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最終章
まってて?俺が君を幸せにするよ?
しおりを挟む「レンー!あたくしの帽子が飛んでしまったわ!」
そう言ってエリーは頬を膨らませ俺を見る。
「はいはいお嬢様、今すぐ取りましょうね」
俺はエリーの帽子を取り、その可愛い頭へと優しく乗せリボンで結ぶ。
「レン!わたくしはレンが好きなのよ!」
可愛いエリー、俺の大切な宝物。
「僕もですよ、エリーお嬢様が大好きですよ」
そう言って俺はエリーを抱き上げ、そのおでこにキスをした。
「あああぁぁぁぁぁぁ!エリーお嬢様!」
ある日奥様とお嬢様が出かけた先で魔物が急に現れお二人が逃げ遅れてしまった。
「僕が…僕が休暇なんてとったから…あああああぁぁぁぁぁぁ!」
俺がエリー様のお誕生日にプレゼントを贈りたいがためにとった休暇の日にお二人が亡くなってしまった。
「お兄様!お兄様!私の帽子が飛んでしまったわ!」
そう言ってエリーは俺の方を向いてとってくれという。
「全くエリーは…」
俺は呆れながらも木に引っかかった帽子を取り、その小さな頭に乗せて今度は飛んで行かないようにしっかりとリボンを結んでやった。
「ふふふ、お兄様は何だかんだエリーが好きなのね!」
ちょっと子生意気な俺の可愛い妹。
「まぁな、俺の妹だしな」
そう言って俺はエリーを抱き上げ、そのつむじへと軽いキスを落とす。
「エリーーー!エリー!あぁあああああああ!」
ある日エリーが街で買い物をしていた際に魔物がエリーのいた店へと押し入り、エリーが亡くなった。
「俺が学園に入学していたからだ…俺がずっとエリーのそばにいたら…ああぁぁぁぁぁぁ!」
俺が王都にある学園に入学したことにより、エリーが手紙を出しに街へいきそのついでに便箋を買いに寄った店での出来事だったらしい。
「レン!わたくしの帽子が飛んでしまったわ」
そう言ってエリー様は切なそうな顔をして俺を見た。
「私がとってきます。」
湖のヘリに浮いている帽子をとり、エリー様のそばにいるメイドへと渡す。
「ありがとう、レン」
私の大切な主。主が悲しい顔をする理由は私が排除します。
「いえ、王太子妃様のお役に立てることが私の幸せですので」
そう言って私はエリー様の足元へと俯く。
「あああああああああぁぁぁぁぁ!」
エリー様が聖女様の殺害を企てたとして処刑されてしまった。
「何でだ、何でだよぉぉおおおおおおお!」
私とエリー様が姦通罪を疑われ、俺が囚われている時に…それが起き何も調べられぬまま処刑されることになってしまった。
「レント様、今日は風が強いですね」
エリー嬢の目先には風で飛んで行ってしまった帽子がある。
「そうですね。」
俺は気づかなかったふりをして通り過ぎた。
「…は?何でだよ?」
エリー嬢は嫉妬の末に聖女様に暴漢を差し向けたりし、最後には階段から突き落とす強行に走ったらしく、婚約破棄の上で迷いの森へと追放になったらしい。
「…お前ら本当にそんなこと信じてんのかよ?ふざけんなよ!」
俺は同じクラスだったがそこまで会話をしたことがなかった第一王子や騎士団長息子や魔法士団長息子達へと怒鳴った。
「わ、わわ、私は、美味しくありませんっですわ!」
今、俺の座ってる木の真下にユニコーンラビットに向かって自分を食べるなと叫んでる女がいる。
「な、何ですのっ!?近寄らないでくださいましっ!」
俺はこの女を保護することにした。本当に嫌だが、出ていかねーんなら仕方ねぇ。
「レン!しっかりしてくださいまし!…聞いて!わたくしは…!」
俺は思い出してしまった、この世界の理を。
そうだ、俺がこの世界の中心なんだ。
俺が世界に絶望するたびにこの世界が巻きもどり、エリーを生かすためだけに無意識に祈ってしまったんだ。
俺はエリーのためだけにこの世界で生きている。
そのためだけに 天から 地上に 降りてきたんだ。
俺の全ては、エリーの幸せのためだけにある。
俺はいつもこの世界を覗いていた。生まれたばかりの俺はやることもないので人間達の生き様を見ていた。
愛し合ったり憎しみあったりと忙しそうに生きてすぐに死んでしまう人間にひどく興味を持った。
その中でも、聖女が出てくる時のあの混沌としてる時間が大好きだった。
聖女を契約で縛って魔女にしないようにするのは別にいいけど、魔女が正常に作動しないと魔女の役割の魔のコントロールができなくなるからとんでもないことになるのだ。
その聖女の魔力量によって様々な出来事が起きるから、それがおもしろくて仕方がなかった。
そんな簡単なことにも気づかない人間に大笑いだ。
そんな時、俺の目に一人の女の子が映った。
何の変哲もない女の子だ。
その女の子は生まれてからずっと頑張り続けた女の子だった。
俺は何故かその子から目が離せなかった、俺は毎日その子を見て応援してた。
その子が笑うと俺も嬉しかったしその子が泣くとなんか悲しかった。
俺はその子に夢中だった。
その子が人間の集団の中で生活し始めると、聖女が出てきた。
俺は聖女がいると国が大変なことになるからドキドキしながらその子を見ていた。
大丈夫かな、毎日心配をして見ていた。
今回の聖女はどうやら魔力量がそんなに多いわけじゃないことを知って俺は安心した。
でも、その聖女はなんか今までとは違った。
たくさんの男を侍らせ、好き勝手に行動し、たくさんの人を惑わせていった。
俺は何だか嫌な気がした、このままだと良くないことになりそうだと思った。
その予感はあたったんだ。
俺の気になってる女の子が聖女のせいでみんなに嫌われ虐められ、最後に殺されてしまったんだ。
人間は女の子を殺してないけど、何もできない人間が一人で森で生きていくことなんてできないから、やっぱり人間が殺したようなものだ。
俺は女神様が見てないことをいいことに、その世界を隠れてこっそりと巻き戻した。
そして、俺はその女の子を助けるためにその世界に降りていったんだ。
『待ってて、俺が君を幸せにするよ』
『主様!主様!蓮様が伴侶を見つけて行ってしまいました!』
『主様!主様!蓮様は幼すぎて伴侶の儀の事を知りません!』
『あら…まぁまぁまぁ、旦那様に似て情熱的なあの子は我慢できなかったのねぇ。いいわぁ、仕方がないもの。失敗したら巻き戻してあげなさい?何億年かしたら流石に戻って来るでしょう。見ててあげなさぁい』
『主様、わかりましたぁ』
『見守っておきます主様』
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