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一章 魔王城へ
十二話 神の子
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小さい頃、両親が事故で亡くなってから俺と妹の唯は祖父母に預けられた。
祖父母も自分達2人を完全に世話できるわけでもなく、自分達で学校に行きながら家事をして生活をしていた。
いつも協力していたので互いに強く信頼し、祖父母が介護センターへ行って家にいなくとも生活が出来るようになってきた。
どこにも遊びに行けたりはしなかったが、充実した時間だったと思う。
しかし俺が高校の進学先が決まった頃、両親に次いで唯も事故で亡くなり、絶望した俺は1週間後、もう帰らないであろう家を出て海へと向かった。
【十二話】
「知り合いですか?」
ベッドに女の子を寝かせる。肩と腹部の二つの傷から血は流れていて、他にも薄く傷痕が残っていた。
「いや、似てるだけだ」
「大切な人に、ですか?」
「ああ。気遣わないでいいからな」
「はい、分かってます。包帯取って貰ってもよろしいですか?」
袋から白い包帯を取り出してメグリに渡す。
メグリはそれを受け取って少女に手際よく巻き付ける。痩せていない所を見ると、老夫婦は食事は与えていたらしい。「血を貰う」と言っていたのを思い出した。
「少し寝かせますかね…、念のため今日1日、明日も起きるまでは寝かしておきましょう」
「水を持ってきて貰えますか?」
「ん、ああ」
キッチンで水を汲む。使われた食器がまだ放置されていた。老夫婦はコドン村の時と同じ様に消えてしまった。何故だろうか?
水を渡し、少女の寝ているベッドに座る。
メグリは水を少しずつ少女の喉に通す。
「休んでてもいいですよ? ベッドは一つ空いています」
「いやいい、お前が休め」
「…本当に大丈夫ですか?変ですよ私にベッドを譲るなんて…」
「違う、俺は別の部屋で寝るからいいんだよ。いざとなったら知識あるお前が近くにいた方がいいだろ?」
「そうでしたか、でも今日は私も寝ませんよ」
「…やっぱり少し寝てくる」
「どうぞー、朝になったらおこします」
「ああ、頼んだ」
別の部屋へ向かい、ベッドに横たわる。
あの少女があの顔じゃなかったらどうしてたのだろうか? 救ってたか? そしてあそこまで怒ったか?
思ってみると、まだ唯の事を拭い切れてないんだな。この世界に来てから考えないようにしていたんだが…。
祖父母も自分達2人を完全に世話できるわけでもなく、自分達で学校に行きながら家事をして生活をしていた。
いつも協力していたので互いに強く信頼し、祖父母が介護センターへ行って家にいなくとも生活が出来るようになってきた。
どこにも遊びに行けたりはしなかったが、充実した時間だったと思う。
しかし俺が高校の進学先が決まった頃、両親に次いで唯も事故で亡くなり、絶望した俺は1週間後、もう帰らないであろう家を出て海へと向かった。
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「知り合いですか?」
ベッドに女の子を寝かせる。肩と腹部の二つの傷から血は流れていて、他にも薄く傷痕が残っていた。
「いや、似てるだけだ」
「大切な人に、ですか?」
「ああ。気遣わないでいいからな」
「はい、分かってます。包帯取って貰ってもよろしいですか?」
袋から白い包帯を取り出してメグリに渡す。
メグリはそれを受け取って少女に手際よく巻き付ける。痩せていない所を見ると、老夫婦は食事は与えていたらしい。「血を貰う」と言っていたのを思い出した。
「少し寝かせますかね…、念のため今日1日、明日も起きるまでは寝かしておきましょう」
「水を持ってきて貰えますか?」
「ん、ああ」
キッチンで水を汲む。使われた食器がまだ放置されていた。老夫婦はコドン村の時と同じ様に消えてしまった。何故だろうか?
水を渡し、少女の寝ているベッドに座る。
メグリは水を少しずつ少女の喉に通す。
「休んでてもいいですよ? ベッドは一つ空いています」
「いやいい、お前が休め」
「…本当に大丈夫ですか?変ですよ私にベッドを譲るなんて…」
「違う、俺は別の部屋で寝るからいいんだよ。いざとなったら知識あるお前が近くにいた方がいいだろ?」
「そうでしたか、でも今日は私も寝ませんよ」
「…やっぱり少し寝てくる」
「どうぞー、朝になったらおこします」
「ああ、頼んだ」
別の部屋へ向かい、ベッドに横たわる。
あの少女があの顔じゃなかったらどうしてたのだろうか? 救ってたか? そしてあそこまで怒ったか?
思ってみると、まだ唯の事を拭い切れてないんだな。この世界に来てから考えないようにしていたんだが…。
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