宝石の召喚師

Kanzashi

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覚悟:ルビーのクイーン

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イリス「さてどうしますか」

しばるロープも持ち合わせていない

シエル「街の兵に引き渡すのが」

イリス「街の兵の手に負えるとは思えないから・・・ここで」

ルナ「そこまでは」

イリス「・・・また、襲われる人が出るでしょう?」

ルナ「それは私たちの仕事じゃないような気がする」

イリス「人を襲うくらいならそうなる覚悟はあるとおもうけど」

シエル「そうなんだけどね・・・」

男の一人が目を開ける

男「お前はたしか・・・あの時の錬金術師」

シエル「お知り合い?」

イリス「・・・たぶん姉さんかな・・・」

シエル「なるほど」

イリス「その錬金術師はいつどこで何をしてたの?」

男「見逃してくれるなら教えてもいい」

イリス「・・・」

ルナ「理由ができたね」

イリス「わかった」

3ヵ月くらい前に遺跡の探索で1度組んだらしい

どうせ襲って失敗して手下にでもされていたのかもしれない

イリス「それで」

男「その後は南に移動するとかいって別れた」

イリス「そう・・・その・・・私に似た人は特殊な石を使ってなかった?」

男「・・・たしか・・・いつもオニキスを使っていた・・・」

イリス「そう」

もう一人の男も意識が戻る

状況を察したらしい

男たちはトパーズとアメジストが抑えている

ルビーは周囲を散歩して遊んでいる

男「そういえば黄色い石を持っていたかな・・・」

シエル「黄色・・・あの時のシトリンかな?」

イリス「他に何かあある?」

男「・・・その・・・石を返してくれないか?金はどうでもいい」

召喚士らしいことをいう

シエル「わたしたら召喚するつもりでしょう?」

男「いや・・・あれ・・・にはかなわないのはわかったから呼び出したりはしない」

赤いエルフを見る

イリス「なら向こうに投げるから拾ってそのまま消えてくれる?」

ルナ「これ全部投げる?」

シエル「昨日3人組を襲ったのはあなたたち?」

男「あぁ・・・」

シエル「奪ったのはどれ」

彼らがどうしても残したいといった石を布の袋にいれて少し離れたところの木に吊るす

イリス「今度会った時は・・・」

男「酒でもおごるよ」

シエル「そうじゃないんだけどな・・・まぁいいか・・・」

男達を解放する

男達とは逆の方向に歩き出す

イリス「回収した石はどうする?」

シエル「これはあの子達に渡すとして・・・あとのは3人で分けますか」

彼らから迷惑料として所持金の一部をもらった

ルナと赤毛のエルフが並んで歩いている

シエル「石に戻らないの?」

ルビー「え?やだ」

シエル「いいけど・・・そのカッコウだと目立つんだよな・・・」

ルビー「着がえある?」

ルナ「宿の荷物になら」

たぶんこの場にルビーの王女様に反対できる人はいない

3人とも理解していた。


[ ルビーのクイーン ]
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