瞳の奥には

瞳の奥には

　　　　　　　謹慎処分

林進は自宅に着くと警察に電話して今までの事を話した。

一番始めに泥棒が入った時に貰った名刺の佐々木竜介警部と佐藤勝利警部に来てもらった。


佐々木竜介と佐藤勝利は言った。

「何か心あたりはないんですか？」

林進は言った。
「俺は今まで長い間会社に尽くして来たんです。
会社の皆とも仲良くやって来た方だと思います。
だから心当たりなんて全く思い付かないんです」

二人は
「そうですか～私達も会社に行って調べて来ます
携帯を貸してもらっていいですか？一日でいいんですが？その着信履歴履歴から犯人を割り出したいと思っています。任せてください。すぐに犯人を見つけますから」


林進は
「さすがに携帯は貸す事は出来ません。
知らない電話番号はこれです。この電話番号を調べてください。あと、この住宅街の自宅荒らしの犯人は捕まったんですか？」

佐々木竜介と佐藤勝利の二人は言った。


「さっき捕まったんですよ。女でした～林さんが命を狙われている事とは無関係だとか思いますよ」

二人にそう言われて林進は納得するしかなかった。

林進は言った
「あの～警察の方に警護してもらう訳には？」

二人の警部は林進に言った。

「今のところ悪戯かも？しれませんよね？事件ではないと思いますが？会社の事も林さんに嫌がらせを誰かがしているだけだと思いますよ？また、何かあったらその名刺に書いてある電話番号に電話を掛けてください」


林進は見えない犯人に怯える毎日を送っていた。

怖くなった林進は携帯電話を解約してしまった。

会社に行って今までの事を話し、連絡があれば自宅の電話に電話を掛けてほしいと話した。
そして、林進は謹慎中に必死でアイディアを考えていた。


携帯さえ解約してしまえば犯人も連絡して来る事はないだろう。林は安堵していた。

それなのにその日の深夜自宅の電話が鳴り響いて
いた……。

誰だ？こんな深夜に～。林進は布団の中から寒さに震えながら自宅の電話に出た。

「携帯解約したんだな？でも、お前の行動はずっと見ているからな。お前を許さない……絶対に許さない」

林進はぞっとして自宅の受話器を置いて電話を切った。


「何故？自宅の電話番号まで知ってるんだ？やはり犯人は俺が知っている人だ。間違いない。何で？俺だけを狙うんだ？俺はそんなに人から恨まれる人間なのか？」

自宅の電話はずっと深夜……林進の家で鳴り響いていた

これは迷惑電話だきっと警察もうごいてくれる。

明日また、佐々木さんと佐藤さんに電話をして相談してみよう。もう、俺にはあの二人しか話せる信用できる人はいない。

妻も出て行った。

今の俺には相談できるほど信用できる友人もいない。

こんな時、妻が側にいてくれたら……。

何故？妻まで俺から離れていくんだ？

俺が何をしたんだ？

林進は広い自宅でただ一人見えない犯人に怯えていた。