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第二章 事件、擬人化VS擬人化編
第3話 神に近い軍団
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緑山蘭子が引き起こした事件は、多くの人々……特に鳳来高校の生徒達に大きな影響を与えた。自分達の仲間がまさか、彼女に殺されてしまうなんて。テレビのインタビューに答える彼らは、深い悲しみと、そして、強い怒りに満ちていた。
「彼女の事は、絶対に許さない」と。「彼女は学校で……所謂、「ボッチ」と言いましょうか、いつも一人で過ごしていました。まるで周囲の人から疎まれるように。彼女は……彼女の家は、金持ちなんです。毎朝、専用の車で送り向かいされるくらい。彼女は、正確な事は分かりませんが。たぶん、周りの事を恨んでいたと思います。自分を虐める、周りの事を。彼女は……俺は彼女とあまり話した事はありませんが、いつも何かにイライラしていました。学校の授業を受ける時はもちろん、昼休みの時間を過ごす時も。彼女は自分の席に座り、周りの事を恨めしそうに見てしました。俺は、その視線が嫌いでした。彼女の事、嫌いだったわけじゃないのに。首を絞められているような感じなんです。太い縄で、自分の首をギュッと締められるように。俺は……あの連中と何処で知り合ったのかは分かりませんが、嫌な予感がします。被害に遭った108人はみんな、彼女の事を虐めていた連中でしたし。俺はイジメとかは嫌なので、それとなく止めるように言っていたんですけど。彼らは、俺の話を聞きませんでした」
俺はパソコンの動画を消し、机の椅子から立ち上がって、彼女達の顔を見渡した。彼女達の顔は、複雑だった。
自分達と同じモノフルが、人間……しかも、少女の犯罪に使われている事に。彼女達の顔には、何とも言えない感情、嫌悪に近い感情が浮かんでいた。
俺は、ラミアの顔に視線を戻した。
「ウリナとの約束もあるけど」
の続きは、ラミアが引き継いでくれた。
「彼女の存在は、危険。彼女はモノフルの……秘めた力を使って、自分の復讐を果たそうとしている。今まで溜め込んできた思いを発散するように。彼女はきっと、多くの人を不幸にする」
モノフル達の顔が強ばった。それこそ、雷でも食らったように。モノフル達は互いの目を見合うと、複雑な顔でその目をまた逸らし合った。
「オレは」と、ドンファンが立ち上がる。「良いぜ」
彼女は、楽しげに(ちょっと怖い)に笑った。
「『そいつらがオレらに危害を及ぼす』って言うんなら、そうなる前に」
「待って下さい!」と、ウリナが割り込んだ。「争いは、ダメです!」
彼女は悲しげな目で、俺の顔に視線を移した。
「智様」
「ん?」
「彼女を説得しましょう」
「はっ?」と驚いたのは、ドンファンだった。「説得する?」
ドンファンは呆れ顔で、今の言葉に溜め息をついた。
「寝言なら寝てから言え。そいつらはもう、結構な数を殺っちまっているんだろう? 被害者達が『グースカピー』と寝ている間にさ? そんなに卑怯な連中に」
「できます!」
「やれやれ」
ドンファンは、俺の顔に視線を移した。
「話にならねぇな」
と言った彼女の心境は(悔しいが)、理解できてしまった。気持ち的には、ウリナに味方したかったけれど。既に人を殺めている連中には、普通の説得なんか通じない筈だ。
俺はその現実に震える一方、改めて緑山蘭子の犯行に眉を寄せた。
「俺達が止めるしかないのか?」
の言葉に押し黙るモノフル達。モノフル達は不安な、あるいは真面目な顔で、互いの顔を見合った。
「条件的な事を考えれば」と、ラミアが喋る。「他の『選ばれた人間』を探すよりも……彼らが私達に協力してくれるとは、限らないから」
「確かに」と、俺もうなずいた。「緑山の両親も死んじまっているし。条件的な意味じゃ、『俺と緑山はほとんど同じだ』と言える。仲間の数は、アッチの方が圧倒的に上だけど」
「だから」と、うなずくラミア。「キューブを集める」
ラミアは、俺達の顔を見渡した。
「残りのキューブを。数が同じなら、後は質の問題」
に対して、チャーウェイが素朴な疑問をぶつけた。
「み、みんなで、修行か何かをするって事?」
ラミアは、その質問に「そう」とうなずいた。
「彼らはたぶん、計画の為にずっと訓練してきた筈。すべてのモノフルが、計画を完遂できるように。彼らは言わば、神に近い軍団」
「神に近い軍団……」
チャーウェイの顔が強ばった。
彼女は不安な顔で俺を見、そして、床の上に目を落とした。
「あたし、暴力とか嫌だよぉ」
その言葉には、俺も賛成だった。だから彼女が「う、ううっ」と泣き出した時、その背中を思わず摩ってしまった。
「俺も暴力は、嫌いだ。でも」
俺は、ラミアの顔に視線を移した。
「なぁ、ラミア」
「なに?」
「残りのキューブだけど」
から少し溜め込んで、「できるだけ早めに集めよう」と言った。
彼女は黙って、その言葉にうなずいた。
「彼女の事は、絶対に許さない」と。「彼女は学校で……所謂、「ボッチ」と言いましょうか、いつも一人で過ごしていました。まるで周囲の人から疎まれるように。彼女は……彼女の家は、金持ちなんです。毎朝、専用の車で送り向かいされるくらい。彼女は、正確な事は分かりませんが。たぶん、周りの事を恨んでいたと思います。自分を虐める、周りの事を。彼女は……俺は彼女とあまり話した事はありませんが、いつも何かにイライラしていました。学校の授業を受ける時はもちろん、昼休みの時間を過ごす時も。彼女は自分の席に座り、周りの事を恨めしそうに見てしました。俺は、その視線が嫌いでした。彼女の事、嫌いだったわけじゃないのに。首を絞められているような感じなんです。太い縄で、自分の首をギュッと締められるように。俺は……あの連中と何処で知り合ったのかは分かりませんが、嫌な予感がします。被害に遭った108人はみんな、彼女の事を虐めていた連中でしたし。俺はイジメとかは嫌なので、それとなく止めるように言っていたんですけど。彼らは、俺の話を聞きませんでした」
俺はパソコンの動画を消し、机の椅子から立ち上がって、彼女達の顔を見渡した。彼女達の顔は、複雑だった。
自分達と同じモノフルが、人間……しかも、少女の犯罪に使われている事に。彼女達の顔には、何とも言えない感情、嫌悪に近い感情が浮かんでいた。
俺は、ラミアの顔に視線を戻した。
「ウリナとの約束もあるけど」
の続きは、ラミアが引き継いでくれた。
「彼女の存在は、危険。彼女はモノフルの……秘めた力を使って、自分の復讐を果たそうとしている。今まで溜め込んできた思いを発散するように。彼女はきっと、多くの人を不幸にする」
モノフル達の顔が強ばった。それこそ、雷でも食らったように。モノフル達は互いの目を見合うと、複雑な顔でその目をまた逸らし合った。
「オレは」と、ドンファンが立ち上がる。「良いぜ」
彼女は、楽しげに(ちょっと怖い)に笑った。
「『そいつらがオレらに危害を及ぼす』って言うんなら、そうなる前に」
「待って下さい!」と、ウリナが割り込んだ。「争いは、ダメです!」
彼女は悲しげな目で、俺の顔に視線を移した。
「智様」
「ん?」
「彼女を説得しましょう」
「はっ?」と驚いたのは、ドンファンだった。「説得する?」
ドンファンは呆れ顔で、今の言葉に溜め息をついた。
「寝言なら寝てから言え。そいつらはもう、結構な数を殺っちまっているんだろう? 被害者達が『グースカピー』と寝ている間にさ? そんなに卑怯な連中に」
「できます!」
「やれやれ」
ドンファンは、俺の顔に視線を移した。
「話にならねぇな」
と言った彼女の心境は(悔しいが)、理解できてしまった。気持ち的には、ウリナに味方したかったけれど。既に人を殺めている連中には、普通の説得なんか通じない筈だ。
俺はその現実に震える一方、改めて緑山蘭子の犯行に眉を寄せた。
「俺達が止めるしかないのか?」
の言葉に押し黙るモノフル達。モノフル達は不安な、あるいは真面目な顔で、互いの顔を見合った。
「条件的な事を考えれば」と、ラミアが喋る。「他の『選ばれた人間』を探すよりも……彼らが私達に協力してくれるとは、限らないから」
「確かに」と、俺もうなずいた。「緑山の両親も死んじまっているし。条件的な意味じゃ、『俺と緑山はほとんど同じだ』と言える。仲間の数は、アッチの方が圧倒的に上だけど」
「だから」と、うなずくラミア。「キューブを集める」
ラミアは、俺達の顔を見渡した。
「残りのキューブを。数が同じなら、後は質の問題」
に対して、チャーウェイが素朴な疑問をぶつけた。
「み、みんなで、修行か何かをするって事?」
ラミアは、その質問に「そう」とうなずいた。
「彼らはたぶん、計画の為にずっと訓練してきた筈。すべてのモノフルが、計画を完遂できるように。彼らは言わば、神に近い軍団」
「神に近い軍団……」
チャーウェイの顔が強ばった。
彼女は不安な顔で俺を見、そして、床の上に目を落とした。
「あたし、暴力とか嫌だよぉ」
その言葉には、俺も賛成だった。だから彼女が「う、ううっ」と泣き出した時、その背中を思わず摩ってしまった。
「俺も暴力は、嫌いだ。でも」
俺は、ラミアの顔に視線を移した。
「なぁ、ラミア」
「なに?」
「残りのキューブだけど」
から少し溜め込んで、「できるだけ早めに集めよう」と言った。
彼女は黙って、その言葉にうなずいた。
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