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好きなんです。
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「ははは…そっか、そうなんですね。はい、はい、へ~。あっ、もうこんな時間ですね。それじゃぁまた…はい、じゃぁ…はい、おやすみなさい」
スマホを耳から離してはーーとため息をつく雉真匠。最近よく見る姿だ。
「さぼぼ、今回の人もなんかクセ強かったよ…。小説好きって言うから話が合うかと思ったのにラノベとかオタク系ばっかりだったよ…なんか疲れた」
雉真匠は缶チューハイを一気に煽った。私のところにも小さなカップに少しだけ酎ハイを注いでくれている。手も口もないので飲むことはできないが、雉真匠の優しさが嬉しい。一緒に晩酌している気分にはなる。
「なかなかいい人ってのはいないよね~、いいね。は来てくれるけど、すごく若いか、すごく上か、って感じだし…」
ちょうどいい人でも何故かみんなクセが強いんじゃ…とテレビに映ってた人の口調を真似して雉真匠は言った。
そう言いながらまた雉真匠はスマホを触っている。どうやらそこに雉真匠とやりとりをする人間がいて、会話をしたりするらしい。しかし雉真匠の意中に止まる人はいないようだ。
「はー、めんどくさくなってきた。とりあえず風呂入ろ」
ここにちょうどいいサボテンがいますよ。と心の中で語りかけるが、雉真匠は風呂場のほうへスタスタ行ってしまった。残念。
まだスマホは光っており、その画面に人間の女の人が何人か写っている。よく知らないがみんな美人に見えるのに、雉真匠はタイプが偏っているのか、外見より中身を気にする性格なのかもしれない。
あー天の神様とかそういうのが私を擬人化してくれればいいのに。
トゲは抜いておかないと大変そうだから、がんばってつるつるのお肌にしよう。そうしたら雉真匠はサボテン、もとい擬人化つるつるサボテンの私を抱きしめてくれるかもしれない…
そんなことを考えているうちにいつの間にか雉真匠はお風呂から上がっていた。パンツくらいは履いた方がいいと思うといつも思う。
「ふはーー、気持ちよかった。
あれ、またいいね来てる…」
ちょっとめんどくさそうにスマホを触り出す雉真匠。めんどくさいなら見なきゃいいのに。早くパンツ履きなよ。
気持ちが通じたのかパンツやら服やらを着ながら目はスマホを見ている。器用な人だ。
「あ…なんかこの人いいかも」
雉真匠はスマホをじっと見ながらふんふんと言っている。
その数ヵ月後に実際にその画面に写っていた人が目の前に現れた。
名前を安藤 智慧というらしい。
スマホを耳から離してはーーとため息をつく雉真匠。最近よく見る姿だ。
「さぼぼ、今回の人もなんかクセ強かったよ…。小説好きって言うから話が合うかと思ったのにラノベとかオタク系ばっかりだったよ…なんか疲れた」
雉真匠は缶チューハイを一気に煽った。私のところにも小さなカップに少しだけ酎ハイを注いでくれている。手も口もないので飲むことはできないが、雉真匠の優しさが嬉しい。一緒に晩酌している気分にはなる。
「なかなかいい人ってのはいないよね~、いいね。は来てくれるけど、すごく若いか、すごく上か、って感じだし…」
ちょうどいい人でも何故かみんなクセが強いんじゃ…とテレビに映ってた人の口調を真似して雉真匠は言った。
そう言いながらまた雉真匠はスマホを触っている。どうやらそこに雉真匠とやりとりをする人間がいて、会話をしたりするらしい。しかし雉真匠の意中に止まる人はいないようだ。
「はー、めんどくさくなってきた。とりあえず風呂入ろ」
ここにちょうどいいサボテンがいますよ。と心の中で語りかけるが、雉真匠は風呂場のほうへスタスタ行ってしまった。残念。
まだスマホは光っており、その画面に人間の女の人が何人か写っている。よく知らないがみんな美人に見えるのに、雉真匠はタイプが偏っているのか、外見より中身を気にする性格なのかもしれない。
あー天の神様とかそういうのが私を擬人化してくれればいいのに。
トゲは抜いておかないと大変そうだから、がんばってつるつるのお肌にしよう。そうしたら雉真匠はサボテン、もとい擬人化つるつるサボテンの私を抱きしめてくれるかもしれない…
そんなことを考えているうちにいつの間にか雉真匠はお風呂から上がっていた。パンツくらいは履いた方がいいと思うといつも思う。
「ふはーー、気持ちよかった。
あれ、またいいね来てる…」
ちょっとめんどくさそうにスマホを触り出す雉真匠。めんどくさいなら見なきゃいいのに。早くパンツ履きなよ。
気持ちが通じたのかパンツやら服やらを着ながら目はスマホを見ている。器用な人だ。
「あ…なんかこの人いいかも」
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