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【第2章 理不尽賢者ローズマリーとリガイア共和国】
【理不尽賢者とケンカ祭りⅤ】
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セレーナが目を覚ますと隣にいる筈のローズマリーが消えていなくなっていた。交代制で番をしていたエンデュミオンとルーンベルトに問いただした。
「2人ともローズマリーは何処?」
「えっ俺たちはちゃんと見張りをしてたぜ。なあルーン?」
「【探知阻害】でも使わない限り……まさか!」
「そうよ! そのまさかよ! さっき起きたら姿かたちが無いのよ。あのバカ賢者!」
セレーナが激おこしているとは露知らずローズマリーは夜行性のモンスター達から珍しい物を盗みまくっていた。中には何処で拾ったのかアダマンタイトの鉱石を持っているモンスターもいた。他にはゴブリン秘伝の火酒を隠し持っている奴もいた。このゴブリンの火酒は酒飲みの間ではまことしやかに囁かれる美酒なのだそうだ。エンデュミオンが喜びそうだ。
まさに泥棒の如く否泥棒賢者はせっせと大きな袋に盗んだものを入れていった。ナイトメアデュラハンからレアアイテム『デュラハンの鎧』を剥ぎ取っているところに「きゃあ!」という悲鳴が聞こえた。目を覚ましたモンスターが少なからずいる。ローズマリーは声のする方向へ走っていった。途中踏まれたモンスターはほぼ大半が絶命した。
「きゃあ! 何するのよ。このオークが!」セレーナは例のオークのチャンピオンに片足を捕まれ空中でバタバタしていた。剣を振るうも届かずもがいていた。
「美味そうなエルフの女だ、しかも若い。肉が柔らかそうだ!」
「俺にも分けてくれ、おかしら!」
「今日の晩飯にとっておく、ほらぁ、さっさと縄を準備しろ」
「そいつを俺たちによこせ!」ゴブリンのチャンピオンが叫んだ。
手には魔鉄製の刃こぼれした大剣を持っている。
「じゃあ決闘で勝ったらそいつを貰う」
「ゴブリンごときが粋がるなよ」
「ただ大きいだけが取り柄ののろまなオークに言われたくねえ」
セレーナがオークに捕まって少し経つ頃、ローズマリーはエンデュミオン達と合流した。
「セレーナは?」
「お前が1人でどこかに行ったって言って昨日のオーク共の偵察した木の上に行くって言ってたぞ」
「奴らも眠ってるところだから心配ないと思ったのだが……見つかったか?」
「何! じゃあさっきの叫び声はセレーナなの⁉」
「助けにかねば!」
2人は覚悟を決めたというように立ち上がった。ローズマリーは盗んできた大きな袋をキャンプに置くと盗賊王のスキル【探知阻害】を使って2人を連れてオークの群れを目指した。
「2人ともいたよ。セレーナが縄で縛られてる」
「普段から慎重にとかぬかしてやがった癖にあっさり捕まっちうなんて」エンデュミオンは恋人が心配で頭を抱えた。
「相棒よ、大丈夫だ。こちらには転移の秘魔法が使える味方がいるのだから」
「ごめん、今回は転移は使えない」
「何でだよ?」
「敵がセレーナの回りに密集しすぎていて転移先が見つからない。もし転移先に何か存在すると融合して原初の炎の魔法みたいな国を亡ぼすくらいの大爆発が起きるんだよ」
「畜生、打つ手なしかよ」
「いやあたしに良い考えがある」
3人は作戦の打ち合わせをすると各々配置についた。あたしが招いた結果だし、ダチ公は必ず助けて見せる。ローズマリーは決意を新たにした。エンデュミオン達には魔法の鈴を渡しておいた。
「2人ともローズマリーは何処?」
「えっ俺たちはちゃんと見張りをしてたぜ。なあルーン?」
「【探知阻害】でも使わない限り……まさか!」
「そうよ! そのまさかよ! さっき起きたら姿かたちが無いのよ。あのバカ賢者!」
セレーナが激おこしているとは露知らずローズマリーは夜行性のモンスター達から珍しい物を盗みまくっていた。中には何処で拾ったのかアダマンタイトの鉱石を持っているモンスターもいた。他にはゴブリン秘伝の火酒を隠し持っている奴もいた。このゴブリンの火酒は酒飲みの間ではまことしやかに囁かれる美酒なのだそうだ。エンデュミオンが喜びそうだ。
まさに泥棒の如く否泥棒賢者はせっせと大きな袋に盗んだものを入れていった。ナイトメアデュラハンからレアアイテム『デュラハンの鎧』を剥ぎ取っているところに「きゃあ!」という悲鳴が聞こえた。目を覚ましたモンスターが少なからずいる。ローズマリーは声のする方向へ走っていった。途中踏まれたモンスターはほぼ大半が絶命した。
「きゃあ! 何するのよ。このオークが!」セレーナは例のオークのチャンピオンに片足を捕まれ空中でバタバタしていた。剣を振るうも届かずもがいていた。
「美味そうなエルフの女だ、しかも若い。肉が柔らかそうだ!」
「俺にも分けてくれ、おかしら!」
「今日の晩飯にとっておく、ほらぁ、さっさと縄を準備しろ」
「そいつを俺たちによこせ!」ゴブリンのチャンピオンが叫んだ。
手には魔鉄製の刃こぼれした大剣を持っている。
「じゃあ決闘で勝ったらそいつを貰う」
「ゴブリンごときが粋がるなよ」
「ただ大きいだけが取り柄ののろまなオークに言われたくねえ」
セレーナがオークに捕まって少し経つ頃、ローズマリーはエンデュミオン達と合流した。
「セレーナは?」
「お前が1人でどこかに行ったって言って昨日のオーク共の偵察した木の上に行くって言ってたぞ」
「奴らも眠ってるところだから心配ないと思ったのだが……見つかったか?」
「何! じゃあさっきの叫び声はセレーナなの⁉」
「助けにかねば!」
2人は覚悟を決めたというように立ち上がった。ローズマリーは盗んできた大きな袋をキャンプに置くと盗賊王のスキル【探知阻害】を使って2人を連れてオークの群れを目指した。
「2人ともいたよ。セレーナが縄で縛られてる」
「普段から慎重にとかぬかしてやがった癖にあっさり捕まっちうなんて」エンデュミオンは恋人が心配で頭を抱えた。
「相棒よ、大丈夫だ。こちらには転移の秘魔法が使える味方がいるのだから」
「ごめん、今回は転移は使えない」
「何でだよ?」
「敵がセレーナの回りに密集しすぎていて転移先が見つからない。もし転移先に何か存在すると融合して原初の炎の魔法みたいな国を亡ぼすくらいの大爆発が起きるんだよ」
「畜生、打つ手なしかよ」
「いやあたしに良い考えがある」
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