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山田愛の死因は?
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初めまして山田愛と言います。今日は、私の話をしていこうと思います。
…えっと、では、話しますね。
私は私のことに無関心な両親に育てられました。
まぁ、無関心と言っても料理や洗濯などのことはしてくれましたし、学校で必要なものやPTAや…まぁ、私のことを気に掛けないだけであってしてもらうべきことはしてもらった感じです。
無関心というのは、私が泣いていても気にしない。朝起きてこなくても学校に休みの連絡をしてくれるが何も聞かない。誕生日などはただ決まってお金だけをもらうなど…なんとも説明しにくいんですが、そんな感じでした。
夫婦仲ですか?んー…。仲は良かったんじゃないかな?ちょっとあまり覚えてません。
えっと、それでですね、そんな感じで育った私はなんとなく違和感は感じていたんですけど、物心ついた時からそんな感じでったので特に気にせずに育っていったんです。
あ、はい。テレビや本などで語られる家族を見たりはしていましたけど、ドラマや映画は作られたものですよね?なので私はテレビの中や本の中の家族は完全なるフィクションだと思っていました。
だって『大丈夫?』ってセリフもちょっと意味がわからなかったですし…。
え?はい、大丈夫じゃないって目に見えてわかってる時に『大丈夫?』って聞かれましても…ね?大丈夫じゃないですし…それを聞くよりも他に何かするべきだと思いませんか?
怪我してる時なら治療とか、救急車呼ぶとか、病院に連れていくとか。
いじめられているのなら、先生に言うとか、大人に言うとか、本人にやめて欲しいと言うとか。
え?大丈夫かって言葉を使う時ですか?うーん…意識がない時に使う…とかですかね?でも、その声かけをしても意識が戻らなかったら意味はないですしね。
あ、話がそれましたね。
そして、私は成人したので家を出て一人暮らしをしました。
何度か恋人ができ、別れも経験し、やっと結婚することになったのですが…それがとても大変な人生の幕開けでした。
私と夫は互いにあまり干渉はしないような夫婦だったので、初めの頃は特に何も不便なことはなかったのですが…それが崩れたのは私が妊娠してからのことです。
夫は妊娠中の私に何かと関心を持って接してきました。
私は育児本を読み、注意しなければいけないことは注意していましたし、妊婦がすべきことはきちんとしていました。
けれど夫は私に対して『お腹の子に話しかけないのか?』とか『お腹をさすってる姿を見た事がないけど』など、必要性の感じないことをだんだんと口うるさく言ってくる様になりました。
確かに育児本やドラマや他の妊婦さんがそう言ったことをしていることは知っていましたが、それはあくまで自己満足な行為だと思っていました。
夫が『この子はどんな子供になるだろうか?』などと言っていましたが、そんなことを聞かれても私にはわかりませんし、生まれてからしか答えなんて出ません。
子供の名前を決めるときも、私は字画を気にする夫に対し『〇〇と〇〇の字画がいいからこのどちらかで決めよう』と言いましたが、それを聞いた夫は目を見開いて怒り始めました。
『〇〇や〇〇??なんだその名前は!ただ字画がいいだけの名前じゃないか!』と。
字画が~と言っていた夫の豹変ぶりに私は驚きましたが、まぁ、何か気に食わなかったのだろうと思って謝ったこともありました。
え?あ、そんなに酷い名前ですか?うーん、名前はその人を識別するためのものですよね?これじゃダメなんですか?…はぁ、まぁいいです。
…。
えっと、そんなこんなで私は育児を頑張っていたんですけど、子供のする事とかしたがる事の必要性があまり感じられなくて沢山困りました。
幼い子供が無意味に物を破ったり壊したりと毎日毎日苦痛でしかたがなかったですね。
あぁ、そうそう。子供が幼稚園に入園した頃、私と夫は離婚しました。
え?離婚理由ですか?
うーん、ちょっと言ってる事が理解できなかったのですが、多分相性が悪かったんじゃないかなーと思います。
育児の方向性が違ったのでよく喧嘩みたいな事をしましたし、それが理由だと思います。夫は私の理解出来ないことを子供にさせようとしていましたので。
わざわざ子供にさせなくてもいい事や、与える必要がない物を与えたりと、自分勝手な人だと思いました。本当に私から見れば無駄としか言えなかったですね。
そして小学校、高校、大学と子供は何事もなく進級してゆき、就職しました。
子供が就職して家から出ていった日のことは今でも覚えています。人を一人育て切ったんです、女の私一人で。
達成感ですかね?とても嬉しかったんです。
ですが、何かおかしかったんですよね。
え?何がおかしいと思ったかですか?うーん、そうですね…例えば周りの人から聞いたんですが、子供が初任給をもらったからプレゼントをしてもらったとか沢山聞いたのですが、私はもらいませんでしたし。
仕事に慣れた頃には家に何度か帰ってきて親のありがたみを知ったって言われるとかもなかったですし、母の日にプレゼントをもらうとかもなかったです。
周りの人たちは子供が何かをしてくれる度に嬉しい、良かった、って言っていましたが…何一つ私にはなかったですね。
まぁ、欲しいものは自分で買いますから別にいいんですけれど、皆さんがそれが当たり前みたいな話し方をするので、私の子供は少しおかしいんじゃないかと思いました。
あぁ、もしかしたら別れた元夫に似たのかもしれません。
「〇〇県〇〇にて異臭がするとの通報があり警察官が中を確認したところ、女性の遺体が確認されました。警察はこの女性が他殺であると判断し、調査を進めています。」
「山田さん、息子さんに殺されたらしいわよ」
「え、そうなの?」
「そうそう、そうなのよ。なんか息子さん、子供の頃から山田さんに虐待されてたとかで精神がおかしくなってたらしいわ」
「山田さんがヒステリックに叫んだり叩いたりな想像とか出来ないんだけど…」
「いや、違うらしいのよ、そういった感情的にする虐待じゃなかったらしいわ」
「どういった虐待なんだろう?でも、怖いね…」
「私もよく知らないんだけど、必要なこと以外は会話をしなかったり、家でのルールみたいなものが壁にぎっしりと貼られてあって、そのルールを破ったら折檻されてたらしいわ」
「ええ…まるで牢獄だね」
「そうね、殺されちゃうぐらい子供に嫌われたくは…
これはフィクションです。
…えっと、では、話しますね。
私は私のことに無関心な両親に育てられました。
まぁ、無関心と言っても料理や洗濯などのことはしてくれましたし、学校で必要なものやPTAや…まぁ、私のことを気に掛けないだけであってしてもらうべきことはしてもらった感じです。
無関心というのは、私が泣いていても気にしない。朝起きてこなくても学校に休みの連絡をしてくれるが何も聞かない。誕生日などはただ決まってお金だけをもらうなど…なんとも説明しにくいんですが、そんな感じでした。
夫婦仲ですか?んー…。仲は良かったんじゃないかな?ちょっとあまり覚えてません。
えっと、それでですね、そんな感じで育った私はなんとなく違和感は感じていたんですけど、物心ついた時からそんな感じでったので特に気にせずに育っていったんです。
あ、はい。テレビや本などで語られる家族を見たりはしていましたけど、ドラマや映画は作られたものですよね?なので私はテレビの中や本の中の家族は完全なるフィクションだと思っていました。
だって『大丈夫?』ってセリフもちょっと意味がわからなかったですし…。
え?はい、大丈夫じゃないって目に見えてわかってる時に『大丈夫?』って聞かれましても…ね?大丈夫じゃないですし…それを聞くよりも他に何かするべきだと思いませんか?
怪我してる時なら治療とか、救急車呼ぶとか、病院に連れていくとか。
いじめられているのなら、先生に言うとか、大人に言うとか、本人にやめて欲しいと言うとか。
え?大丈夫かって言葉を使う時ですか?うーん…意識がない時に使う…とかですかね?でも、その声かけをしても意識が戻らなかったら意味はないですしね。
あ、話がそれましたね。
そして、私は成人したので家を出て一人暮らしをしました。
何度か恋人ができ、別れも経験し、やっと結婚することになったのですが…それがとても大変な人生の幕開けでした。
私と夫は互いにあまり干渉はしないような夫婦だったので、初めの頃は特に何も不便なことはなかったのですが…それが崩れたのは私が妊娠してからのことです。
夫は妊娠中の私に何かと関心を持って接してきました。
私は育児本を読み、注意しなければいけないことは注意していましたし、妊婦がすべきことはきちんとしていました。
けれど夫は私に対して『お腹の子に話しかけないのか?』とか『お腹をさすってる姿を見た事がないけど』など、必要性の感じないことをだんだんと口うるさく言ってくる様になりました。
確かに育児本やドラマや他の妊婦さんがそう言ったことをしていることは知っていましたが、それはあくまで自己満足な行為だと思っていました。
夫が『この子はどんな子供になるだろうか?』などと言っていましたが、そんなことを聞かれても私にはわかりませんし、生まれてからしか答えなんて出ません。
子供の名前を決めるときも、私は字画を気にする夫に対し『〇〇と〇〇の字画がいいからこのどちらかで決めよう』と言いましたが、それを聞いた夫は目を見開いて怒り始めました。
『〇〇や〇〇??なんだその名前は!ただ字画がいいだけの名前じゃないか!』と。
字画が~と言っていた夫の豹変ぶりに私は驚きましたが、まぁ、何か気に食わなかったのだろうと思って謝ったこともありました。
え?あ、そんなに酷い名前ですか?うーん、名前はその人を識別するためのものですよね?これじゃダメなんですか?…はぁ、まぁいいです。
…。
えっと、そんなこんなで私は育児を頑張っていたんですけど、子供のする事とかしたがる事の必要性があまり感じられなくて沢山困りました。
幼い子供が無意味に物を破ったり壊したりと毎日毎日苦痛でしかたがなかったですね。
あぁ、そうそう。子供が幼稚園に入園した頃、私と夫は離婚しました。
え?離婚理由ですか?
うーん、ちょっと言ってる事が理解できなかったのですが、多分相性が悪かったんじゃないかなーと思います。
育児の方向性が違ったのでよく喧嘩みたいな事をしましたし、それが理由だと思います。夫は私の理解出来ないことを子供にさせようとしていましたので。
わざわざ子供にさせなくてもいい事や、与える必要がない物を与えたりと、自分勝手な人だと思いました。本当に私から見れば無駄としか言えなかったですね。
そして小学校、高校、大学と子供は何事もなく進級してゆき、就職しました。
子供が就職して家から出ていった日のことは今でも覚えています。人を一人育て切ったんです、女の私一人で。
達成感ですかね?とても嬉しかったんです。
ですが、何かおかしかったんですよね。
え?何がおかしいと思ったかですか?うーん、そうですね…例えば周りの人から聞いたんですが、子供が初任給をもらったからプレゼントをしてもらったとか沢山聞いたのですが、私はもらいませんでしたし。
仕事に慣れた頃には家に何度か帰ってきて親のありがたみを知ったって言われるとかもなかったですし、母の日にプレゼントをもらうとかもなかったです。
周りの人たちは子供が何かをしてくれる度に嬉しい、良かった、って言っていましたが…何一つ私にはなかったですね。
まぁ、欲しいものは自分で買いますから別にいいんですけれど、皆さんがそれが当たり前みたいな話し方をするので、私の子供は少しおかしいんじゃないかと思いました。
あぁ、もしかしたら別れた元夫に似たのかもしれません。
「〇〇県〇〇にて異臭がするとの通報があり警察官が中を確認したところ、女性の遺体が確認されました。警察はこの女性が他殺であると判断し、調査を進めています。」
「山田さん、息子さんに殺されたらしいわよ」
「え、そうなの?」
「そうそう、そうなのよ。なんか息子さん、子供の頃から山田さんに虐待されてたとかで精神がおかしくなってたらしいわ」
「山田さんがヒステリックに叫んだり叩いたりな想像とか出来ないんだけど…」
「いや、違うらしいのよ、そういった感情的にする虐待じゃなかったらしいわ」
「どういった虐待なんだろう?でも、怖いね…」
「私もよく知らないんだけど、必要なこと以外は会話をしなかったり、家でのルールみたいなものが壁にぎっしりと貼られてあって、そのルールを破ったら折檻されてたらしいわ」
「ええ…まるで牢獄だね」
「そうね、殺されちゃうぐらい子供に嫌われたくは…
これはフィクションです。
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