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レントの愛
レントの敬愛、レントの親愛
しおりを挟む俺はレント。
両親は知らないし、気付けば貧民街の路地裏で生活をしていた。
…たぶん両親は死んだか、俺を捨てたかのどちらかなんだろうな。
...それはまぁいい。
俺は今『ヴェルヴェット公爵家』の従僕であって、それ以前の事なんて関係無いんだし。
俺には敬愛する主が居る。
路地裏での垂れ死ぬ運命だった俺を救いあげてくれた恩人だ。
まだ幼かったエリー様は、周りの使用人達の意見を跳ね除け俺を救ってくれた。
理由は...遊び相手が欲しかったと言うだけの理由らしい。
まぁ、5歳だもんな。崇高な理由とかがある訳は無い。...あったら怖い。
そんな俺は『この先エリーだけの為に生きるのならば』と、公爵様に礼儀作法等の高度な教育を受けさせられた。
礼儀作法等の教育はとても苦しかったし、何度も挫折しそうになった。
その度にエリー様は小さな体を大きく動かし、
『頑張るんですのよレン!』
『そんな事まで出来るようになったのですの?凄いですわレン!』
『流石わたくしの従僕ですわ!』
などと言い、俺を励ましてくれた。
エリー様の琥珀色の瞳がキラキラと輝き、俺を見あげるその瞬間が俺の幸せだった。
エリー様が婚約者の第一王子様と仲睦まじくしている姿を見る度に、俺の心は歓喜した。
エリー様が嬉しそうに笑っている。
その事実がとても嬉しいのだ。
俺の敬愛するエリー様、どうか、どうかこの先ずっと、永遠に...幸せでいて下さい。
それだけが俺の願いです。
...ただひとつ、エリー様の隣で笑っている婚約者を見ていると...何故か無性に
殺したくなる。
この気持ちは一体何なのだろうか?
☆
俺は レント ヴェルヴェット。
その名を見ればわかるだろうが、ヴェルヴェット公爵家の長男である。
さて、俺には3歳になる妹が居るのだが...その妹が可愛すぎるのだ。
そのふわふわの髪の毛を好きに撫でることが出来る俺は前世できっと徳を積みまくっていたに違いない。きっとそうだ。
妹のエリーはお転婆で、良く走り回って皆を心配させていた。
俺も心配ではあったが、その琥珀色の瞳を挑戦的に輝かせながら
『お兄様!捕まえてくださいまし!』
と、俺に言い走り去るエリーが可愛くて、つい...俺も追いかけてしまうんだ。
勿論エリーも俺もその後は凄く怒られるんだがな?
仕方ないよな?俺の可愛いエリーが俺を呼ぶんだ。
望むことを叶えてあげるのが『お兄ちゃん』である俺の使命だもんな!
俺のエリーへの親愛はとどまることは無く、それを心配した両親は俺が学園に入る時は寮で生活をしろと言ってきた。
俺はエリーと離れたくなかったから、ちょっと素っ気なくする事にした。
だが、そんな事は両親にはお見通しだったらしくて全く意味を成さなかった。
エリーはそんな俺の態度を見て悲しむかと思ったが、
『お兄様みたいな人の事をツンデレと言うのですわ!』
と、巷で流行ってる恋愛小説を見てそう言ってきた。
...俺はデレデレであって、ツンデレでは無いのだが...。
もしかしてエリーはツンデレな男が好きなんだろうか?
うーん?なるほど?
エリーの婚約者の第一王子が邸にやってくる日は俺は基本的に邸に居ないようにしている。
何故か俺は第一王子が嫌いだからだ。
エリーの婚約者だからきっと気に食わないのだろう。
...。
あの、生意気な微笑を絶望に染めてやりたくなる。
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