ナイショの妖精さん

くまの広珠

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2 ネバーランドへようこそ

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 そうだよ。ぜったいヘンなんだって。

 これ、誠が一回でも防御に失敗したら、たいへんなことになる!


「や、やめて~っ!」


 あたしは、ワンピースのすそをひるがえして、ふたりのところへかけだした。


「う、ウエンディ! 近寄ったら危険だぞっ!」


 誠ってば、こんなときまで、お芝居のフリ。

 その誠の短剣を、ヨウちゃんの長剣がパッとはじいた。

 短剣はくるくる回って、海の青いセロハンをはった舞台のゆかに、カランと落ちる。


 誠、丸腰っ!


 なのにヨウちゃん、誠の前に剣をふりおろす。


「だ、ダメ――っ!! 」


 あたしは両手をまわして、後ろから、ヨウちゃんの腰にかじりついた。


「ヨウちゃん、やめてっ! それ以上やったら、誠が怪我するっ!! 」


 ヨウちゃんの動きがとまった。


「――綾……」


 あたしの腕に引っぱられて、黒いロングコートの足が、たたらを踏む。

 バランスをくずして、ふたり同時に、ドスッと尻もち。



 しんっとステージが静まり返った。


 ヨウちゃんの背中に抱きついたまんまのあたし。

 あたしに抱きつかれたまんまで、ぼんやり座り込むヨウちゃん。

 その前に、ふらっと立ちつくす誠。

 ハアハアと息をつく、自分たちが音だけがきこえてくる。


 チクタク、チクタク。


 背景の影から、時計の音が近づいてきた。

 目をキラーンって光らせて、ワニの着ぐるみ姿の真央ちゃんが、青いセロハンの海をわたってくる。

 大きな口を開けて、真央ちゃんのワニが、ヨウちゃんの頭をパクン。




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