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三章 メグリ
七十一話 メグリと旧友
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「私達、学校の友達で親友なの」
ユメがメグリの手を握りつつ、みんなの方を向いて言った。2人とも目に薄く涙が浮かび、再会に感動している様子。
「まさか、こんな所で会うとは思わなかった…どうしてここにいるの?」
「色々事情があって…あとでゆっくり話すよ」
「そっか、じゃあ時間のある時ね…! とりあえず今は仕事、しちゃうね」
「うん」
ユメはカバンを広げ、中から数枚紙を取り出して毛布の上に乗せ、ペンを用意してメグリの方に向き直った。
「いやー、まさかあのメグちゃんがね…魔法使えなかったのに」
「私もよく分からない…」
「その時の状況はあらかた魔王さんに聞いたんだけど、改めて少し聞くね」
そう言って、紙に目を落としつつ報告書を読み上げ、時々顔を上げてメグリに質問をした。
「今は魔法使える?」
「どうだろ…」
「ちょっと何かやってみてくれる? 時間を戻す以外で」
「うーーーん………」
メグリが眉間に皺を寄せる。数分間そのままで、目を開けたと同時にすうっと息を吸い、
「だめだぁ…!」
「使えないの?」
「そうみたい」
「魔力切れかな…? でも…回復はしてるはずだし」
「魔法使えたのはこれが初めて?」
「…私のことを知って、もしかしたらって思ったんですけど…、1回、使ったことがあるかも」
「ほんと? 状況は言える?」
「ええと、確か午後の授業中、朝昼何も食べてなくてお腹空いてて…、そしたらいつの間にか学校のスープ鍋の中にいて全身やけどしたんだけど」
「あっ、覚えてるよそれ」
「うん、あの時もしかしたら」
「なんでそう思ったの?」
「…私、あの石を貰う時、『生きたいと願う時、誰かを助けたいと願う時に使え』ってパパにいわれたんだ。だから…」
「それが発動条件って事…? じゃあスープ鍋事件は」
「お腹がすいて死にそうだったから無意識に発動したのかも…」
「なんと…、発動条件曖昧すぎるなあ…?」
「…ともかく、その言葉通りの状況だと魔法が使えるわけね」
「みたいです。あの時もそうでしたし」
手早く下の資料の余白にメモをする。終わるとペンを置き、背筋を伸ばして微笑みながらメグリの顔をじっと見つめた。
「いや~……、メグには適わないな」
「え?」
「学校の成績、メグが1位で私が2位だったでしょ? あの時は魔法があったから差が縮められたけど…、もう突き放されちゃったな」
ユメが毛先を弄りながら言う。少し顔に曇りができ、それを見たメグリも俯いて頬をかいた。
「……違うよそれは。リンさんも言ってたけど…、私の魔法はいざと言う時時に使えないし調整も出来ない。でもユメちゃんの魔法はいつでも人の役に立てる」「ユメちゃんの方がうんと凄いよ。前から言ってるでしょ?」
「ふふ…、相変わらず優しいねメグは…。初めの頃はあんなに臆病だったのに」
ユメがメグリの手を握りつつ、みんなの方を向いて言った。2人とも目に薄く涙が浮かび、再会に感動している様子。
「まさか、こんな所で会うとは思わなかった…どうしてここにいるの?」
「色々事情があって…あとでゆっくり話すよ」
「そっか、じゃあ時間のある時ね…! とりあえず今は仕事、しちゃうね」
「うん」
ユメはカバンを広げ、中から数枚紙を取り出して毛布の上に乗せ、ペンを用意してメグリの方に向き直った。
「いやー、まさかあのメグちゃんがね…魔法使えなかったのに」
「私もよく分からない…」
「その時の状況はあらかた魔王さんに聞いたんだけど、改めて少し聞くね」
そう言って、紙に目を落としつつ報告書を読み上げ、時々顔を上げてメグリに質問をした。
「今は魔法使える?」
「どうだろ…」
「ちょっと何かやってみてくれる? 時間を戻す以外で」
「うーーーん………」
メグリが眉間に皺を寄せる。数分間そのままで、目を開けたと同時にすうっと息を吸い、
「だめだぁ…!」
「使えないの?」
「そうみたい」
「魔力切れかな…? でも…回復はしてるはずだし」
「魔法使えたのはこれが初めて?」
「…私のことを知って、もしかしたらって思ったんですけど…、1回、使ったことがあるかも」
「ほんと? 状況は言える?」
「ええと、確か午後の授業中、朝昼何も食べてなくてお腹空いてて…、そしたらいつの間にか学校のスープ鍋の中にいて全身やけどしたんだけど」
「あっ、覚えてるよそれ」
「うん、あの時もしかしたら」
「なんでそう思ったの?」
「…私、あの石を貰う時、『生きたいと願う時、誰かを助けたいと願う時に使え』ってパパにいわれたんだ。だから…」
「それが発動条件って事…? じゃあスープ鍋事件は」
「お腹がすいて死にそうだったから無意識に発動したのかも…」
「なんと…、発動条件曖昧すぎるなあ…?」
「…ともかく、その言葉通りの状況だと魔法が使えるわけね」
「みたいです。あの時もそうでしたし」
手早く下の資料の余白にメモをする。終わるとペンを置き、背筋を伸ばして微笑みながらメグリの顔をじっと見つめた。
「いや~……、メグには適わないな」
「え?」
「学校の成績、メグが1位で私が2位だったでしょ? あの時は魔法があったから差が縮められたけど…、もう突き放されちゃったな」
ユメが毛先を弄りながら言う。少し顔に曇りができ、それを見たメグリも俯いて頬をかいた。
「……違うよそれは。リンさんも言ってたけど…、私の魔法はいざと言う時時に使えないし調整も出来ない。でもユメちゃんの魔法はいつでも人の役に立てる」「ユメちゃんの方がうんと凄いよ。前から言ってるでしょ?」
「ふふ…、相変わらず優しいねメグは…。初めの頃はあんなに臆病だったのに」
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