95 / 122
願掛け
しおりを挟む神社の境内で剛は懐の指輪を取り出して、勝色の左の薬指に嵌めてやり、もう一つを自分の薬指に同じように嵌めた。
「この指輪はペアリングといって『一生二人で添い遂げる』意味なのだそうだ。
だからカツ、俺はこのペアリングに誓う。
お前と一生添い遂げる。だから、もう不安に思わず俺を信じてくれ」
そう言って花も綻ぶ勝色の好きな笑顔を見ると、勝色が剛にしがみ付いて泣きだした。
一方、よろず屋の花色の部屋に戻った二人は、いつもの様に膝枕で寛いでいた。柔がおもむろに今まで見につけていた宝飾の全てを外して「お前が捨てろ」と言った。
「なんでそんなにたくさん身に着けていたんだ?」
「まあ『願掛け』だな。思い人に会えるって言われちゃあ、全部買って身に着けた。
だからお前にまた会えた…と思ってる」
(巷の女たちの様なことをしていたのか)
柔の可愛い一面を見つけられたことに喜びを感じた花色が小さな笑みを浮かべた。
「お前、心ん中で『巷の女みてえ』って思ったろ?」
「えっ、思ってないよ」花色がとっさに否定したが「あーー、でもちょっとだけ」と言って微笑んだ。
「やっぱりな、笑いたきゃ笑えよ。それでも俺はお前に会えたから」
柔が照れたような嬉しいような、そんな感情の入り混じった顔をした。
そして、懐から先ほど購入した指輪を取り出した柔が、花色の左の薬指に嵌めた。もちろん自分自身にも。その互いの左手を、いわゆる『恋人繋ぎ』と呼ぶ指の絡ませ方をして、柔が真正面に下から花色を見上げた。
「好きだ、花色。
俺と夫婦になれ、一生大事にするから」
柔の、見たこともないほどの真剣な眼差しだった。
花色のパッチリとした大きな瞳から、ぽとり、ぽとりと大粒の涙が零れ落ちた。
「俺の女はほんと、泣き虫だな」
驚くほど柔らかく呟いて、柔が愛しげに右手で花色の涙を拭ってやりながら、左手の花色の指輪に口付けると、ますます花色の目から涙が溢れた。
「いまは泣くな、なんて言わねえよ。
俺はお前の嬉し泣きは、ずっと見てたいくらい好きなんだ」
とうとう嗚咽を洩らし始めた花色の涙を、柔が何時までも拭っていた。
0
あなたにおすすめの小説
ハンターがマッサージ?で堕とされちゃう話
あずき
BL
【登場人物】ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハンター ライト(17)
???? アル(20)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
後半のキャラ崩壊は許してください;;
身体検査
RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、
選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。
ふたなり治験棟 企画12月31公開
ほたる
BL
ふたなりとして生を受けた柊は、16歳の年に国の義務により、ふたなり治験棟に入所する事になる。
男として育ってきた為、子供を孕み産むふたなりに成り下がりたくないと抗うが…?!
BL 男達の性事情
蔵屋
BL
漁師の仕事は、海や川で魚介類を獲ることである。
漁獲だけでなく、養殖業に携わる漁師もいる。
漁師の仕事は多岐にわたる。
例えば漁船の操縦や漁具の準備や漁獲物の処理等。
陸上での魚の選別や船や漁具の手入れなど、
多彩だ。
漁師の日常は毎日漁に出て魚介類を獲るのが主な業務だ。
漁獲とは海や川で魚介類を獲ること。
養殖の場合は魚介類を育ててから出荷する養殖業もある。
陸上作業の場合は獲った魚の選別、船や漁具の手入れを行うことだ。
漁業の種類と言われる仕事がある。
漁師の仕事だ。
仕事の内容は漁を行う場所や方法によって多様である。
沿岸漁業と言われる比較的に浜から近い漁場で行われ、日帰りが基本。
日本の漁師の多くがこの形態なのだ。
沖合(近海)漁業という仕事もある。
沿岸漁業よりも遠い漁場で行われる。
遠洋漁業は数ヶ月以上漁船で生活することになる。
内水面漁業というのは川や湖で行われる漁業のことだ。
漁師の働き方は、さまざま。
漁業の種類や狙う魚によって異なるのだ。
出漁時間は早朝や深夜に出漁し、市場が開くまでに港に戻り魚の選別を終えるという仕事が日常である。
休日でも釣りをしたり、漁具の手入れをしたりと、海を愛する男達が多い。
個人事業主になれば漁船や漁具を自分で用意し、漁業権などの資格も必要になってくる。
漁師には、豊富な知識と経験が必要だ。
専門知識は魚類の生態や漁場に関する知識、漁法の技術と言えるだろう。
資格は小型船舶操縦士免許、海上特殊無線技士免許、潜水士免許などの資格があれば役に立つ。
漁師の仕事は、自然を相手にする厳しさもあるが大きなやりがいがある。
食の提供は人々の毎日の食卓に新鮮な海の幸を届ける重要な役割を担っているのだ。
地域との連携も必要である。
沿岸漁業では地域社会との結びつきが強く、地元のイベントにも関わってくる。
この物語の主人公は極楽翔太。18歳。
翔太は来年4月から地元で漁師となり働くことが決まっている。
もう一人の主人公は木下英二。28歳。
地元で料理旅館を経営するオーナー。
翔太がアルバイトしている地元のガソリンスタンドで英二と偶然あったのだ。
この物語の始まりである。
この物語はフィクションです。
この物語に出てくる団体名や個人名など同じであってもまったく関係ありません。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
塾の先生を舐めてはいけません(性的な意味で)
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
個別指導塾で講師のアルバイトを始めたが、妙にスキンシップ多めで懐いてくる生徒がいた。
そしてやがてその生徒の行為はエスカレートし、ついに一線を超えてくる――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる