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始まりの森
俺がエリーに抱く感情は
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俺がエリーへ抱いている感情が何なんかわからないまま月日が流れ、来週でエリーは成人になる。
『エリーはどうするのだろうか?』俺はここ最近毎夜毎夜とエリーのこの先の将来の事ばかり考えていた。
エリーはまごう事なくお貴族様だ。
それも、生家で何かがあって追い出されたか逃げてきたか…とりあえず何かがあり、生家を出てきた令嬢である。
そのエリーが成人するとなると、もう生家からの干渉はなくなるし…エリーがこんな森の中で醜い異性のおっさん平民と暮らす必要は全くないのだ。
(あっ…何だか自分で言って悲しくなってきやがった…)
寝不足の頭では良いことなど考えることは出来ず、ダラダラと自分にとって都合の悪い事ばかり考えるようになっていた。
「レン!最近ちょっと弛んでるんじゃないの!?」
「まーた唐突にエリーお嬢様は何を言い出すんだよ」
「わたくしはいつでも言いたいことだけを言って生きてますのよ!」
お決まりのツーンポーズをしながらそう言うエリーに対して、俺はもう考えるのもめんどくさいし聞いてみるかと思った。
『あれだけ考えてもわかんねーことは、この先何回考えてもわかんねーよ』と、自分の中のめんどくさい自分が囁く。
『いや、俺にそんなこと言われたら意味深に思われるかもしれねーぞ?』と、自分の中のヘタレな自分が囁く。
『エリー。俺と婚姻しようぜ?』と、自分の中の…ってお前誰だ!
「レン?」
「ハッ!?」
唐突に天井を見ながらブツブツと何かを呟いていた危ない俺に対し、エリーが不信感満載の表情をしながら話しかけてきた。
「…。…眠い」
とりあえず俺は『心置きなく寝たいからお前の進路を教えろ』と言いたいのである。そして寝てなさすぎて頭がいてぇ。
もう、俺はどう思われてもいい。安眠のために勇気を出すか…つうか、何で俺はこんな簡単なことを聞くことができないんだ?
「エリーはこの先どーすんだ?」
俺は『別に他意はないよ』『大丈夫だよ』みたいな顔をしながらエリーに問いかけた。
「え?わたくしが何ですの?」
「だから、エリーは18になるだろ?これからどうすんだ?」
「わ、わたくしを追い出す気ですの!?」
なぜかエリーは俺に追い出されることを警戒しだす。
「はぁ!?俺がいつ追い出すって言ったんだよ!」
「では、何でそんなこと言いますの?18になると何かあるんですの?」
痛い。寝てないからか頭が痛い。
「はぁ?18になると婚約者の家に行かなきゃいけないだろ?」
「わたくしには婚約者なんていませんわ」
「は?お前には婚約者がいるだろ?!生まれたと同時に決まってたやつが!」
「レンは一体何を言ってますの?わたくしには婚約者なんていませんわ?!」
なんか意味わかんねぇ程...頭が痛くなってきた。
あれだ、何かズレてるんだ。俺たち二人の会話は何かがおかしい。
そもそもいつからおかしい?俺はなぜエリーに何も聞かない?
俺はなぜ、何だかんだ言いつつもエリーを信用してる?
あれだけ虐げられて来たはずなのになぜエリーと最初から暮らしだした?
都合がよすぎる。
綺麗な女が森に一人でいる事がおかしい、容姿や親殺しで差別されて人間が嫌いになった俺が普通に楽しく生活し出すのがおかしい。
なんだ?何がおかしい?
俺は何故神殿長だけを信じていた?エリーは何故俺と生活している?
生活?俺とエリーはこの家で本当に生活をしているのか?
……?頭が痛い。俺は何か考えてたんだが何だったか?
エリーが珍しく神妙な顔をして考え込んでる。
「レン…一つお聞きしていいかしら?」
「何だよ?そんな真面目くさった顔して。今日のメシはまだだぜ?」
「レン!真面目な話なんですの!お聞きなさい!」
「ッチ。なんだよ一体?」
頭が痛い、エリーの声が脳内でぐるぐる回る。
「レン。あなた…森へと入る前に国を収めていた陛下の名前は言えますの?」
「あぁ?何でそんなこと聞いてくんだよ?…確か…ファルシオン国王陛下…?」
痛い、痛い。なんだか頭が痛い。
「レン!しっかりしてくださいまし!…聞いて!わたくしは…!」
俺の視界が縦に横に狭まってきて、見えている場所がどんどん遠くなり、叫ぶエリーの声が頭に響いて…俺はその場に倒れ込んだ。
俺が目を覚ますと エリーは 何処にもいなくなっていた。
そして俺は…思い出してしまった。
「俺は…俺はなんてことを…!あぁ…ごめん!エリーほんとにごめん…俺はなんてことを…」
そして俺は...。
「レン!レン!起きてくださいましっ!」
エリーが珍しく俺よりも早く起き、俺を揺すっている。
「あぁ?ッチ。なんだよ」
なんか、夢見が悪かったのか身体が凄くだるいし頭もいてぇ...。
「私のお誕生日おめでとうパーティーの日ですわよっ!お祝いしてくださいなっ!」
あぁ、今日もエリーは俺に対し可愛くオネダリをしてくる。
「はいはい、わかりましたよお姫様。誕生日おめでとうな?」
俺はそう言って 6歳になる義妹のエリーを 抱き上げ、両親の居るだろう庭へと歩き出した。
「お父様!お母様!おはようございますっ!」
「父上、義母上、おはようございます」
「「おはようエリー。レント。」」
今日は俺の義妹、エリーの6歳の誕生日だ。
『エリーはどうするのだろうか?』俺はここ最近毎夜毎夜とエリーのこの先の将来の事ばかり考えていた。
エリーはまごう事なくお貴族様だ。
それも、生家で何かがあって追い出されたか逃げてきたか…とりあえず何かがあり、生家を出てきた令嬢である。
そのエリーが成人するとなると、もう生家からの干渉はなくなるし…エリーがこんな森の中で醜い異性のおっさん平民と暮らす必要は全くないのだ。
(あっ…何だか自分で言って悲しくなってきやがった…)
寝不足の頭では良いことなど考えることは出来ず、ダラダラと自分にとって都合の悪い事ばかり考えるようになっていた。
「レン!最近ちょっと弛んでるんじゃないの!?」
「まーた唐突にエリーお嬢様は何を言い出すんだよ」
「わたくしはいつでも言いたいことだけを言って生きてますのよ!」
お決まりのツーンポーズをしながらそう言うエリーに対して、俺はもう考えるのもめんどくさいし聞いてみるかと思った。
『あれだけ考えてもわかんねーことは、この先何回考えてもわかんねーよ』と、自分の中のめんどくさい自分が囁く。
『いや、俺にそんなこと言われたら意味深に思われるかもしれねーぞ?』と、自分の中のヘタレな自分が囁く。
『エリー。俺と婚姻しようぜ?』と、自分の中の…ってお前誰だ!
「レン?」
「ハッ!?」
唐突に天井を見ながらブツブツと何かを呟いていた危ない俺に対し、エリーが不信感満載の表情をしながら話しかけてきた。
「…。…眠い」
とりあえず俺は『心置きなく寝たいからお前の進路を教えろ』と言いたいのである。そして寝てなさすぎて頭がいてぇ。
もう、俺はどう思われてもいい。安眠のために勇気を出すか…つうか、何で俺はこんな簡単なことを聞くことができないんだ?
「エリーはこの先どーすんだ?」
俺は『別に他意はないよ』『大丈夫だよ』みたいな顔をしながらエリーに問いかけた。
「え?わたくしが何ですの?」
「だから、エリーは18になるだろ?これからどうすんだ?」
「わ、わたくしを追い出す気ですの!?」
なぜかエリーは俺に追い出されることを警戒しだす。
「はぁ!?俺がいつ追い出すって言ったんだよ!」
「では、何でそんなこと言いますの?18になると何かあるんですの?」
痛い。寝てないからか頭が痛い。
「はぁ?18になると婚約者の家に行かなきゃいけないだろ?」
「わたくしには婚約者なんていませんわ」
「は?お前には婚約者がいるだろ?!生まれたと同時に決まってたやつが!」
「レンは一体何を言ってますの?わたくしには婚約者なんていませんわ?!」
なんか意味わかんねぇ程...頭が痛くなってきた。
あれだ、何かズレてるんだ。俺たち二人の会話は何かがおかしい。
そもそもいつからおかしい?俺はなぜエリーに何も聞かない?
俺はなぜ、何だかんだ言いつつもエリーを信用してる?
あれだけ虐げられて来たはずなのになぜエリーと最初から暮らしだした?
都合がよすぎる。
綺麗な女が森に一人でいる事がおかしい、容姿や親殺しで差別されて人間が嫌いになった俺が普通に楽しく生活し出すのがおかしい。
なんだ?何がおかしい?
俺は何故神殿長だけを信じていた?エリーは何故俺と生活している?
生活?俺とエリーはこの家で本当に生活をしているのか?
……?頭が痛い。俺は何か考えてたんだが何だったか?
エリーが珍しく神妙な顔をして考え込んでる。
「レン…一つお聞きしていいかしら?」
「何だよ?そんな真面目くさった顔して。今日のメシはまだだぜ?」
「レン!真面目な話なんですの!お聞きなさい!」
「ッチ。なんだよ一体?」
頭が痛い、エリーの声が脳内でぐるぐる回る。
「レン。あなた…森へと入る前に国を収めていた陛下の名前は言えますの?」
「あぁ?何でそんなこと聞いてくんだよ?…確か…ファルシオン国王陛下…?」
痛い、痛い。なんだか頭が痛い。
「レン!しっかりしてくださいまし!…聞いて!わたくしは…!」
俺の視界が縦に横に狭まってきて、見えている場所がどんどん遠くなり、叫ぶエリーの声が頭に響いて…俺はその場に倒れ込んだ。
俺が目を覚ますと エリーは 何処にもいなくなっていた。
そして俺は…思い出してしまった。
「俺は…俺はなんてことを…!あぁ…ごめん!エリーほんとにごめん…俺はなんてことを…」
そして俺は...。
「レン!レン!起きてくださいましっ!」
エリーが珍しく俺よりも早く起き、俺を揺すっている。
「あぁ?ッチ。なんだよ」
なんか、夢見が悪かったのか身体が凄くだるいし頭もいてぇ...。
「私のお誕生日おめでとうパーティーの日ですわよっ!お祝いしてくださいなっ!」
あぁ、今日もエリーは俺に対し可愛くオネダリをしてくる。
「はいはい、わかりましたよお姫様。誕生日おめでとうな?」
俺はそう言って 6歳になる義妹のエリーを 抱き上げ、両親の居るだろう庭へと歩き出した。
「お父様!お母様!おはようございますっ!」
「父上、義母上、おはようございます」
「「おはようエリー。レント。」」
今日は俺の義妹、エリーの6歳の誕生日だ。
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