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【第2章 理不尽賢者ローズマリーとリガイア共和国】
【理不尽賢者とケンカ祭りⅧ】
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「じゃあ、お前が結界を張ってたからこのキャンプにはあまりモンスターが寄らなかったのか?」エンデュミオンに他2名が驚く。
「ノバクの図書館で調べたのをうろ覚えでやったから完璧じゃないけどな」頭をかきながらローズマリーがまるで勉強をしてこなかったことを怒られる生徒のように身をすくめる。
「ホントに、ローズマリー、あなた天然の天才よ」セレーナが褒めちぎる。
「ふっ、魔術結界師が泣いて喜ぶ魔法陣をしいたと見た。そうでなかったら何万ものモンスターに蹂躙されていただろう」
「そうなのか? じゃああたしが天才ってことか!」
ローズマリーこと時計坂桜は元の世界の女暴走族の総長兼特攻隊長だった頃でも、「強い」とか「格好良い」とかで誉められたことはあるがなにか他のことで「天才」などと呼ばれたことがなかったので、素直に嬉しかった。
嬉しくてはしゃいでこう言った。
「じゃあ次はもっと派手なやつを作ってみるよ。強いモンスターしか入れない結界とか……」
「「「やめて!」」」3人が声を揃えて叫んだ。セレーナが代表して言った。
「ローズマリー、この際だから言っておくけどあなたと私たちの強さの基準はまったく次元が違うの。だからもう少し私たちの強さを良く見極めてちょうだい」
「分かった……、ごめんなさい……」叱られた猫のようにしゅんとした。
「分かってくれれば良いのよ、だから落ちこまないで」
「うん、分かったよ。次からなドラゴンくらいしか入れないような結界にする」
「「「やめて!」」」
ローズマリーは3人の能力ならばドラゴン1匹くらいならば運が良ければ倒せると正確に分かっていたが、3人はローズマリーと旅をして一回りも二回りも強くなっていることに気がついていなかった。
今いるリガイア共和国の独裁者オルトリンに求婚された時の抗議のようにルーンベルトからの長いお説教を食らった。お説教は2時間に及んだ。
そして昼なお暗いアレイネ山脈の樹海に夜が訪れた。何万ものモンスターたちがまた移動し始めた。まずは斥候としてローズマリーが群れを追いかけることになった。何故かというと盗賊職に適正があるのはローズマリーだけだからだ。しかもただの盗賊ではなく盗賊王が最初から備わっていた。この世界では職業は経験によって上級職にレベルアップするらしい。
「あれ、動きが鈍くなった」木々の上を跳躍しながらローズマリーは先頭集団の方に向かった。何万もの集団が1列になって入っていく木で簡単に作られた大規模な闘技場らしきものを発見した。ゾロゾロとヴァンパイアやサキュバス、ギガンテス、デュラハン、デーモンなどが入ってい く。
「最近は魔法本気で使ってないからな……あー殲滅したいな……」
しかし、原因究明が先だ。それに昼間に寝ている時、エンデュミオンのヤツが「バーサク賢者」とかぬかしてやがったからな。汚名返上に努めねば「ローズマリー」の名の恥だ。
冷静になったローズマリーはモンスターの群れが闘技場に入るのを見終えると一旦キャンプに戻った。
「ノバクの図書館で調べたのをうろ覚えでやったから完璧じゃないけどな」頭をかきながらローズマリーがまるで勉強をしてこなかったことを怒られる生徒のように身をすくめる。
「ホントに、ローズマリー、あなた天然の天才よ」セレーナが褒めちぎる。
「ふっ、魔術結界師が泣いて喜ぶ魔法陣をしいたと見た。そうでなかったら何万ものモンスターに蹂躙されていただろう」
「そうなのか? じゃああたしが天才ってことか!」
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「「「やめて!」」」3人が声を揃えて叫んだ。セレーナが代表して言った。
「ローズマリー、この際だから言っておくけどあなたと私たちの強さの基準はまったく次元が違うの。だからもう少し私たちの強さを良く見極めてちょうだい」
「分かった……、ごめんなさい……」叱られた猫のようにしゅんとした。
「分かってくれれば良いのよ、だから落ちこまないで」
「うん、分かったよ。次からなドラゴンくらいしか入れないような結界にする」
「「「やめて!」」」
ローズマリーは3人の能力ならばドラゴン1匹くらいならば運が良ければ倒せると正確に分かっていたが、3人はローズマリーと旅をして一回りも二回りも強くなっていることに気がついていなかった。
今いるリガイア共和国の独裁者オルトリンに求婚された時の抗議のようにルーンベルトからの長いお説教を食らった。お説教は2時間に及んだ。
そして昼なお暗いアレイネ山脈の樹海に夜が訪れた。何万ものモンスターたちがまた移動し始めた。まずは斥候としてローズマリーが群れを追いかけることになった。何故かというと盗賊職に適正があるのはローズマリーだけだからだ。しかもただの盗賊ではなく盗賊王が最初から備わっていた。この世界では職業は経験によって上級職にレベルアップするらしい。
「あれ、動きが鈍くなった」木々の上を跳躍しながらローズマリーは先頭集団の方に向かった。何万もの集団が1列になって入っていく木で簡単に作られた大規模な闘技場らしきものを発見した。ゾロゾロとヴァンパイアやサキュバス、ギガンテス、デュラハン、デーモンなどが入ってい く。
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しかし、原因究明が先だ。それに昼間に寝ている時、エンデュミオンのヤツが「バーサク賢者」とかぬかしてやがったからな。汚名返上に努めねば「ローズマリー」の名の恥だ。
冷静になったローズマリーはモンスターの群れが闘技場に入るのを見終えると一旦キャンプに戻った。
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