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2-3.
教師として頼りない回答に、仕方ない、と質問すると、レストがそうですねぇ、と思い出すように答えた。
「なんというか、ぼんやりと熱っぽい感じですかね」
「熱?」
首を傾げたフィンリーに、レストはぽん、と手を打って。
「あぁ、快感を得ている時に似ていますね」
「……は……?」
目が点になるフィンリーに、レストは自分の答えに満足がいったのか、細い目を三日月にさせてほほ笑んでいる。
「か……いかん……って」
フィンリーにとっては未知のものだ。何故なら大人になって性別が確定するまで、フィンリー達には性欲というものが存在しないからだ。
そんな自分では理解できないものを感じ取れと言われても、無理がある。絶望を感じかけたフィンリーに、レストは重ねて口を開いた。
「私が研究したかったのも、実は同じなんですよね」
「え……?」
「成人するまで、本当にあなたたち種族は、子孫を残せないのかどうか。せっかくだから、まずは快感が得られる身体なのか確認してみましょう」
急にやる気を出したレストがはきはきと何事か言っているが、フィンリーの頭が追い付かない。何を言っているんだ、こいつは。
研究……?なんの研究だって?
「何を……馬鹿な……」
あとずさったフィンリーに、おや、とレストはいつもの胡散臭い笑みを浮かべた。
「もしかして、恥ずかしい?男の子なのに?」
それは見事に、フィンリーの自尊心を傷つけた。
「……わかった……」
ぐ、と喉を絞って答えると、レストの目がまた嬉しそうに細くなった。こいつ、魔族っていうより狐の獣人って言われた方がしっくりくるんじゃないか。なんて心の中だけで悪態をつく。
「じゃぁ、少しじっとしていてくださいね」
そう言うと、レストの指先がフィンリーの脇腹にそっと触れた。他人の感触にびくりと身体を揺らすが、我慢する。くすぐったいだけの感覚に、笑ってしまいそうになるが、するりとその手がフィンリーの膨らんでいない胸に撫でるように移動する。
それから、レストの人差し指がふにふにと胸の突起を弄った。
「……っ」
やっぱりくすぐったくて、思わず身をよじる。
「あぁ、逃げちゃダメですよ」
そう言うと、レストが身体を寄せてきて、フィンリーの腰に腕を添えると、逃げないように固定する。そのまま胸の先端をすりすりと擦ったり、かりかりと柔く引っ掻いてくる。
くすぐったさに身体を震わせる。
くすぐったいだけで、お腹の下が熱くなんてならない。
「ふふ…っだめだ……せんせ……」
全然ダメそう、と笑いながらゆるく頭をふると、レストはその長身を屈めて、フィンリーの耳をはぷり、と食んだ。
驚いて身体が硬直する。
固まったフィンリーをいいことに、その特徴的な長い舌が耳の縁を舐め上げ、次いで中へと侵入してくる。ダイレクトに響くぴちゃぴちゃとした水音に、フィンリーの頭はパニックになる。
な……何?!なんだこれ……!
その間も、胸の先端を弄る指先は休まない。弄られてピンと立ち上がったそれを摘まんだり弾いたりしている。
あまりにも初めてのことに頭の中が真っ白になっていると、ぞわぞわとした悪寒が背筋を這い上がってくるのを感じる。
「……ふ……っ」
思わず漏れた吐息に、レストが動きを止める。それからぱっと手を離してフィンリーから離れた。
「……ふむ。開発の余地はありそうですね」
開発ってなんだ?と思ったが、解放された安堵感の方が大きい。
「くすぐったいだけです……先生」
むっつりと顔を顰めて訴えると、レストがそうですか、と何故か頷いている。服をきていいという許可が下りたので制服を着なおすと、これからしばらく週二回は放課後この研究室へ来てほしい、とレストに頼まれた。
「くすぐったいだけで、無駄だと思いますけど」
なんて言うフィンリーに、レストは口角を上げたまま答える。
「まぁ、その時は別の方法を探ってみましょう」
本当にこの教師に教えを乞うてよかったのだろうか、なんて若干の不安を覚えつつ、その日はひとまず寮へと帰ったのだった。
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