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皆さんは嫌われ貴族ーーと、いうものはご存知だろうか。
その名の通り嫌われた貴族。
悪い噂が流れ、そうなったものは多数。
そして、この私、ユリ・クローネスもその犠牲者であったーーー
「ねぇねぇ見てみて。あのクローネス家のご令嬢が、男と逢引してたみたいよ」
「えぇ、可哀想ね。男と逢引していたから、婚約者様のエルワンド様は婚約破棄されたのでしょう?」
「そうよ、ふしだらなご令嬢だこと。これじゃあ、エルワンド様があまりにも可哀想ですわ」
「けど、心を痛めながらも婚約破棄されたエルワンド様は心優しい新しい婚約者を見つけたと……良かったですわ」
ご説明どうも
パーティーの会場内でこうやっていつものように噂された。
私の名前はユリ・クローネス。
数ヶ月前、エルワンドというクソに婚約破棄をされた。どうやら、新しい婚約者を見つけたから私は不要らしい。
けれど、それだけに留まらず、自分の名誉だけは守るため、私に婚約破棄をした理由は
「他の男と逢引しているところを見たから」
と、いう事実無根の事を噂で流されてしまった。逢引なんてしてないし、クズはクズだ。
その噂はまたたく間に広がり、私は嫌われ貴族となった。
そして、一番厄介なのは……
「あー!ユリ様ぁ~!!」
こ の 新 し い 婚 約 者 ☆
大声で誰にでも聞こえるように、私への嫌味なのか、ぶんぶんと手を振りながら、こちらに来ようとしてくる。
そして、私の近くに来て、右手に中身の入っているワイングラスを見たとき私は察した。
あ、フラグ回収乙
「ユリ様ぁ…………あぁ!すみません!!」
やはり、私が予想したとおり、わざとらしくふわりとふらつき、私のドレスへワインをこぼした。
せっかくの白いドレスがワインの色で広がっていく。
「けど、ユリ様が悪いですよね。避けないのが悪いんですから」
うん、お前そういうところだぞ
甘ったるい声で、謝りもせず私にそう言ってきた。ぶん殴りたい。
「それにぃ……ユリ様にはこんなドレス似合いませんよ?嫌われ貴族は嫌われ貴族で、腐って汚れた色が似合うと思いまぁ~す!」
またしても大声でそういう。周りからはくすくすと小さい笑い声が次々と聞こえてきた。
言い返したいが、そこまで騒ぎにはしたくないため、頑張って自分を保つ。
「ですからぁ……私に感謝してくださいね?せっかく、似合う色にしてあげたんですからっ!」
「ふふ…っ……私もそう思いますわ」
「えぇ…嫌われ貴族なのですから」
次々とエミル、エドワンドの新しい婚約者の取り巻きが出てくる。
なんか、掃除してるとき出てくる埃みたいだ。
「そうですよね!私、何も間違っていませんわ。なぜ、ゴミも同然の貴族がここにいるのか気になりますよね!!」
よし、自分よ。保て
ここで何か言ったら終わりだ。
「常識くらい貴族なんだから学べ、バーカ」
あ、やったなこれ
その名の通り嫌われた貴族。
悪い噂が流れ、そうなったものは多数。
そして、この私、ユリ・クローネスもその犠牲者であったーーー
「ねぇねぇ見てみて。あのクローネス家のご令嬢が、男と逢引してたみたいよ」
「えぇ、可哀想ね。男と逢引していたから、婚約者様のエルワンド様は婚約破棄されたのでしょう?」
「そうよ、ふしだらなご令嬢だこと。これじゃあ、エルワンド様があまりにも可哀想ですわ」
「けど、心を痛めながらも婚約破棄されたエルワンド様は心優しい新しい婚約者を見つけたと……良かったですわ」
ご説明どうも
パーティーの会場内でこうやっていつものように噂された。
私の名前はユリ・クローネス。
数ヶ月前、エルワンドというクソに婚約破棄をされた。どうやら、新しい婚約者を見つけたから私は不要らしい。
けれど、それだけに留まらず、自分の名誉だけは守るため、私に婚約破棄をした理由は
「他の男と逢引しているところを見たから」
と、いう事実無根の事を噂で流されてしまった。逢引なんてしてないし、クズはクズだ。
その噂はまたたく間に広がり、私は嫌われ貴族となった。
そして、一番厄介なのは……
「あー!ユリ様ぁ~!!」
こ の 新 し い 婚 約 者 ☆
大声で誰にでも聞こえるように、私への嫌味なのか、ぶんぶんと手を振りながら、こちらに来ようとしてくる。
そして、私の近くに来て、右手に中身の入っているワイングラスを見たとき私は察した。
あ、フラグ回収乙
「ユリ様ぁ…………あぁ!すみません!!」
やはり、私が予想したとおり、わざとらしくふわりとふらつき、私のドレスへワインをこぼした。
せっかくの白いドレスがワインの色で広がっていく。
「けど、ユリ様が悪いですよね。避けないのが悪いんですから」
うん、お前そういうところだぞ
甘ったるい声で、謝りもせず私にそう言ってきた。ぶん殴りたい。
「それにぃ……ユリ様にはこんなドレス似合いませんよ?嫌われ貴族は嫌われ貴族で、腐って汚れた色が似合うと思いまぁ~す!」
またしても大声でそういう。周りからはくすくすと小さい笑い声が次々と聞こえてきた。
言い返したいが、そこまで騒ぎにはしたくないため、頑張って自分を保つ。
「ですからぁ……私に感謝してくださいね?せっかく、似合う色にしてあげたんですからっ!」
「ふふ…っ……私もそう思いますわ」
「えぇ…嫌われ貴族なのですから」
次々とエミル、エドワンドの新しい婚約者の取り巻きが出てくる。
なんか、掃除してるとき出てくる埃みたいだ。
「そうですよね!私、何も間違っていませんわ。なぜ、ゴミも同然の貴族がここにいるのか気になりますよね!!」
よし、自分よ。保て
ここで何か言ったら終わりだ。
「常識くらい貴族なんだから学べ、バーカ」
あ、やったなこれ
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