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【第1章 理不尽賢者ローズマリーの誕生】
【指の骨折れちゃった】
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「糞があああぁぁぁぁ!」
「これでまた魔王様のお怒りを食らうことになるかもしれないぃぃぃ」
「あの珍妙な服のヒュームのせいだあああぁぁぁぁ!」
魔王軍幹部獣人族戦士キャリクスの部下たちは狼狽えていた。極東のリンデンハイムという王国を潰せと命じられ凶暴化したエンシェントドラゴンを手始めに田舎の街に放ったところ魔法使いらしい女に打撃攻撃で脳天を破壊され折角苦労して運んできたのが無駄になってしまったからだ。
「ま、まあ落ち着こう」
「そ、そうだなあの魔法使いは放っておいたら何をやらかすか分からん」
「キャリクス様に一応報告を入れるべきだな」
三人は魔法の水晶でリントの街でまた規格外すぎる威力のファイアボールで森を燃やしているローズマリーを見ていた。すると魔法の水晶を見ていた3人とローズマリーは目が合いファイアボールを放たれ使い魔が殺され敵の情報を手に入れる手段もなくしてしまった。何たる不幸か。3人の獣人族は泣きに泣いた。
「よしこうなったら、腹を決めよう」
「お、おう俺たちはやればできる子だ」
「ヒュームやエルフは情に弱い。そして我々は魔王軍!」
「「「卑怯、卑劣、最低、万々歳!」」」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
昼にローズマリーはエンデュミオンとギルドで昼食をとっていた。
「このギルドの良いところは飯が上手いことくらいだな」
「馬鹿野郎! このリンデンハイム王国一のギルドだぞ」
「で、神速のエンデュミオン君はあたしに神速でぶっ飛ばされたと……」
「そ、その話は蒸し返すんじゃねえよ。生涯にわたる恥だぜ」
「あー早く魔王をぶち殺してお母さんに会いたいな」
「……」
「どうしたんだよ、エンデュミオン」
「いや、お前にも人間的な感情があるんだなと思っただけだ……」
「皮肉か? 売られた喧嘩は買うぜ」
「いや、もう壁に埋まりたくはないからパスだ」
次の日、特別に領主の賓客用の部屋を貸し与えられているローズマリーは惰眠をむさぼっていた。毎日同じ時間に森にファイアボールを撃つこと2週間モンスター達はその時間帯になると森の奥に隠れるようになってしまったのでこうして時間を不定期にしているのだ。ファイアボールで焼き殺すだけもつまらなくなってきたローズマリーはアイシングスピアやライトニングボルト等下級魔法を一通り使ってみたがやはり爽快感に欠けると思い悩んでいた。やはり一体ずつ杖で殴り殺す方が楽しいかもしれない。それか森の奥に入って奴らの巣を焼き払うのもありかもしれない。
そんなことを考えていると領主ケロットの執事が駆け込んできた。
「大賢者様! 大変です。魔王軍を名乗る獣人族に旦那様の他、街の非戦闘員が連れ去られました」
「何かメッセージは?」
「えと……そのですね。珍妙な服のヒュームよ正午に森の前に武器は持たず1人でに来い、とのことです」
「珍妙? だと……」ローズマリーの怒りで窓ガラスが震え、高価そうな壺が台から落ちて割れた。
「私が言っているのではありません、あくまで敵の獣人族が言っているのです」
「あ、そう。じゃあぶち殺しにいってくるわ」
ローズマリーはいつもの特攻服を羽織ると意気揚々と街の南の森の方へ向かった。途中でマグナギアの精鋭だとか言うエンデュミオンやエルフの槍使い、エルフの女剣士も同行すると言って聞かなかったが人質が取られている旨を伝えると肩を落としその場に留まった。
森に到着すると3人の獣人族が姿を現した。1人は象のような顔、もう1人は熊のような顔、最後の1人は鳥のような顔をしていた。あまり強そうじゃないな……。ローズマリーは少し残念な気持ちになった。
「クックック、珍妙な服のヒュームよこれを見るがいい」と鳥獣人が言った。すると鉄の檻に数十人の街の人間たちが閉じ込められていた。
「これでお前は我らに魔法や打撃で攻撃することはできまい、どうだ悔しかろう? お前が1回でも攻撃をしたら皆殺しだ」熊獣人がせせら笑った。
「貴様のせいで折角苦労して捕獲したエンシェントドラゴンが台無しになってしまった。貴様だけは必ず殺す」象獣人が言った。
「「「ではやれ、お前たちよ。日頃の恨みを晴らすのだ」」」と3人の獣人族が叫ぶと数百のモンスターが森から現れた。眼からは殺意が垣間見える。
最初にギガンテスがこん棒でローズマリーをぶっ叩くと一斉にモンスター達の攻撃が始まった。しかし5分経っても、10分経っても攻撃が収まらない……それどころかスタミナが切れたモンスターが肩で息をし始める始末だった。
「おい、お前たち何を手こずっでいるのだ」熊獣人が言うと土煙の中から一切ダメージを受けていないローズマリーの姿があった。
「な、な、な、アホなことがあるか!」
「貴様なにか小細工をしただろう?」3人の獣人族は狼狽し始めた。ローズマリーは静かに近づいていく。ニヤニヤと笑みを浮かべてだ。
「そ、それ以上近づいたら人質を殺すぞ」
「貴様何をした? 何故傷一つついていないのだ」
「冥途の土産に教えてやるよ、お前らが珍妙呼ばわりしたこの特攻服には【通常攻撃無効】のスキルがついているんだよ」
「そして」フッとローズマリーの姿が消えた。
「転移の秘魔法があたしには使えるのさ」そう言うとローズマリーは一瞬で背後を取った。そして3人の獣人族の顔面を殴りつけ倒してしまった。それを見た人質たちは歓声をあげた。
そしてこっそりと逃げようとしていた数百のモンスターにファイアボールを当て蒸発させてしまった。気絶している獣人族3人は拘束してギルドに送るつもりだったが、突然軽いプレッシャーのようなものをローズマリーは感じその場から身を引いた。数秒遅れで立っていた地面に大きな爪痕ができた。
「我が名はキャリクス魔王軍幹部なり。我が部下をよくも……許さん」獅子の顔をした獣人は怒りで吼えた。こいつとなら楽しく殴り合いができそうだ。ローズマリーは一発軽いパンチをお見舞いした。それを相手の獣人族は見事に手の平で受け止めた。
「フハハハハ、流石はエンシェントドラゴンを倒した猛者。今日は我が名において戦いはこれまでとする。だがいつか貴様を倒す」そう言うと獣人たちは飛空船に乗り、さっさと帰ってしまった。飛空船にファイアボールを放とうと思ったローズマリーだったが、あのキャリクスと言った獣人族なら楽しい喧嘩ができそうだと思いやめておいた。
その数分後飛空船で目を覚ました獣人族3人は事の次第を主から聞いた。部下たちは感激していた。やはり自分たちの仕えている主は強いと褒め称えた。だがキャリクスは心の中で思っていた。軽いパンチで中指の骨折れちゃったんですけど……。
「これでまた魔王様のお怒りを食らうことになるかもしれないぃぃぃ」
「あの珍妙な服のヒュームのせいだあああぁぁぁぁ!」
魔王軍幹部獣人族戦士キャリクスの部下たちは狼狽えていた。極東のリンデンハイムという王国を潰せと命じられ凶暴化したエンシェントドラゴンを手始めに田舎の街に放ったところ魔法使いらしい女に打撃攻撃で脳天を破壊され折角苦労して運んできたのが無駄になってしまったからだ。
「ま、まあ落ち着こう」
「そ、そうだなあの魔法使いは放っておいたら何をやらかすか分からん」
「キャリクス様に一応報告を入れるべきだな」
三人は魔法の水晶でリントの街でまた規格外すぎる威力のファイアボールで森を燃やしているローズマリーを見ていた。すると魔法の水晶を見ていた3人とローズマリーは目が合いファイアボールを放たれ使い魔が殺され敵の情報を手に入れる手段もなくしてしまった。何たる不幸か。3人の獣人族は泣きに泣いた。
「よしこうなったら、腹を決めよう」
「お、おう俺たちはやればできる子だ」
「ヒュームやエルフは情に弱い。そして我々は魔王軍!」
「「「卑怯、卑劣、最低、万々歳!」」」
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昼にローズマリーはエンデュミオンとギルドで昼食をとっていた。
「このギルドの良いところは飯が上手いことくらいだな」
「馬鹿野郎! このリンデンハイム王国一のギルドだぞ」
「で、神速のエンデュミオン君はあたしに神速でぶっ飛ばされたと……」
「そ、その話は蒸し返すんじゃねえよ。生涯にわたる恥だぜ」
「あー早く魔王をぶち殺してお母さんに会いたいな」
「……」
「どうしたんだよ、エンデュミオン」
「いや、お前にも人間的な感情があるんだなと思っただけだ……」
「皮肉か? 売られた喧嘩は買うぜ」
「いや、もう壁に埋まりたくはないからパスだ」
次の日、特別に領主の賓客用の部屋を貸し与えられているローズマリーは惰眠をむさぼっていた。毎日同じ時間に森にファイアボールを撃つこと2週間モンスター達はその時間帯になると森の奥に隠れるようになってしまったのでこうして時間を不定期にしているのだ。ファイアボールで焼き殺すだけもつまらなくなってきたローズマリーはアイシングスピアやライトニングボルト等下級魔法を一通り使ってみたがやはり爽快感に欠けると思い悩んでいた。やはり一体ずつ杖で殴り殺す方が楽しいかもしれない。それか森の奥に入って奴らの巣を焼き払うのもありかもしれない。
そんなことを考えていると領主ケロットの執事が駆け込んできた。
「大賢者様! 大変です。魔王軍を名乗る獣人族に旦那様の他、街の非戦闘員が連れ去られました」
「何かメッセージは?」
「えと……そのですね。珍妙な服のヒュームよ正午に森の前に武器は持たず1人でに来い、とのことです」
「珍妙? だと……」ローズマリーの怒りで窓ガラスが震え、高価そうな壺が台から落ちて割れた。
「私が言っているのではありません、あくまで敵の獣人族が言っているのです」
「あ、そう。じゃあぶち殺しにいってくるわ」
ローズマリーはいつもの特攻服を羽織ると意気揚々と街の南の森の方へ向かった。途中でマグナギアの精鋭だとか言うエンデュミオンやエルフの槍使い、エルフの女剣士も同行すると言って聞かなかったが人質が取られている旨を伝えると肩を落としその場に留まった。
森に到着すると3人の獣人族が姿を現した。1人は象のような顔、もう1人は熊のような顔、最後の1人は鳥のような顔をしていた。あまり強そうじゃないな……。ローズマリーは少し残念な気持ちになった。
「クックック、珍妙な服のヒュームよこれを見るがいい」と鳥獣人が言った。すると鉄の檻に数十人の街の人間たちが閉じ込められていた。
「これでお前は我らに魔法や打撃で攻撃することはできまい、どうだ悔しかろう? お前が1回でも攻撃をしたら皆殺しだ」熊獣人がせせら笑った。
「貴様のせいで折角苦労して捕獲したエンシェントドラゴンが台無しになってしまった。貴様だけは必ず殺す」象獣人が言った。
「「「ではやれ、お前たちよ。日頃の恨みを晴らすのだ」」」と3人の獣人族が叫ぶと数百のモンスターが森から現れた。眼からは殺意が垣間見える。
最初にギガンテスがこん棒でローズマリーをぶっ叩くと一斉にモンスター達の攻撃が始まった。しかし5分経っても、10分経っても攻撃が収まらない……それどころかスタミナが切れたモンスターが肩で息をし始める始末だった。
「おい、お前たち何を手こずっでいるのだ」熊獣人が言うと土煙の中から一切ダメージを受けていないローズマリーの姿があった。
「な、な、な、アホなことがあるか!」
「貴様なにか小細工をしただろう?」3人の獣人族は狼狽し始めた。ローズマリーは静かに近づいていく。ニヤニヤと笑みを浮かべてだ。
「そ、それ以上近づいたら人質を殺すぞ」
「貴様何をした? 何故傷一つついていないのだ」
「冥途の土産に教えてやるよ、お前らが珍妙呼ばわりしたこの特攻服には【通常攻撃無効】のスキルがついているんだよ」
「そして」フッとローズマリーの姿が消えた。
「転移の秘魔法があたしには使えるのさ」そう言うとローズマリーは一瞬で背後を取った。そして3人の獣人族の顔面を殴りつけ倒してしまった。それを見た人質たちは歓声をあげた。
そしてこっそりと逃げようとしていた数百のモンスターにファイアボールを当て蒸発させてしまった。気絶している獣人族3人は拘束してギルドに送るつもりだったが、突然軽いプレッシャーのようなものをローズマリーは感じその場から身を引いた。数秒遅れで立っていた地面に大きな爪痕ができた。
「我が名はキャリクス魔王軍幹部なり。我が部下をよくも……許さん」獅子の顔をした獣人は怒りで吼えた。こいつとなら楽しく殴り合いができそうだ。ローズマリーは一発軽いパンチをお見舞いした。それを相手の獣人族は見事に手の平で受け止めた。
「フハハハハ、流石はエンシェントドラゴンを倒した猛者。今日は我が名において戦いはこれまでとする。だがいつか貴様を倒す」そう言うと獣人たちは飛空船に乗り、さっさと帰ってしまった。飛空船にファイアボールを放とうと思ったローズマリーだったが、あのキャリクスと言った獣人族なら楽しい喧嘩ができそうだと思いやめておいた。
その数分後飛空船で目を覚ました獣人族3人は事の次第を主から聞いた。部下たちは感激していた。やはり自分たちの仕えている主は強いと褒め称えた。だがキャリクスは心の中で思っていた。軽いパンチで中指の骨折れちゃったんですけど……。
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