変な目に合わされてたかもしれない。
今ならわかる。
そこそこツライと思ったこともあったはずなのに、今はその辛かった日々もただただ懐かしい。
以前ですら不器用で愛おしいと思うこともあったのだ。
特にうたた寝をしているサリス様は、明るい茶髪がお日様の光を含んで見惚れることもあった。
サリス様に選ばれて側に仕えているのを、誇らしいと思うこともあったのだ。
いろいろ知った今となっては、サリスフィーナ様を悪く思うことなんてもう誰もできないだろう。
なぜだろう。
恋しく思えるんだ。滅多に笑わないサリス様が小さく微笑む姿が浮かぶ。
会いたい。
会いたいよ、サリス様。
もう一度、元気な姿を見せて欲しい。
どうか無事でいて欲しい。
このまま2度と会えないなんて、そんなこと考えられないんだ。
だから俺は今日も森に行く。
俺の手でサリス様を見つけ出すんだ、必ず。
そして、また隣に並びたい、そう、願っている。
ーーーーーーーーーー
攻め様その1
49
あなたにおすすめの小説
ゲームの世界はどこいった?
水場奨
BL
小さな時から夢に見る、ゲームという世界。
そこで僕はあっという間に消される悪役だったはずなのに、気がついたらちゃんと大人になっていた。
あれ?ゲームの世界、どこいった?
ムーン様でも公開しています
転生したらスパダリに囲われていました……え、違う?
米山のら
BL
王子悠里。苗字のせいで“王子さま”と呼ばれ、距離を置かれてきた、ぼっち新社会人。
ストーカーに追われ、車に轢かれ――気づけば豪奢なベッドで目を覚ましていた。
隣にいたのは、氷の騎士団長であり第二王子でもある、美しきスパダリ。
「愛してるよ、私のユリタン」
そう言って差し出されたのは、彼色の婚約指輪。
“最難関ルート”と恐れられる、甘さと狂気の狭間に立つ騎士団長。
成功すれば溺愛一直線、けれど一歩誤れば廃人コース。
怖いほどの執着と、甘すぎる愛の狭間で――悠里の新しい人生は、いったいどこへ向かうのか?
……え、違う?
コスプレ令息 王子を養う
kozzy
BL
レイヤーとしてそれなりに人気度のあった前世の僕。あるイベント事故で圧死したはずの僕は、何故かファンタジー世界のご令息になっていた。それもたった今断罪され婚約解消されたばかりの!
僕に課された罰はどこかの国からやってきたある亡命貴公子と結婚すること。
けど話を聞いたらワケアリで…
気の毒に…と思えばこりゃ大変。生活能力皆無のこの男…どうすりゃいいの?
なら僕がガンバルしかないでしょ!といっても僕に出来るのなんてコスプレだけだけど?
結婚から始まった訳アリの二人がゆっくり愛情を育むお話です。
無能扱いの聖職者は聖女代理に選ばれました
芳一
BL
無能扱いを受けていた聖職者が、聖女代理として瘴気に塗れた地に赴き諦めたものを色々と取り戻していく話。(あらすじ修正あり)***4話に描写のミスがあったので修正させて頂きました(10月11日)
転生したら嫌われ者No.01のザコキャラだった 〜引き篭もりニートは落ちぶれ王族に転生しました〜
隍沸喰(隍沸かゆ)
BL
引き篭もりニートの俺は大人にも子供にも人気の話題のゲーム『WoRLD oF SHiSUTo』の次回作を遂に手に入れたが、その直後に死亡してしまった。
目覚めたらその世界で最も嫌われ、前世でも嫌われ続けていたあの落ちぶれた元王族《ヴァントリア・オルテイル》になっていた。
同じ檻に入っていた子供を看病したのに殺されかけ、王である兄には冷たくされ…………それでもめげずに頑張ります!
俺を襲ったことで連れて行かれた子供を助けるために、まずは脱獄からだ!
重複投稿:小説家になろう(ムーンライトノベルズ)
注意:
残酷な描写あり
表紙は力不足な自作イラスト
誤字脱字が多いです!
お気に入り・感想ありがとうございます。
皆さんありがとうございました!
BLランキング1位(2021/8/1 20:02)
HOTランキング15位(2021/8/1 20:02)
他サイト日間BLランキング2位(2019/2/21 20:00)
ツンデレ、執着キャラ、おバカ主人公、魔法、主人公嫌われ→愛されです。
いらないと思いますが感想・ファンアート?などのSNSタグは #嫌01 です。私も宣伝や時々描くイラストに使っています。利用していただいて構いません!
寄るな。触るな。近付くな。
きっせつ
BL
ある日、ハースト伯爵家の次男、であるシュネーは前世の記憶を取り戻した。
頭を打って?
病気で生死を彷徨って?
いいえ、でもそれはある意味衝撃な出来事。人の情事を目撃して、衝撃のあまり思い出したのだ。しかも、男と男の情事で…。
見たくもないものを見せられて。その上、シュネーだった筈の今世の自身は情事を見た衝撃で何処かへ行ってしまったのだ。
シュネーは何処かに行ってしまった今世の自身の代わりにシュネーを変態から守りつつ、貴族や騎士がいるフェルメルン王国で生きていく。
しかし問題は山積みで、情事を目撃した事でエリアスという侯爵家嫡男にも目を付けられてしまう。シュネーは今世の自身が帰ってくるまで自身を守りきれるのか。
ーーーーーーーーーーー
初めての投稿です。
結構ノリに任せて書いているのでかなり読み辛いし、分かり辛いかもしれませんがよろしくお願いします。主人公がボーイズでラブするのはかなり先になる予定です。
※ストックが切れ次第緩やかに投稿していきます。
魔王の事情と贄の思惑
みぃ
BL
生まれてからずっと家族に顧みられず、虐げられていたヴィンは六才になると贄として魔族に差し出される。絶望すら感じない諦めの中で、美しい魔王に拾われたことですべてが変わった。両親からは与えられなかったものすべてを魔王とその側近たちから与えられ、魔力の多さで優秀な魔術師に育つ。どこかに、情緒を置き去りにして。
そして、本当に望むものにヴィンが気付いたとき、停滞していたものが動き出す。
とても簡単に言えば、成長した養い子に振り回される魔王の話。
【完結】ダンスパーティーで騎士様と。〜インテリ俺様騎士団長α×ポンコツ元ヤン転生Ω〜
亜沙美多郎
BL
前世で元ヤンキーだった橘茉優(たちばなまひろ)は、異世界に転生して数ヶ月が経っていた。初めこそ戸惑った異世界も、なんとか知り合った人の伝でホテルの料理人(とは言っても雑用係)として働くようになった。
この世界の人はとにかくパーティーが好きだ。どの会場も予約で連日埋まっている。昼でも夜でも誰かしらが綺麗に着飾ってこのホテルへと足を運んでいた。
その日は騎士団員が一般客を招いて行われる、ダンスパーティーという名の婚活パーティーが行われた。
騎士という花型の職業の上、全員αが確約されている。目をぎらつかせた女性がこぞってホテルへと押しかけていた。
中でもリアム・ラミレスという騎士団長は、訪れた女性の殆どが狙っている人気のα様だ。
茉優はリアム様が参加される日に補充員としてホールの手伝いをするよう頼まれた。
転生前はヤンキーだった茉優はまともな敬語も喋れない。
それでもトンチンカンな敬語で接客しながら、なんとか仕事をこなしていた。
リアムという男は一目でどの人物か分かった。そこにだけ人集りができている。
Ωを隠して働いている茉優は、仕事面で迷惑かけないようにとなるべく誰とも関わらずに、黙々と料理やドリンクを運んでいた。しかし、リアムが近寄って来ただけで発情してしまった。
リアムは茉優に『運命の番だ!』と言われ、ホテルの部屋に強引に連れて行かれる。襲われると思っていたが、意外にも茉優が番になると言うまでリアムからは触れてもこなかった。
いよいよ番なった二人はラミレス邸へと移動する。そこで見たのは見知らぬ美しい女性と仲睦まじく過ごすリアムだった。ショックを受けた茉優は塞ぎ込んでしまう。
しかし、その正体はなんとリアムの双子の兄弟だった。パーティーに参加していたのは弟のリアムに扮装した兄のエリアであった。
エリアの正体は公爵家の嫡男であり、後継者だった。侯爵令嬢との縁談を断る為に自分だけの番を探していたのだと言う。
弟のリアムの婚約発表のお茶会で、エリアにも番が出来たと報告しようという話になったが、当日、エリアの目を盗んで侯爵令嬢ベイリーの本性が剥き出しとなる。
お茶会の会場で下民扱いを受けた茉優だったが……。
♡読者様1300over!本当にありがとうございます♡
※独自のオメガバース設定があります。
※予告なく性描写が入ります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる