僕の初恋

猫崎ルナ

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ぼくのはつこい



僕の初恋は小学生の頃でした。

乱暴者でクラスの女子から嫌われていた僕に対し、いつも優しく声をかけてくれた女の子に恋をしました。

その子は優しくてよく気がついてくれる子で、僕は何度も助けてもらいました。

クラスの男で彼女を好きな子は沢山いて、僕なんかが好きになっても無理だとわかっていたので、この初恋は心の中に隠しておこうと幼いながら思っていました。


…その子の事が気になって仕方がなかった。

一緒にいるとドキドキした。

席替えで隣になった時は毎日休まず登校した。

班を作るときには一緒になりたいと願った。

全然楽しくなかった学校生活だったのに、彼女がいると何をしてる時も楽しかった。

彼女は誰に話しかけられても嫌な顔ひとつしないで笑顔で話をする。

だから僕が話しかけた時も、いつも花が咲いたような笑顔を見せてくれた。


そのころの僕と彼女はただのクラスメイトで、友達かと言われれば微妙な感じでした。


完全に僕の片思い。


でも、そんな僕と彼女の距離が縮まることがあったんです。


僕の家は学校から遠いから親が送り迎えをしてくれてたんですけど、親が来るまでの時間はいつもぼうっと時間を潰してました。

そんな暇な時間はいつも苦痛で早く家に帰りたいと思ってたんですけど…ある日を境に彼女がそんな僕の話し相手になってくれるようになったんです。

たまたま僕が1人で待っていた時、彼女が偶然通りかかったのが事の始まりでした。

彼女は僕が毎日1人でぼうっとしてると聞いてからは、暇な日は一緒に過ごしてくれました。

僕は彼女と2人で話せることに凄く舞い上がりましたね。

彼女とたくさんの話をしました。

家に飼っている動物の話をしたり、兄弟の話をしたり、好きなものや嫌いなもの…たくさんの話をしました。

もう、こうなると僕は毎日が楽しくて楽しくて…今思い出しても心が温かくなるほど幸せな時間を過ごしました。

ですがある時、保険の授業で男女の体の違いや子供の作り方などを習ったんですけど…なんだかその日から彼女の顔をうまく見て話せなくなったんです。


…なんか恥ずかしくて、なんか分からないけど…よくわかんない感じになったことが強く記憶に残ってます。


今思えばそれまでの好きは猫や犬などに向ける好きと似たようなものだったんでしょうね。

多分、色々と学んでいったりするうちにふんわりとしていた僕の気持ちがちゃんとした形の恋になって…意識しちゃうようになったんだと思います。

微妙に気まずかったり変な空気になったりしだした放課後の時間は、前よりも段々と楽しい感じじゃなくなっていきました。

勿論苦痛とかそういったものじゃなくて…隣に座ってる彼女に対して動悸が止まらなかったり、耳や顔が赤くなったりして…以前より上手く言葉が出なくなってただけなんですよ。

まぁ、そんな僕の異変に彼女が気づかないわけないじゃないですか。

ある日彼女は僕に『私が何かした?私の事嫌いになった?どうしたの?』って言ってきたんです。

僕が『そうじゃないけど』って言った後、自分の気持ちをなんて言ったらいいかわかんなくて黙ってたら彼女が涙をポロポロ流したんですよ。

もう、びっくりして僕…どうしたらいいかわかんなくて、悩んだけどわかんなかったから抱きしめたんですよね。エイッと。

そしたら彼女びっくりしたみたいで僕の顔をキョトンとした表情で見つめてきたんですよ。

僕の方が頭一つ分背が低かったから見下ろされてる感じな上に、めちゃくちゃ顔が近くて…心臓が飛び出ていきそうな程ドキドキしたことを覚えてます。

それから泣き止んだ彼女と色々なよく分からない気持ちとか話したりして、嫌いになったわけじゃないって伝えたんです。

そうしたら彼女が『私たける君の事好きだから嫌われてなくてよかった』って言ったんですよね。

もう、その日は寝るまでずっとその言葉が頭の中でぐるぐるしてました。

…もう、今思い出すと恥ずかしいほどの舞い上がり具合でした。親や兄達にもびっくりされましたから。

恋した相手に、無理だと思ってた相手に『好きだ』と言われたんです。

しかも抱きしめたりも…。

全然ねれないままに登校したんですけどその日は彼女お休みで、凄くガッカリしたことを覚えています。

数日後…彼女がやっと登校してきて、放課後いつもの様に並んで座ってお喋りをしたんですが『僕も好きです』って言葉がなかなか口から出てこなくて…なんども口を開けたり閉めたりしていました。

…沢山時間をかけ『僕も君の事が好きだよ』と伝えることが出来た時にはもう母が来る時間ギリギリになってしまっていました。


彼女はいつもの様にキョトンとした表情をした後『ありがとう!嬉しい』と言ってくれました。

まぁ、それから特に付き合うとかそんな話はなく、小学校卒業まで放課後のお喋りは続きましたが…中学校、高校と離れてしまい彼女とは疎遠になってしまいました。


…まぁ、結局僕の好きと彼女の好きは別物だったんですよね。

僕一人が彼女に恋愛感情を持っていて、その時の彼女は僕に対し友情愛みたいなものを持っていただけだったんです。

でも、僕にとってこの 初恋 は忘れられない思い出の1ページであって、今の僕の幸せに繋がって居るんですよね。


「ご飯出来ましたよ、愛ちゃん友くんちーちゃんはもう座って待ってますー」

「まってまーす!」

「ぱぱお腹空いたー!」

「あーいあー!」

「はーい、ありがとう。ぱぱもすぐ行くよー」


だって僕の 初恋 はその時叶わなかったけれど、大人になって彼女と再開し…プロポーズもして今は僕の奥さんになってくれましたから。

可愛い3人の子供にも恵まれて、僕は幸せです。


そう、これが 僕の初恋 のお話し。


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