最恐剣士の異世界リベンジ

倶利伽羅 凪

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2話 誕生と希望

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 意識が覚醒して目を開けると痛みを感じるほどの眩しさを感じた。
 しばらくして目が明るさに慣れてくるると目の前には見覚えのない豪華な作りの天井が広がっていた。
 上を眺めていると整った鼻梁をした女性が覗き込んできた。
 その女性の見た目は、光を束にしたかのように鮮やかな金髪をしていた。
 あまりの綺麗さに固まってしまった。
 するとサファイアのように輝く大きな瞳を優しく細めて言葉を紡いだ。
 何故か耳が聞こえにくく、聞き逃してしまった。
 しかし、段々と嬉しそうに会話する男女の声を聞き取れるようになってきた。
「あなた、元気な男の子ですよ。」 
と女性が嬉しそうな声音で呟いた。
「シンシアありがとう。本当にお疲れ様。男の子なら将来、剣の稽古をするのが楽しみだ。」
と男性が感極まったと言わんばかりに呼応した。
 今度は、その男性がゆっくりと俺の顔を覗き込んできた。やはりこの視線は慣れないなと感じさせられた。 
 先程の声の主である男性の顔は、女性と同じようなサファイアのような瞳をした英国風のイケメンといったような顔をしていた。一言で表すなら甘いマスクに健康的な肉体をした青年と表現すべきだろう。
 突然のことで驚いたが状況からするとどうやら俺が赤ん坊になったということが分かった。
 これは、よくアニメである異世界転生というやつなのかなと考えた。
 そして今度は、両親に愛して貰えるのではないかと淡い希望を抱いた。
 それに俺にとって朗報ともいうべき剣の稽古というワードを聞くことが出来た。前世では、全力を出しきれなかったが今世では悔いなく全力を尽くし切りたいと強く思った。
 そんなことを考えていたら母親が俺の頬を優しく突いた。
 その仕草からは、強い愛情が感じられてうっかり泣いてしまった。
 赤ん坊になったことで涙腺がゆるゆるになってしまったのだろうか。
 そんな様子を観た両親は、優しく2人で俺を抱擁してくれた。 
 俺は、体力も赤ん坊になっているようで泣きつかれて眠ってしまった。 
 こんなに安心して安らかに寝ることが出来たのは、前世を含めても初めてのことだった。

   ※          ※

 優しい両親の元に生まれてから大体、1週間ほど経過した。
 生まれた日は、突然のことに驚いてしまったこともあり気づかなかったが両親が使っている言葉は、どうやら日本の言語とは異なるとようだ。
 なぜなら発音が全く異なるからだ。
 しかし、不思議なことにその言語を完全に理解することが出来ていることに驚いた。
 日常生活の中で様々な情報を得ることが出来た。
 俺が生まれたのは、剣の力と戦略によって勝ち取った功績によって成り上がった貴族の家だと分かった。 
 また、父の名は、ノンフォーク キーガンで母の名がノンフォーク シンシアだということも分かった。
 大人の意識がありながら赤ん坊として生活の面倒をしてもらうのは、中々に恥ずかしいものでなんとか耐えている。
 だが、それよりも困っていることは、暇だということだ。
 日中は、ずっと寝かされていてすることもなくぼんやりとしていることが多い。
 そんな生活の中での唯一の娯楽は、両親が話しかけて来てくれることだ。 
 さらに寝る前には、母が毎日のように昔話を話して聞かせてくれた。
 その内容は、過去に実際にあったことが元になっているものや作り話の内容も混ざっているように感じられたが聞いていてとても楽しかった。
 いくつかの話を聞いてこの世界には、魔物、モンスターなどがいるということを知った。
 さらに、この世界にはスキルというものがありその中には魔法も存在すると分かった。
 この世界の人は、魔法や剣を用いて能力に応じて職業を選択して冒険者となる人も多いようだ。
 この話を聞いた俺は、前世のゲームのような世界が広がっているのではないのかと想像してワクワクした。 
 母親の話を聞いてからしばらく経過してから父もベッドにやって来た。
 そろそろ両親も眠る時間らしい。
 俺も、もうひと眠りするかと考えていると母親が優しい声で俺に語りかけてきた。
「エル、私のことをママと呼んでみて。」
エルというのは俺の愛称のようでフルネームは、エルピスだと分かった。
俺は、母の思いに応えたいと思って頑張って声を出そうと試みた。
「あ、う、まーう。」
 頑張って声を出そうとしたが思うように発音することが出来なかった。
 しかし、俺がママと言おうとしたことが分かったようで母は、嬉しそうに微笑んで俺を抱きしめた。
 しばらくの間、両親と楽しく触れ合ってから2人の胸の中で眠りについた。
 そんな平穏で居心地の良い日々を優しい両親と過ごした。
 
  ※         ※

 あれから数年が経過して俺は、6歳の誕生日を迎えた。
 言葉は、幼い頃から理解することができていたので3歳頃から文字の練習に努力して臨んだ。
 そのおかげで簡単な読み書きは、出来るようになった。
 こんなに勉強に向き合えたのは、読める文字が増えるほどに両親が大喜びして褒めてくれたおかげだ。 
 今、新しい両親の間に生まれてくることが出来て本当によかった改めて思った。
 最近は、文字を読めるようになったおかげでこの世界の本を自分で読むことがにできるようになった。
 本の内容から推測するにこの世界の文化レベルは、中世程度ではないかと考えた。
 俺は、本を読むことで多くの未知の事象と出会うことが出来た。
 様々な新たな情報を知ることが楽しくなり前世では、嫌いだった読書が毎日の日課となり、図書室に入り浸った。
 俺が意欲的に本を読むことを嬉しく思った両親は、頻繁に本のプレゼントを大量にくれるようになった。
 大量のもらった本を呼んでいると魔法の使い方と記された本を見つけた。
 その本は、どうみても専門書であったため難しいのではないかと恐る恐る本を開いた。
 しかし、思っていたよりも分かりやすく説明が記されているおかげでなんとな読み進めることが出来た。
 本を読んだことで魔法についての使い方などについて理解することが出来た。
 この世界における魔法は、誰でも使うことが出来るが、どの属性の魔法に定性があるかどうかは先天的に決まってしまうと説明されていた。
 魔法の属性は、決まっていても威力や魔法を行使できる回数については努力するほど能力を向上させることができるという点に言葉で表すことが難しいほどの喜びを覚えた。
 さっそく魔法が使えるか試してみたいと思ったが魔法の何の属性に適正があるかは、本人のスキルに左右されるらしく、スキルが分かるのが10歳のため、まだ魔法を試すことができないと分かった。
 また、前世からの思いである剣の修行をしたいと父親に頼み込んだが体が未発達の間は大きな怪我をしてしまう恐れがあるから辞めておいたほうが良いと優しく止められてしまった。
 父の言うことは、的を得ていると思い今できることに全力で取り組んで両親を喜ばせることが出来たらと思った。
 そこで今のうちに学問的な知識を大人レベルまで身につけられるように努力しようと考えた。
 今、勉強を頑張ることで剣の修行をするときに多くの時間を使えるようにしたいと考えた。
 それから俺は、歴史学、政治学、魔法学、数学といった考え得る全ての学問を食い入るように学んだ。
 その努力の成果もあって俺の学力は、数年ほどで大人の中程度の学力まで向上させることが出来た。
 両親も俺の学力が向上したことを自分のことように喜んでくれたことが何よりも嬉しかったを
 そんな学問に邁進する生活を送って俺はついに10歳の誕生日を迎えた。


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