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1話 刀片帰還編
5.開戦の斬撃と執拗な愛情
しおりを挟む高校三年生、俺は空巻ニバナに告白された。
『3日前から好きでした』
そう告白された。
それは高校二年から三年へあがりクラス替えをした始業式から3日後のことだった
《校舎3階渡り廊下》
空巻ニバナに告白された場所でまさか、空巻ニバナに謝罪することになるとは思わなかった。
あの告白された日、俺は後ろから猛スピードで突っ込んできたゴーカートに引かれて空巻ニバナをふったはいいものの、謝ることが出来なかった。
恐らく今、彼女はそのことを憶えていてその恨み辛みを俺を刺し殺すことで解消するか忘失しようとしているに違いない。
そう思っていた。
が、、
次の瞬間、彼女の口から出た言葉によって俺は動きを止めてしまった。
『気にしないで、私まだ諦めてないから!
この思いをあなたに届けたくて今日という日まで頑張ってきたんだから!海堂さんにつかまってなくて丁度よかったわ!待たなくとも、あなたとデートできるもの!!』
足にバネでも入っているかのような異様な跳躍を瞬時にこなし、
彼女の体は竜巻のように回転し
その手に装備された出刃庖丁は
円形になりながら此方へ挨拶してきた。
出刃庖丁が挨拶…というのは比喩表現のように聞こえるだろうが、
そうではない。
本当にしてきたのだ。
『こんにちワァァアアアア~ニバナちゃんの相棒、鬼刀の呪木面鬼でぇース!』
耳障りな声が回転する出刃庖丁からする。
しかし、驚きたじろいでる暇はない、
すぐそこまで彼女とその刃先は迫ってきている。
俺は停止していた足元を動かした
しかし
その斬撃をかわそうと試みたが
かわせる筈もなく、
仕方なく障壁を展開する
凄まじい金属の打撃音と刃が溢れ、その瞬間に生じた摩擦によって飛散する火花。
障壁の強度がどれほどなのかはわからないが俺には一切傷はつかない…筈だったが、、
斬撃から3秒後、予想を遥かに凌駕する重圧が体にのしかかり俺は地に膝をついた。
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