瞳の奥には

ヤシテミカエル

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瞳の奥には

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あれは二週間前林進が、会社に出勤してすぐに社長に呼ばれた時から始まっていた。

「林君、出勤してそうそう悪いんだが話があるんだ」

林進は社長に出勤日そうそう呼ばれた。
そして林進は社長室に入った。

「社長何でしょうか?」

林進はこの後社長が言った言葉に耳を疑った……。

「私が明日から新人教育係りに?何で私が?空いている部屋に新人を集めて教育する係ですよね?私は大学出てるし、図面の資格や機械の調整の資格を持っていて大学卒業してからずっとこの会社で働いてきました。長い間ずっと上司に期待されて資格までとって
無能な部下に仕事を教えながら機械製図室で男だらけの部署で働いて来たんです。
私は、上司に言われて製品の納期を守る為に機械をセットしてきたんです。
それなのに何で今さら新人教育係に移動しなければいけないんですか?
私みたいな優秀な社員を新人教育係にするのはおかしい。私みたいな優れた人間は機械製図室で働くべきです」

その言葉を聞いて社長は、林進に言った。

「君は、充分仕事をしてきた。
あと五年で定年退職になる。うちの会社では、定年退職が近いベテランの社員が新人教育係になる決まりがあるんだよ。だから頼んだよ林君、私は君に期待してるんだ。立派な社員に育ててくれ頼んだよ。
林君には今日から新人教育係課長になってもらうよ。役職だよ。君の人柄を見込んで頼んでいるんだよ」

林は言った。
「そうですか~やはり私みたいな優秀で期待される人間じゃないと駄目ですよね?私にピッタリの役職だと思います」


「そうか~引き受けてくれるか~よかった。
頑張ってくれ。新人教育の部屋はいつもの2階の空いている部屋だよ。あと一時間で新人が来るそれまでにあの空き部屋を掃除しておいてくれ、部屋の机の上の紙袋に新人教育の心得などの資料があるからそれを元に指導してくれ」

林は喜んだ
「俺は期待されているんだ。やはり俺は優秀なんだ」
そう心の中で叫んでいた。

林進は新入社員が来る前に空いている部屋を掃除していた。そして参考資料をさっと読んでいた。

一時間後林進は一日中昼休み以外は新入社員に心得などや挨拶などの仕方を熱心に教えた。

お昼休みになると林進は休憩室でお弁当を食べていた

「妻が毎朝作ってくれている愛妻弁当だ」

休憩室でお弁当を食べていると「クレジット会社」から電話があった。大量の家電が俺のクレジットカードで買われていたらしい。
「俺はそんな買い物はしていません」
そう言って俺はカードを止めてもらった。

不吉な予感はこの時から既に始まっていた。

誰かが林進をはめようとしていた。

この時はまだ、林進は命まで狙われているとは夢にも思っていなかった。


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